どの点を一番ご評価いただいたのでしょうか?
成約が取れたその瞬間から……
「やった!成約できた!」。クロージングの場面で相手から、「導入することに決めました」と言われたそのとき、営業担当者のテンションは一気に上がります。成果を素直に喜び、相手と、支えてくれた周囲の人々に感謝しましょう。
ただし、浮かれてばかりはいられません。相手(相手の会社)との関係は、今まさに、ここがスタート地点。しっかり関係を築き、長く取引をしてもらえるようにするのも、営業担当者の大切な役目です。
そこで、営業がうまくいったときは相手に感謝の気持ちを伝えた後で、すかさず冒頭で紹介した最強フレーズを使ってみましょう。そうして成約が取れたその瞬間から、相手のニーズをヒアリングするのです。
“ラブラブな状態”のチャンスを生かす
相手も「導入することに決めました」という良い返事をするときは、営業担当者が喜んでくれるので、断る場合に比べ気持ちがいいものです。
しかも、じっくり考えたり上司に説明したりした直後なので、相手の頭の中には、プレゼンした内容が鮮明に残っています。営業担当者とも気持ちが近づいている“ラブラブな状態”ともいえるでしょう。
そうしたときこそ、相手から、「気に入っている点」や、「将来的にはもっとこうしたい」という今後のニーズを聞き出すチャンスです。
“関係強化ツール”になる
相手が教えてくれた「気に入っている点」「今後のニーズ」は言わずもがな、相手との関係を強化するのに役立ちます。
例えば、今後、相手が気に入っている点に関する情報を、「お耳に入れておきたいことがあります」と伝えることができます。相手は「この営業担当者は自分を大事にしてくれる」と感じてもらえるでしょう。
アップセルにも生かせます
もちろん、相手の「気に入っている点」「今後のニーズ」はアップセルの提案にもつながります。
もっというと、アップセルに向けた提案の結果がどうであれ、「継続して提案する」という姿勢そのものが大切です。「釣った魚にエサはやらない」のでは、相手はいつか離れていってしまいます。「導入時にご評価いただいた点をさらに強化するご提案を持ってまいりました」と言えるよう、成約が取れた今のうちから種をまいておきましょう。
どこまでも続く道をつくろう
営業活動は「売ったら終わり」ではありません。売った瞬間がスタート、そこから“道”が始まります。どこまでも続く長い道にするのか、すぐに行き止まりになってしまうのか。全ては営業担当者の“腕次第”と心得ましょう。
以上(2018年8月)
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画像:Mariko Mitsuda