書いてあること
- 主な読者:売りたい気持ちが強くて、ついつい話を盛ってしまいがちな新入社員
- 課題:相手を困惑させたり、勘違い(誤認)させたりする不当なセールストークは法律違反
- 解決策:正しい情報を相手に魅力的に伝える力を鍛えるべし!
営業って本当に難しい……先週から一人で外回りをしているけど、なかなか売れないな。そういえば、他の会社に就職した大学時代の友達は成果を上げているようだけど、結構、「話を盛っている」って言っていたな。私は真面目すぎるかな? 嘘はダメだけど、ちょっと話を盛るぐらいなら大丈夫だよね……?
1 「売りたい!」気持ちに要注意
営業を担当することになったら、張り切って自分たちの商品やサービスを売り込みたいですよね。ただし、その「売りたい!」という気持ちに御用心。なぜなら、
相手を勘違いさせるようなセールストークや、実際よりもよく見せかける広告は法律違反
になることがあるからです。皆さんに悪気がなくても、売りたいという気持ちから話を盛ることがあるでしょうが、押さえるべきところは押さえていきましょう。
2 セールストークなどで禁止されていること
相手を困惑させたり、勘違い(誤認)させたりするセールストークなどは、「消費者契約法」という法律で禁止されています。こうした行為があった場合、
- 相手は一方的に契約を取消すことができる
- 相手が契約書にサインしていたり、代金を支払っていたりしていても、取消しの申し出があった場合、会社は応じなければならない
などのルールがあります。不当なセールストークなどの例は次の通りです。
3 広告などで禁止されていること
実際よりもよく見せかける広告や表示は、「景品表示法(略称)」という法律で禁止されています。CM、チラシ、ダイレクトメールだけでなく、商品のパッケージ、料理のメニュー、口頭でのセールストークなども対象になります。こうした行為があった場合、
契約自体が取消されることはありませんが、会社は表示を改める、再発防止策を講じる
といった対応をしなければなりません。
広告であるにもかかわらず、広告であることを隠す「ステルスマーケティング(ステマ)」も規制の対象です。インターネット広告なども対象になります。皆さんがこうした仕事を担当されている場合は注意しましょう。
4 正しい情報を魅力的に伝える練習を!
ここまで紹介してきた内容は、要するに「嘘をついてはいけない」ということに尽きますから、皆さんが「売りたい!」と思ったら、
正しい情報を相手に魅力的に伝える練習
をすればよいことになります。そして、そのために必要なのは相手のニーズを捉えることです。この辺りは先輩から徹底的に教わってください。事前準備をして、実際に営業し、課題を見つけて改善していくことで、皆さんの営業力は確実に高まります!
最後に、
「相手に誤解を与えてしまったかもしれない」と思ったら、恐れずにその場で相手に確認し、誤解を解く
ようにしましょう。皆さんは「一度言ったことを覆すようで嫌だ」と思うでしょうが、相手は皆さんのことを「正直で誠実な人」と評価してくれるかもしれません。そして何より、
皆さんが嘘つきにならずに済む
のです。
以上(2025年1月更新)
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画像:Mariko Mitsuda