知り合いの経営者が、以前、植木屋さんでアルバイトをしたことがあるそうで、とても興味深いことを教えてくれました。

皆さんは、植木屋さんの仕事で、「手入れ」というものがあるのを知っていますか。「手入れ」というのは、簡単に言うと、植え込みの中に手を入れ、ゴミを取り除いてきれいにすることです。文字通り、植え込みの奥にまで“手を入れて”作業するので、枝やトゲなどで手は傷だらけになります。当然痛みもあります。そうして痛くて傷だらけになっても、しっかりと手を入れて作業しないと、きれいにならないのだそうです。

会社も同じだと、知り合いの経営者は言います。「会社も、問題のあるところに自ら入り込み、たとえ痛い思いやつらい思いをしても、どうにかしようとしなければ、きれいにならない」。そうした思いで、社員の意識改革や業務改善に取り組んでいると話してくれました。

私は、その思いにとても共感しています。組織が変わっていくということは、時に大きな痛みを伴います。特に、自分たちの問題のあるところをつまびらかにし、真っ向から向き合っていくのは、簡単ではありません。私も皆さんも、一人ひとりが皆、痛くてつらい思いをするでしょう。それでもなんとかしようとしなければ、会社は変わることはないのです。

私は、この植木屋さんの話を聞き、会社を変えていく決意と覚悟を、改めて固めています。

今年度から、私たちは、会社を新しく変えようと取り組んでいます。特に重要なのは、働き方改革をしっかりと実践するための、全業務の見直しです。当社には、これまで築いてきた40年の歴史があります。諸先輩方の教えを守り、踏襲しながらも、新しくすべきところは、思い切って変えていかなければなりません。

業務を見直すに当たって、今、皆さんにお願いしているのは、当社の全ての業務を洗い出し、一つ一つの業務にどれだけ時間とコストがかかっているかを明らかにすることです。

皆さんの中には、これまで所要時間を“なあなあ”に見積もったり、コスト感を持たずに仕事をしてきた人もいるでしょう。業務の洗い出しをするだけでも、自分の至らなさに直面し、既に「痛い」「つらい」と感じているかもしれません。

しかし、これから先は、もっと痛くてつらいはずです。業務の問題点をあぶり出し、「時間がかかり過ぎだ」「この業務自体必要ない」「新しいやり方に変えるべきだ」といった議論をして、一つ一つ見直すことになるからです。新しいオペレーションを覚えるのも、簡単ではないでしょう。

それでも、私たちは、前に進み続けます。痛くてもつらくても、会社の未来は、自分たちで創っていかなければならないからです。新しい元号「令和」に変わった今、当社の「手入れ」も、待ったなしです。皆さん、どうか一緒に、私たちの会社を変えていきましょう!

以上(2019年5月)

pj16956
画像:Mariko Mitsuda

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