もうすぐ上期が終わります。今期はコロナ禍の影響で、思うように成果が上げられていない人も多いでしょう。例えば営業担当者は、見込み先となかなか会えず、苦戦したはずです。

そこで今日は、下期、皆さんが新たに取り組めるよう、ある業界のトップセールスの方から聞いたことを一つ、お話しします。

それは、「自分たちにキャッチフレーズをつける」というものです。短い時間しか会ってもらえない、対面に比べて距離感を覚えがちなオンライン商談になった。そういうときでも、自分たちにキャッチフレーズをつけることで、より興味を持ってもらえるようになるというのです。

ここで言うキャッチフレーズは、「エッジの効いたかっこいい言葉」ではありません。「自分たちは何を実現しているのか、何を解決しているのかを分かりやすく表す言葉」です。そういうキャッチフレーズをつけるには、「自分たちは、誰にどのような価値をお届けしているのか。あるいは、お届けしたいのか」といったことを突き詰めて考えなければなりません。

例えば、「低価格でさまざまなオフィス家具を扱っている◯◯社です」を、「在宅勤務に合ったデスクと椅子を提供し、社員の満足度アップに貢献する◯◯社です」に変えると、まるで印象が違います。後者のほうが、「経営者向けに、社員に喜ばれる環境を提供するオフィス家具の会社である」ことが分かりやすくなるでしょう。

トップセールスの方の「キャッチフレーズをつける」話を聞き、私は思いました。キャッチフレーズそのものよりも、そのために「自分たちは何者か」を考えること自体がとても重要で、今の当社に必要なのではないだろうか、と。

コロナ禍をきっかけに、ビジネスそのものも、業界全体も、私たち一人ひとりの働き方も変わってきています。こうした大きな転換点にあるときこそ、「自分たちは何者か」を一人ひとりが改めて意識しなければなりません。

そこで皆さん。下期に入る前に一度、「自分たちは何者か」について、全員で議論をしてみませんか。それこそ、オンラインでもよいでしょう。難しく考えなくて大丈夫です。まずは頭を柔らかくして、「どういうものが自分たちっぽいか」をどんどん挙げることから始めましょう。

自分たちっぽい言葉、立ち居振る舞い、お客さまへの接し方、提案の仕方、トラブル対応の仕方、社員同士のつながり方、働き方、挨拶の仕方。また、自分たちっぽい「喜び」や実現したいことは何か。「やってはいけないこと」は何か。そういう一つひとつの「自分たちっぽさ」から、自分たちは何を大切にしているのか、何者なのかを、皆で見つけて形にしていきたいと思います。

今年度の下期は、今までとは違う私たちです。皆さんは下期、自分たちを何者と考え、どのようなキャッチフレーズをつけるでしょうか。私はとても楽しみです。

以上(2020年8月)

pj17019
画像:Mariko Mitsuda

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