ヒント7[仕事3]:上司は“仕事のやりがいは一人ひとり違う”と知るべき/武田斉紀の『人が辞めない会社、10のヒント』(8)

1 同じように部下を褒めても、人によって反応が違うのはなぜ

今シリーズの狙いは、経営者、人事担当者、現場の皆さんのお悩みである「社員を採ってもすぐに辞めてしまう上に、そもそも採れない」という課題を解決することです。「人が辞めない会社、10のヒント」と題して、毎回1つずつご紹介していきます。

「人が辞めない会社」に変わるための課題、その原因と解決策は会社によってさまざまです。

今回ご提示するヒントが皆さんの抱える原因に明らかに当てはまらない場合は、読み飛ばしてくださって結構です。ですが、ヒントの1~9までが該当しなくても、10が当てはまるかもしれません。

全社共通の原因もあれば、部署ごとの固有の原因も存在することでしょう。原因が1つだけというケースは少ないので、何回分か読んでいただければ「これはうちにも当てはまるな」というものを見つけていただけるのではと思います。

「人が辞めない会社」に変わるために、前回の第7回では、社員が入社して仕事や環境に慣れて落ち着いてきた頃からは、“仕事のやりがい”を感じられるかどうかが大きいという話をしました。

「自分の仕事が何かの役に立っている」という“仕事の意義=やりがい”の実感があれば、人は簡単には辞めません。特に仕事に前向きな社員にこそ必須です。

もし、部下が普段担当している仕事で実感が得にくいようなら、上司が小さくてもいいので成功体験を得られる機会を用意してあげてください。顧客や社会、関係部署から得にくいようであれば、上司や職場の仲間からの褒める言葉や励ましでもいいのです。

日々の仕事を通して“仕事の意義=やりがい”の実感があれば、人はたとえ嫌なことがあっても退職を踏みとどまる可能性が高いと思います。

さて、今回の第8回は「入社後のヒント」についての3回目。前回の“仕事の意義=やりがい”についてさらに踏み込みます。部下が“仕事の意義=やりがい”をどれくらい実感するかは、一人ひとりのモチベーションタイプ(MT)によるという話です。

上司は、部下一人ひとりのメインとなるMTおよび優先順位の高いMTを知り、声のかけ方を変えることで、『人が辞めない会社』に変われるのです。

2 6つのモチベーションタイプ(MT)の中で、あなたのメインはどれですか?

弊社では個人が「何に対して“仕事の意義=やりがい”を感じるか」を、6つのモチベーションタイプ(MT)に分類し定義しています。

私がリクルート社に在籍していたときに学んだ理論に、現在の会社で長年コンサルティングを行う中で修正を加えたものです。

まずは6つのモチベーションタイプ(MT)をご紹介していきましょう。この中であなたが最も大切にしたいMTはどれですか?

■①組織タイプ・・・所属する「会社の社会的評価」や「組織からの評価」を重視

◯その会社に所属していること、社会的ステータス

◯地位・出世(それによる裁量権・報酬)

◯企業内での役割・責任

◯企業の目的・目標への貢献感

■②職場タイプ・・・会社全体ではなく「所属する職場の上司やメンバーからの評価」や「職場の仲間との協働・競争や目標達成の喜び」を重視

◯所属部署や上司の評価

◯仲間の評価

◯仲間との協働の喜び・人間同士の交流

◯協働による目標達成の喜び・仲間との競争

■③顧客タイプ・・・「自分の仕事の結果が及ぶ相手(顧客・取引先・社内の次工程など)への影響や評価」を重視

◯顧客(お客様)のために

◯顧客(取引先)のために

◯顧客(社内の次工程)のために

■④仕事タイプ・・・仕事を通しての「自身の発見・工夫などの成果」や「自身の成長の実感」、「そのための職場環境など」を重視

◯仕事そのものが自己目的

◯プロセスの喜び(発見・工夫・自己表現・裁量・手ごたえ・成長感)

◯結果の喜び(達成感・手ごたえ・出来ばえ・足跡)

◯副次的な報酬(知識・技術・人脈)

◯職場施設(職場環境・設備・器具など)

■⑤社会タイプ・・・「自分の仕事の結果が地域や社会に及ぼす影響・成果・評価」を重視

◯地域のために

◯社会のために

◯地球環境のために

■⑥生活タイプ・・・仕事を通して「自身および家族の生活レベルの向上や充実」「家族からの期待・応援」を重視

◯生活レベルの向上(待遇アップ・休日等の充実)

◯家族の期待・応援

いかがでしょう。6つの中であなたが最も大切にしたいMTは絞られたでしょうか。2番目、3番目はどれでしょうか。

こう質問すると、カッコつけたがるのか真っ先に④の仕事タイプを最優先に選ぶ人が少なくありません。ですが、ここは自分に正直にいきましょう。

判断基準としては、1番目に選んだものが満たされれば、2番目以下に選んだものの評価が仮に“なかった”としても自分は我慢できそうかを想像してみてください。

例えば、仕事を通して「自身の成長(④仕事タイプ)」が感じられれば、「上司や仲間の評価(②職場タイプ)」や「会社からの評価、人事評価や昇進昇格(①組織タイプ)」がなかったとしても耐えられますか?

イエスならあなたのメインのMTは④仕事タイプだと思います。ノーであるなら、メインは他のMTであるか、あるいはメインは④ながらも次に近い優先順位で②や①が存在する可能性が高いでしょう。

まず働く上で「メインとなる最優先MT」が人によってそれぞれ異なります。

3 6つのMTを、多くの人は大なり小なりみんな持っている

もう1つ既にお気づきかと思いますが、④仕事MTがメインの人であっても、①組織や②職場や③顧客から褒められればうれしいということ。他にも⑤地域や社会に貢献できたと思えばやはりうれしいでしょう。結果、社内で評価されて待遇が向上し⑥自身や家族の生活がさらに充実し、家族が褒めてくれたら言うことはないでしょう。

すなわち6つのMTを、多くの人は大なり小なりみんな持っているということです(中には「6つの中のいくつかには全く魅力を感じない」という人も存在するでしょうが)。

であるなら、

上司としては、部下一人ひとりのメインや優先順位の高いMTを把握して、それらにフォーカスして声をかけてあげられれば、本人にとって“仕事の意義=やりがい”がより実感しやすくなるのではないでしょうか。

まとめると、大事なポイントは、1)6つのMTはいずれも多くの人が大なり小なりもっている。2)但し、そのメインと優先順位、バランスは人によって異なるということです。

4 部下のメインのMT、優先順位の高いMTを把握して、声のかけ方を変えてみる

では、みなさんの部下のメインのMTが次であるとき、どのように声をかければ本人がより“仕事の意義=やりがい”を実感できるでしょうか。かけるべき効果的な(心に刺さりそうな)“一言”を考えてみてください。

「A.頑張りをたたえるとき」

■組織タイプ→

■職場タイプ→

■顧客タイプ→

■仕事タイプ→

■社会タイプ→

■生活タイプ→

では、「A.頑張りをたたえるとき」により効果的と思われる“一言”の例を紹介しましょう。

組織タイプ→「○○さんの今回の仕事は、会社に貢献しましたね」

職場タイプ→「○○さんの今回の仕事を、仲間がみんな喜んでいますよ」

顧客タイプ→「○○さんの今回の仕事、お客様が喜んでくれますね」

仕事タイプ→「○○さん、仕事の腕を上げましたね」

社会タイプ→「○○さん、社会に貢献できましたね」

生活タイプ→「○○さん、きっとご家族も誇りに思ってくれますよ」

「B.励ますとき」

■組織タイプ→

■職場タイプ→

■顧客タイプ→

■仕事タイプ→

■社会タイプ→

■生活タイプ→

では、「B.励ますとき」により効果的と思われる“一言”の例を紹介しましょう。

組織タイプ→「○○さんは会社から活躍を期待されていますよ」

職場タイプ→「○○さんのこと、職場のみんなが心配していますよ」

顧客タイプ→「お客様は○○さんに期待していますよ」

仕事タイプ→「○○さんはもっと成長できる人だと思います」

社会タイプ→「社会は○○さんの仕事を必要としていますよ」

生活タイプ→「○○さんを、ご家族もきっと応援してくれていますよ」

いかがでしょう。

上司が部下の、あるいは先輩が後輩の一人ひとりのメインや優先順位の高いMTを把握して声をかけてあげられれば、より活力のある職場が実現し、人は簡単に辞めなくなるはずです。

5 上司が部下一人ひとりのMTを見極めるには

個人のMTのメインとなるものや優先順位、バランスが異なるとして、それをどんな方法で把握しておけばいいでしょうか。

自分自身についていえば、先ほど「2」の中で紹介した「1番に選んだものが満たされれば、2番目以下に選んだものの評価が仮に“なかった”としても自分は我慢できそうか」で判断してみる方法があります。

より正確に知りたい場合は、自身が経験してきたエピソードとその時の気持ちを振り返ることで特定することが可能です。が、そのノウハウは少し長くなりますのでまたの機会としましょう。

一方、自身ではなく、上司が部下一人ひとりのMTを把握しようとするとなると、他人である以上簡単ではなさそうです。

そこでお薦めしたいのは、常日頃から部下への声かけを実践しながら反応を見て、確認していくという方法です。

普段のやりとりの中から、AさんのメインMTは組織タイプだな、Bさんは職場タイプだな、Cさんは仕事タイプだなと仮定してみましょう。そこで先ほど紹介した「A.頑張りをたたえるとき」や「B.励ますとき」の言葉をかけてみます。

相手がビビッドに反応して目を輝かせてくれたら、恐らくメインMTは正解でしょう。もしそうでもなかった場合は、次は異なる仮定を置いて声をかけ直してみましょう。

自分からの声かけに限らず、他の人から褒められたときの反応も観察してみましょう。他にも例えば「いつも家族の話をしている(生活タイプ)」「もっと成長したいが口癖(仕事タイプ)」といった日常のコミュニケーションも参考になるはずです。

部下は一人ひとり同じ人間ではない、一人ひとりMTのメインや優先順位は違うのだという意識を持つだけで、さまざまな場面での声のかけ方に工夫をするようになるでしょう。

相手のモチベーションタイプ(MT)を把握できれば、上司も部下もお互いが気持ち良く日々働けるようになるはずです。自ずと退職防止にもつながることでしょう。

第8回を最後までお読みいただきありがとうございました。次回も[仕事]についてのヒントをご紹介します。

毎回ご紹介するヒントを参考にしながら、自社を退職する一人ひとりの「辞める理由」と、働いている一人ひとりの「辞めない理由」を丁寧に拾ってみましょう。見えてきた自社ならではの“課題”を解消し“強み”を活かせれば、『人が辞めない会社』へと変われるはずです。

<ご質問を承ります>

ご質問や疑問点などあれば以下までメールください。※個別のお問合せもこちらまで

Mailto:brightinfo@brightside.co.jp
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※武田が以前上梓した書籍『新スペシャリストになろう!』および『なぜ社長の話はわかりにくいのか』(いずれもPHP研究所)が、ディスカヴァー・トゥエンティワンより電子書籍として復刻出版されました。前者はキャリア選択でお悩みの方に、後者はリーダーやトップをめざしている方にお薦めです。

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以上(2026年2月作成)
(著作 ブライトサイド株式会社 代表取締役社長 武田斉紀)
https://www.brightside.co.jp/

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テレワークでも「成果×行動」でブレない人事評価を!

1 「できる/できない」を基準にするとは

今どきは、テレワークでも常にWeb会議ツールなどでつながることができ、オフィスにいるときとほぼ同じように仕事ができる・・・・・・というのは建前です。

実際は、目の前に相手がいない状況は特に細かいことを伝えたり、熱量を込めたコミュニケーションを取ったりするのが難しいもの。特に上司の立場からすれば、目の前で部下が働いていないので、指導も評価もしにくいというのが本音でしょう。

ここで必要となるのが上司の意識転換です。テレワークの大前提は「上司や先輩が近くにいなくても自立して働けること」なので、

「頑張っている」など曖昧な基準を排除し、シンプルに「できる/できない」で評価する

ことに徹すると、人事考課も適切に実施することができます。「できる/できない」のイメージは、例えば次のようなものです。

  • 自分で考えて、仕事を「作れる/作れない (指示待ち)」
  • 実際にその仕事が「できる/できない」
  • 自分で時間管理が「できる/できない」
  • 自分からきめ細かいコミュニケーションが「取れる/取れない」
  • 自分の足りない部分を知り、自ら勉強が「できる/できない」

このように言うと、「人事考課が結果主義に偏らないか?」と心配する人もいるでしょうが、ここで言う「できる/できない」は、それとは少し違います。結果主義は「できた/できなかった」という、文字通りの結果だけを評価しますが、テレワークの人事考課では、

成果に結びつくような行動を「取れた/取れなかった」も評価の対象

に加えます。そして、これが本当に重要なポイントですが、

「できる/できない」は教育とセットで行う

ことが不可欠です。つまり、

  • 会社はできるように全力で社員教育をする
  • その教育を効率的に行うために仕事を見える化し、マニュアルを作る
  • そのマニュアルがテレワークのルールとなる

という流れになります。

2 具体的なイメージとなる「学習の5段階レベル」

「できる/できない」をイメージする際に参考になるのが、NLPの「学習の5段階レベル」です。この考え方に基づくと、社員の「できる/できない」は次のようなレベルになります。

  • レベル5: 人に教えることができるほど、その仕事に精通している
  • レベル4:深く考えなくても、その仕事ができる
  • レベル3:深く考えれば、その仕事ができる
  • レベル2:浅く知っているだけで、その仕事ができない
  • レベル1: その仕事ができず、できるようになろうともしない

オフィスワークの場合、部下の実力はレベル1や2でも、上司の指示やフォローで「げた」を履き、レベル3として評価されることがあります。また、その社員が遅くまで残業をしていると、「真面目に頑張っている(ようだ)」と、さらに高い評価がされることさえあります。

しかし、テレワークだと事情は変わってきます。もちろん、Web会議ツールなどでつながることはできますが、「部下が困っていそうなときに声をかける」 「部下のパソコンを見て『そこ間違っているよ』と修正を図る」といった、こまめな指示やフォローはしにくくなります。つまり、レベル1や2の部下が、「げた」を履きレベル3などと評価される可能性は下がっていきます。こうした、本来のレベルに基づいて人事考課をするための基準が「できる/できない」です。

厳しい取り組みのように感じられますが、「できる/できない」の人事考課を行うことで、「組織全体の戦闘力」の向上が期待できます。レベル1や2のままでは評価が下がることを知った部下の一部は、できるようになる努力をするでしょう。また、これが大きいのですが、現時点でレベル3以上の部下は、自分の仕事に集中できるようになります。

3 仕事を見える化し、失敗を許容する

繰り返しになりますが、「できる/できない」の評価とは結果主義ではありません。例えば、部下に初めての仕事を与えたとします。部下は、どうすれば「できるのか」という勝ち筋が分かっていないので、多くは失敗するでしょう。しかし、勇気を持って新しいことにチャレンジしているのに、失敗したら評価が下がるというのでは、部下のモチベーションは上がりません。

そこで、最初は手間がかかりますが、

できるだけ仕事のプロセスを「見える化」

していきます。テレワークは自由なようで、実は細かなルールの積み重ねが重要です。そこで、仕事の手順についてもマニュアル化し、成功や失敗を共有します。どこが難所なのか、手順にムダ・ムラ・ムリはないのかということも分かってきます。また、コミュニケーションの一環として、各社員の仕事の進捗を共有するオンラインミーティングを実施することで、そこでの発言によって社員の成長や課題感も把握できるようになります。

4 教育に力を注ぐ

「できる/できない」の人事考課は、一部の社員にとっては厳しいものとなります。そこで、前述したマニュアルで仕事の進め方を示すと同時に、教育を充実させ、社員ができるようになるための努力を後押しするべきです。ここに社員の気持ちが乗れば、従来のようなノルマ消化的なセミナーとは全く違う次元で、社員は本気で学ぶようになるでしょう。これも「できる/できない」の人事考課で期待できる一つのメリットであり、会社としても一定の予算を確保すべきところです。

5 ハイブリッド勤務者への評価配慮

コロナ収束後は出社とリモートを組み合わせたハイブリッド勤務が定着しつつあります。この環境で公平性を保つために、次の点に注意しましょう。

1)「出社そのもの」を評価しない

最大の原則は、オフィスに来たかどうか自体を評価しないことです。評価すべきは場所ではなく、成果や行動です。

ただし、「出社したことで生まれた成果やチームへの貢献」は評価軸に紐づけます。例えば「出社して対面指導した結果、後輩の育成に貢献した」といった具体的エピソードに基づき評価します。

2) オンライン上も共同も評価する

「出社しない=協調性が低い」という誤解を避けるため、リモート上での協働行動も見逃さず評価します。SlackやTeamsでの積極的な情報共有、オンライン会議での活発な発言や同僚サポートなども立派なチーム貢献です。ハイブリッドでは自分の働きが正しく伝わっているか不安になりがちです。評価面談等で「どのようなプロセスや取り組み姿勢をどう評価したか」を丁寧に説明することで、社員の納得度・公平感が高まります。

以上(2026年2月更新)

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旧ソ連の「伝説のスパイ」が明かした、日本人が思わず重要情報を語ってしまうひと言

どうにかして相手の真意を知りたい……腹の探り合いが続く商談の場面で、そう思ったことはないだろうか。元公安の筆者は、あえて“知らないふり”をしたり、軽く“挑発”したり、“はったり”を交えて、機密情報を引き出していたという。ビジネスや日常でも使える、本音を引き出す会話術を解説する。

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見た目の老化が速い人は「食事」に問題、老けない人が食べているものは?

「あの人、最近なんだか疲れて見える」「急に老け込んでしまったみたい」……誰かの顔色や肌ツヤの具合を見て、その人の体調が心配になった経験があると思います。なんらかの病気であれば、それが見た目に表れるのもイメージがつきやすいかもしれません。でも実は、日常的に気になるシミや肌荒れ、ニキビなどのちょっとした肌の異変も、からだのなかの不調のサインです。見た目の老化からわかる問題と、その対策になる食事術とは。

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「まさか、孫に贈与して損するなんて…」相続税の怖すぎる落とし穴とは?

本連載は、相続に関する法律や税金の基本から、相続争いの裁判例、税務調査で見られるポイントを学ぶものです。著者は相続専門税理士の橘慶太氏で、相談実績は5000人超。遺言書、相続税・贈与税、不動産、税務調査、各種手続といった観点から相続の現実を伝えています。

この記事は、こちらからお読みいただけます。

「結果を出すチーム」を率いるリーダーが重視すべきたった1つのこと

1 情報はチームの血液のようなもの

会社では、あらゆる場面でチーム活動が行われています。上司として部下と一緒にクライアントへ提案する、これも立派なチーム活動です。でも、「提案の目的は何か」「クライアントは何を求めているのか」といった情報がメンバー間で共有されていなかったら、どうなるでしょう? チームワークは乱れ、良い結果にはつながりません。

情報はチームの血液のようなもので、スムーズに流れていなければチームは機能しない

のです。テレワークが広まり、チャットでのコミュニケーションが当たり前になった今、チーム内の情報共有は、これまで以上に重要な課題になりました。

皆さんはチームのリーダーの立場ですが、もし、「チームがうまくいっていない」と感じていたら、この記事を読んでみてください。チーム内において情報共有する上で大切なポイントを紹介していきます。

2 チーミングは最初が肝心!

1)リーダーズインテグレーションとは?

チームが立ち上がったら、リーダーが最初に行うべきこと、それが「リーダーズインテグレーション」です。簡単に言えば、

チームが形成された直後に行う“情報共有のためのキックオフミーティング”

のことです。「なんだ、キックオフか。それならいつもやっているよ」と思うかもしれませんが、ここで大切なのは、単なる顔合わせや目標発表ではなく、情報格差を埋めることです。

組織心理学者のブルース・タックマンが提唱した「タックマンモデル」によると、チームは次のような段階を経て成長します。

タックマンモデル

チームは「形成」してもすぐには「機能」せず、「混乱」と「統一」のフェーズを通ります。この混乱は、多くの場合情報格差から生まれます。チーム立ち上げ当初は、まだ情報の伝達ルールが整っていません。そのため、

「え、他のメンバーは知ってたの? 私だけ聞いてない……」

「なんで自分にだけ情報が来ないんだろう」

といった不公平感や疑心暗鬼が生まれやすいのです。だからこそ、リーダーとメンバーが最低限の情報を共有するために、リーダーズインテグレーションが必要になります。最初にしっかり情報を揃えておけば、混乱を最小限に抑えられるのです。

2)リーダーズインテグレーションの際の注意点

リーダーズインテグレーションで大切なことは、

メンバーが「知っているはず」だという先入観を持たないこと

です。素直に自分が知りたいことと、メンバーに知ってほしい情報を共有しましょう。

例えば、「自分はせっかちな性格である」「完璧主義なところがあり、細かいことが気になってしまう」などと伝えます。また、メンバーには、

  • チームについて知っていること、聞きたいこと
  • リーダーについて知っていること、聞きたいこと

を挙げてもらい、リーダーはそれに丁寧に答えます。「こんなことも聞いて大丈夫なんだ」と感じられれば、メンバーは安心して意見を言えるようになります。よく「心理的安全性」という言葉で表現されますが、これがチームがうまく機能するための土台になります。

3)リーダーのコミットメント

リーダーズインテグレーションでは、

自身がどんなリーダーでいるかをメンバーに約束(コミットメント)すること

も大切です。これにより、「この人がリーダーなんだ」という認識が共有され、基本的なルールが明確になります。コミットメントの例は次の通りです。

  • 快適なチーム活動を約束する
  • 常にリーダーとしての威厳を持って活動することを約束する
  • メンバーの業務状況、家庭生活に配慮することを約束する
  • 時間厳守を約束する(無駄に活動を長引かせない)
  • 定期的に活動の進捗を伝えることを約束する
  • 中立な立場で指揮を執ることを約束する
  • 独断しないことを約束する
  • チーム活動を周囲の雑音から守ることを約束する
  • チーム活動の責任はリーダーである自分が負うことを約束する
  • 正当な権利は、リーダーである自分が上司と交渉することを約束する

こうした約束を明確にすることで、メンバーは安心してリーダーに着いて来られるようになります。

4)リーダーの心構え「サーバント・リーダーシップ」

もう1つ、リーダーが押さえておきたいのが「サーバント・リーダーシップ」です。これは、

リーダーは「指示する人」ではなく、「チームに奉仕する人」であるという考え方です。

サーバント・リーダーシップにおけるリーダーの役割は、メンバーが最高のパフォーマンスを発揮できるよう、障害を取り除き、サポートすることです。

前述したコミットメントも、まさにサーバント・リーダーシップの実践例。「自分がチームのために何ができるか」を明確にすることが、今のリーダーには求められています。

3 「ジョハリの窓」を意識した情報共有

チームが動き始めてからの情報共有については、「ジョハリの窓」というフレームワークが役立ちます。これは、心理学者のジョセフ・ルフトとハリー・インガムが考案したもので、両者の名前に由来して「ジョハリの窓」と呼ばれています。コミュニケーションにおける「気付き」のモデルとして有名ですが、チームの情報共有にも応用できます。

ジョハリの窓では、情報を4つに分類します。

ジョハリの窓

良いチームをつくるには、

「開放の窓」をできるだけ広げることが重要

です。つまり、メンバー全員が同じ情報を持っている状態を増やしていくということです。互いのことは活動を続けるうちに分かってきますが、コミュニケーションをサボると「開放の窓」は広がりません。「開放の窓」を広げるには、

  • 「隠された窓」を小さくすること
  • 「盲目の窓」(問題点)を小さくすること

が必要です。

「隠された窓」を小さくするには、リーダーが、チームに関する情報を積極的に共有します。「これは言わなくてもいいかな」と思うことでも、チームに関係することなら、どんどん開示するようにしましょう。例えば、プロジェクトの背景や経緯、上層部の意向や期待、予算やリソースの制約、今後のスケジュール感、リスクや懸念事項などがそうです。透明性を高めることで、メンバーの信頼を得られます。

「盲目の窓」を小さくするとは、メンバーからの質問や指摘を受けて、自分(やチーム)の問題点に気づくということです。「最近、報告が遅いと感じることはありますか?」「私のマネジメントで改善してほしい点はありますか?」など、質問を投げかけることで、自分では気づかなかった課題が見えてきます。大切なのは、指摘されても防御的にならないこと。「教えてくれてありがとう」という姿勢で受け止めましょう。

以上(2026年2月更新)

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画像:pixabay

【中堅社員のスピーチ例】「自分へのご褒美」で繁忙期を乗り切る!

【ポイント】

  • 仕事の山場を乗り越えるために、自分自身にご褒美をプレゼントしてみる
  • 自分の気持ちが満たされ、心に余裕ができれば周囲へのサポートにも気を配れる
  • 特別なギフトでなくとも、日常でパフォーマンスを整える工夫をしてみる

おはようございます。 早いもので2月に入りました。2月のイベントといえば、バレンタインがあります。バレンタインと言えば、親しい人にチョコレートやギフトなどを贈るイメージがありますが、最近は楽しみ方が多様化しています。その1つに、「自分へのご褒美」があります。誰かに贈るのではなく、美味しいスイーツを自分のために買い、自身を労ったり、今後の山場を乗り越えるモチベーションを高めたりしようとする人が増えているそうです。

私は、これにはビジネスの観点からも理にかなった部分があると感じています。これから年度末に向けて、自分自身の仕事を終わらせたり、後任者に仕事を引き継いだりするために動くなど、忙しい日々が続く人が多くなるでしょう。山場を乗り越えるために、あえて自分に「ご褒美」をプレゼントして、「よし、これを食べたから(買ったから)来月まで頑張ろう!」などと気合を入れる。とても良いセルフマネジメントではないでしょうか。

忙しくなるとつい自分のケアを後回しにしがちですが、最高の仕事をするためには、まずは、自分自身のパフォーマンスやモチベーションを整えておくことが肝心です。また、この「自分へのご褒美」という考え方は、自分自身だけでなく周囲に対しても良い影響があります。自分の気持ちが満たされ、心の余裕を持つことができれば、忙しい中でも同僚や部下へのちょっとした声掛けやサポートに意識を向けられるからです。

皆さんもぜひ、チョコレートに限らず、好きな食事や趣味の時間など、自分なりのご褒美を用意してみてください。自分へのご褒美が思いつかないという人は、お気に入りのコーヒーを飲む、少し早く帰ってゆっくり休むなど、日常で少し自分のパフォーマンスを整える工夫をするだけでも、長期的な活力やモチベーションにつながります。私も、繁忙期に入る前に、温泉に行ったり、美味しいものを食べたりして、自分自身のパフォーマンスを整えておこうと考えています。

適度に自分を甘やかしながら、チーム一丸となってこの繁忙期を元気に乗り切っていきましょう。 年度末まであと少し、引き続きよろしくお願いします。

以上(2026年2月作成)

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画像:Mariko Mitsuda

【書籍ダイジェスト】『硬くて柔らかい「複雑系」 骨のふしぎ』

本書は、鉄筋コンクリートにも似た構造や、硬いだけではなく衝撃を緩和する「しなやかさ」を備えていることなど、骨にまつわる驚きの事実を、最新の研究成果を踏まえて解説する。
骨は「不動」なものであると考えがちだが、実は、つねに破壊されつつ、つくられており、「動的平衡状態」が維持されているという。また、骨の中にある骨髄には多種多様な細胞が存在しており、骨髄腔と呼ばれる空間には、免疫細胞を保存する「図書館」のような役割があるという有力な説も紹介する。

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令和8年度税制改正大綱で中小企業が受ける影響と対応策

令和8年度税制改正大綱では、前年度改正に引き続き、基礎控除や給与所得控除の改正が行われることとなっており、今後の年末調整作業に大きく影響を与えるものといえます。また、インボイス制度に関する改正も行われる予定です。そこで本稿では、令和8年度税制改正大綱について、中小企業に大きな影響を与える項目を中心に解説します。

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IT化や生産自動化の悩みを解決! 中小機構によるDX支援策のご紹介

自動機やロボット、ITツール等による業務プロセスの改善は、人手不足への対応策であると同時に、品質の安定化や生産性向上、人件費を含むコスト削減などにも寄与します。DXは、将来に向けた競争力強化のための投資と言えるでしょう。

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