書いてあること

  • 主な読者:今よりレベルアップしたい営業担当者と、営業担当者を指導する営業管理職
  • 課題:現場ですぐに使えて顧客と信頼関係を築けるトークスクリプト的なものが欲しい
  • 解決策:シーンごとに「最強フレーズ」を、少なくとも1つは持っておく。あとは応用

それはどなたのご発案なのですか?

単刀直入に聞くのは難しい?

具体的な提案内容を練るためには、相手の予算やスケジュールなどを確認しなければなりません。「誰に決定権があるのか?」という意思決定者もその1つです。とはいえ、特に法人営業の場合、「意思決定者」にたどり着くのは簡単ではありません。

残念ながら、皆さんが話をしている相手は意思決定者ではないでしょう。しかし、単刀直入に、「あなたには決定権がありますか?」「意思決定者の方に会わせていただけませんか?」と尋ねるのは気が引けます。意思決定者を見つけるためには、尋ね方に工夫が必要です。

「誰が」という相手の答えから想像する

例えば、「この機能の付いた新しいツールが欲しい」「新企画を立ち上げようとしているのでアイデアを探している」など相手の課題やニーズが明らかになったとき、冒頭で紹介した営業最強フレーズを使ってみましょう。「それは面白いですね! どなたのご発案なのですか?」と言葉を増やしてもよいかもしれません。話の流れが自然になります。

相手が「発案者は社長です」「部長です」と明らかに立場の上の人を答えたとすると、その人こそが意思決定者だろうと想像できます。

また、相手が「私のアイデアです」と答えたとすると、この件はまだ「相手が頭の中で考えているだけ」なのかもしれません。その場合、「今後の進め方はどうなりますか? 上司の方と方針を詰めていくのでしょうか?」といったように尋ねてみましょう。今後の進め方をヒアリングしながら、意思決定者の存在を探る形です。

なぜ意思決定者を見つけるの?

営業において意思決定者を見つけるのは、購買決定要因をつかむためです。意思決定者は、いったいどこを重視して購入を決定するのか。それを踏まえて提案すれば、成約に一歩も二歩も近づきます。だから、意思決定者を早く“つかまえる”ことが大切なのです。

もし、話している相手に意思決定者のことを尋ねるのが難しければ、次のようなフレーズを使ってみましょう。

「この件を上司の方に伝えるとき、どこを重点的にご説明されますか?」

意思決定者を見つけられずとも、この質問で購買決定要因につながるヒントがもらえる可能性が高くなります。

“妻”の要望を早く見つけましょう

「意思決定者と購買決定要因を見つける」というと、難しく聞こえるかもしれませんが、そんなことはありません。夫婦に自動車の購入を勧めるのと同じです。自動者好きの夫に詳しく説明しつつ、妻の要望も聞いて応える。これは、財布を握っているのは往々にして妻だからです。日ごろの営業活動でも、早く“妻=意思決定者”とその購買決定要因を見つけて、確度の高い提案につなげていきましょう。

以上(2022年7月)

pj70070
画像:Mariko Mitsuda

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