もし導入していただけるとすると、いつからになりますか?

いよいよクロージングの段階に

上期も終わりに近づいてきました。そろそろ目標達成に向けて、ラストスパートを掛けていきたいところです。これまでプレゼンしてきた相手に改めて働き掛け、成約につなげていきましょう。

この段階では、「ご提案内容はいかがでしたか?」「ご検討状況を教えていただけますか?」と相手に聞くことになりますが、すぐにうれしい返事を聞けるとは限りません。「まだ検討していない」と言われることも多いでしょう。

そうしたときに使ってみたいのが、冒頭で紹介した「クロージング」での営業最強フレーズです。

「まだ検討していない」と言う背景は……

クロージングの段階で必要なのは、「相手の背中を押す」「最終的な決断を促す」などのように、商談を進めるための一言です。

相手が「まだ検討していない」と答えるのは、「検討しようと思ってはいたが後回しになっている(忘れている)」という場合が少なくありません。

これに対して「導入してもらえるならいつか?」という質問をすれば、相手は活用シーンや予算を考え、採用することを具体的にイメージしてくれるようになります。「使うとすると(相手の会社の)営業強化月間である○月かな」「上期の予算では難しいので下期になると思う」などのように。

成約までの手続きを確認してダメ押し

“仮の話”とはいえ、導入時期を答えてもらうことができたら、そこからさらに背中をもう一押ししましょう。例えば、今後の実務的な手続きについて、次のように“仮のスケジュール”を確認してみるのです。

「仮に○月にご活用される場合は、その1カ月前までには発注していただくことになります」「まず契約書を交わし、それに基づいて発注書を出していただくという流れです」

こうして「それでは、この案件は○月までに決めましょう」というコンセンサスが得られれば、相手はその時期を目指して検討しやすくなります。

期限を区切るもう1つの意味

具体的に期限を区切るのは、相手を動かすためだけではありません。「A社が難しかった場合は、次にB社に提案を」など、こちら側も戦術を立てやすくなります。

また、他への販売状況や内部のリソースの状況などによって、提案内容などは変わってきます。期限を区切るのは、そうしたリスクを避けるという意味もあるのです。

“家に帰るまでが……”

クロージングに苦手意識があったり、おろそかにする営業担当者は少なくありません。“家に帰るまでが遠足”と同じ、“クロージングまでが営業”です。最後まで気を抜かず、しっかり果実を収穫するようにしましょう。

以上(2018年8月)

pj70075
画像:Mariko Mitsuda

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