書いてあること
- 主な読者:休日や休暇の管理に不慣れな新任の人事労務担当者
- 課題:「何日休みを与えればいいのか」「賃金を支払う必要はあるのか」などが分からない
- 解決策:対象者、申請時期、日数、賃金の支払いについて違いを整理し、一覧表にまとめる
1 会社の休み一覧表
法定休日、年次有給休暇、育児休業など、会社にはさまざまな休み(仕事をしない日)があります。正直種類が多すぎて、「何日休みを与えればいいのか」「社員が休んでいる間、賃金を支払う必要はあるのか」など、実務に不安がある人もいるでしょう。
そこで、この記事では会社の休みを次の4つに区分し、「対象者」「申請時期」「日数」「賃金の支払い」について一覧表にまとめました。さっそく見ていきましょう。
- 休日:元々、労働義務がない日
- 休暇:労働義務を免除される日(一般的には、1日から数日などの短い休みを指す)
- 休業:労働義務を免除される日(一般的には、1カ月超などの長い休みを指す)
- その他:欠勤や出勤停止など
なお、一覧表のご利用に当たっては次の点にご注意ください。
- 一覧表の内容は法令に基づいているので、法令上特段定めのないものは「特になし」と表記しています。
- 日数は、法令で定められている日数を記載していますが、会社独自で法令以上の休日・休暇を与える制度設計をしても差し支えありません。
- 賃金は、法令上支払いが義務付けられていないものは「不要」としていますが、就業規則等で支払う旨を定めた場合は支払い義務が生じます。
- 休日に関するルールが異なる管理監督者などについては、考慮していません。
2 休業中に受給できる保険給付の一覧表
私傷病、労働災害、出産、育児、介護などの事情で休業する場合、社員は一定の要件を満たせば、社会保険や労働保険から休業中の生活を補償するための保険給付を受給できます。図表1では名称のみの記載だったので、こちらの図表2で補足します。
なお、社員が保険給付の受給を開始した後で、業務の引き継ぎやリハビリなどで出勤して賃金が支払われると、保険給付を受給できなくなることがあるので、注意が必要です。
例えば、傷病手当金(健康保険)の場合、保険給付を受給中に社員が出勤すると、原則として実労働時間に関係なく、その日については傷病手当金を受給できません。仮に社員が半日だけ出勤した場合、その日の賃金が傷病手当金の受給額より少なくなってしまうことがあります。
一方、休業(補償)給付(労災保険)の場合、保険給付を受給中に社員が出勤しても、1日の中で賃金を受けない時間があれば、その時間については休業(補償)給付を受給できます。
以上(2022年9月)
(監修 社会保険労務士 志賀碧)
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