御社の意向に沿って進めたいので、お考えをお聞かせください
敵か味方かはっきりしない……
ビジネスでは、1つのクライアントに対して複数の企業が同時に提案をする「一対多」の状況になることがよくあります。
こうした状況で、自社が提案する側の1社になった場合、他社との関係性によって取り得る行動は変わってきます。例えば、他社と敵対関係にある場合の対応は比較的単純で、選択肢は「戦う、撤退する、協業を持ち掛ける」に絞られます。一方、共同提案する予定ではあるものの、過去に取引実績がない、担当者の言動に違和感を覚えるなど、いまひとつ信頼できない相手の場合、対応が難しくなります。
自社が有利にビジネスを進めるために、営業担当者はどうするべきでしょうか?
まずは陣地を決めてしまう
相手に疑念を抱くのは、相手に出し抜かれて自社が損をするのではないか、相手はパートナーとしてしっかり仕事をしてくれるのだろうかと感じるからです。
この問題を解決するための最もシンプルな方法は、役割分担を決めてしまうことです。そのために、営業担当者は「業務が重複するといけないので、お互いの役割を決めたほうがよいですね」と相手に持ち掛けましょう。この際、契約書を交わして責任の所在についても明らかにしておきます。
この場合の役割分担とは、陣地と統治権を決めることであり、話がまとまれば、他社に出し抜かれることは回避できます。
クライアントを味方につける
さらにビジネスを有利に進めるために、クライアントを味方につける努力をしましょう。
複数の会社が集まると、それぞれの利害が衝突し、なかなか話がまとまらないものですが、この状況を逆に利用してしまうのが今回の最強フレーズです。これを、「私(自社)は御社(クライアント)のことを考えており、今の状況を何とか打開して前に進めたいと願っている」という思いとともに伝えるのです。
クライアントには、「この営業担当者は全体のことをよく考えてくれている」と映り、うまくいくと、プロジェクトリーダーを任せてもらえることもあります。
クライアントとの関係が大切
ただし、この最強フレーズは、クライアントと信頼関係が築けている営業担当者しか使ってはいけません。そうでないとクライアントから、「この営業担当者は他社を出し抜こうとしているのか?」と、悪い印象を持たれてしまうことがあります。
それからもう1つ。他社も今回の最強フレーズを使う可能性があります。その結果、クライアントが他社をプロジェクトリーダーに指名したら、条件次第ではありますが、素直に従ったほうが得策です。全体を仕切ることはできなくなりますが、あらかじめ陣地を決めているので、その分の収益は確保できるからです。
以上(2018年8月)
pj70085
画像:Mariko Mitsuda