最近他社では○○と聞いたのですが、御社ではどのようにご活用されているのでしょうか?
ニーズを聞き出す“御用聞き営業”
お客様が来年度の予算取りを始めるこの時期は、新しい提案をする絶好のタイミングです。提案をしっかり検討してもらうためには、お客様の状況やニーズを、きちんと把握しておかなければなりません。そのために必要なのが、“御用聞き営業”です。
御用聞きとは、お客様の注文を聞いて回って受注することをいいます。以前は百貨店から酒屋まで御用聞きを行っていましたが、ビジネススタイルの変化とともに、最近はあまり聞かなくなってきました。
しかし、お客様と定期的にコミュニケーションの機会が持てる御用聞きは、むしろ現在にこそ求められるのかもしれません。
疎遠なお客様の本音は……
最近、疎遠になっているお客様はいないでしょうか。そうしたお客様は、営業担当者のことをあまりよく思ってはいないかもしれません。お客様は、「最初はあれだけ熱心に連絡してきたのに、取引がスタートしたら途端に連絡をしてこなくなった。釣った魚に餌をやらないということか」と感じているかもしれないからです。
一方、このようなお客様であっても、この時期には連絡してみたいと思うのが営業担当者の性(さが)というもの。疎遠な分、もしかすると、新しいニーズが生じているかもしれないからです。そのようなときに使ってみたいのが、今回のフレーズです。
新しい情報で話を引き出す
疎遠になっているお客様に御用聞きするときは、お客様にとってプラスになり、かつお客様のニーズを聞き出しやすい、新しい情報を用意しましょう。
「お客様の同業他社の最近の動向」などは、お客様にプラスになりやすい情報です。
また、同業他社の具体例を挙げれば、「やっぱり他社もそうなんだ。実はうちでも……」と、お客様のニーズにつながる話を引き出せるかもしれません。そこには、きっとアップセルのチャンスもあるでしょう。時には、こちら側が思いもよらないニーズを聞けるかもしれません。
節目には疎遠なお客様にも御用聞き!
「何かご注文はありませんか?」と聞くだけが“御用聞き営業”ではありません。お客様の話を聞いて事例を集め、その中からお客様に関係しそうなことを伝え、お客様の潜在的なニーズを明らかにして“注文を取る”。これが“御用聞き営業”です。
できるだけお客様とは疎遠にならないようにしたいと営業担当者は思いますが、時間には限りがあるもの。どうしても密に連絡を取れないお客様も出てきます。疎遠になったお客様に対しては、期首や期末、年末年始などの節目は連絡するチャンスです。新しい事例を携えて、“御用聞き営業”にチャレンジしてみましょう。
以上(2018年8月)
pj70080
画像:Mariko Mitsuda