書いてあること

  • 主な読者:ビジネス上の出会いを求めている経営者
  • 課題:信頼できる相手や会社と出会い、ビジネスの可能性を拡げたい
  • 解決策:金融機関のビジネスマッチングサービスで、新しく出会うチャンスを増やす

1 ビジネスマッチングサービスで出会いを広げよう!

経営者は常に既存事業の強化や新規事業の開発について考えています。それを実現しようとする上で、自身が進出しようとしている分野の専門家、自身が求めている技術を有する企業、自身が悩んでいることを経験したことのある経営者などとの出会いはとても貴重です。

本稿で紹介する「ビジネスマッチングサービス」とは、こうした出会いを加速させるための仕組みです。今どきは、プライベートな意味で人と人が出会うマッチングアプリが数多く登場していますが、ビジネスマッチングとは、まさにビジネス上の出会いを加速させる仕組みなのです。知らない相手とビジネスをすることには一定のリスクがありますが、銀行など金融機関が主催しているビジネスマッチングであれば安心です。

ビジネスマッチングサービスを利用したことのある経営者のアンケートでは、40%近くの経営者が「また使いたい」「良い出会いがあった」と回答しています(日本情報マート独自調べ。詳細後述)。ビジネスマッチングサービスをうまく活用すれば、新たなビジネスの可能性が大きく広がっていく可能性があります。ビジネスマッチングで大切な「最初の商談」の準備について知りたい方は、以下のコンテンツをお読みください。

2 ビジネスマッチングサービスの種類を知ろう!

1)ビジネスマッチングサービスでできること

改めて、ビジネスマッチングサービスで期待できることを整理すると次のようになります。

  • 販路を見つける:新しい営業先、市場の開拓などにつながる
  • 協業先を見つける:新しいコラボレーション、販売代理店契約などにつながる
  • 技術力を見つける:アイデアの商品化につながる他、新商品開発の可能性も広がる
  • 人を見つける:これまでにない知見、新しいリソースの獲得につながる
  • ニーズを見つける(知る):売りたい、買いたい案件などから、最近どのようなニーズがあるのか、どのような新しいビジネスがあるかなどを知る。ビジネスのヒントになる

そして、これらを実現するためのビジネスマッチングサービスにはさまざまな分類があります。以下で整理してみましょう。

2)最も大切なのは信頼できる相手を紹介してくれること

ビジネスマッチングサービスで最も重要なポイントは、信頼できる相手を紹介してくれることです。この点で最も優れているのは金融機関によるビジネスマッチングサービスです。金融機関は自らの顧客同士や、金融機関が審査をした相手などをビジネスマッチング先として紹介するため、反社会的勢力など好ましくない相手が紛れ込む恐れが小さいのです。

金融機関によるビジネスマッチングサービスにはさまざまな形態があるので、ここで整理してみましょう。

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この「金融機関によるビジネスマッチングサービス」は、

  • 金融機関の顧客である中小企業と中小企業を結ぶ
  • 金融機関の顧客である中小企業と金融機関の業務提携先を結ぶ

が基本となります。複数の金融機関が提携して上の1.を行えば広域のビジネスマッチングとなります。また、ビジネスマッチングによって具体的な商売が成立した場合などに、金融機関が手数料を得るサービスを有償ビジネスマッチング、手数料を得ないサービスを無償ビジネスマッチングなどと呼びます。また、顕在化した企業の提携ニーズだけではなく、経営者同士を集めて交流してもらうことで“化学反応”が起こることを期待する交流会が開催されるケースも多くあります。

いずれにしても安心して相手と話せることや、ビジネスマッチング先の多様さが金融機関によるビジネスマッチングサービスの特徴です。

3)インターネットで完結するサービスの普及

ビジネスマッチングサービスは、仲介者などと呼ばれる「人」が介在することが多いのですが、ここ2~3年はウェブサイト上だけで完結するサービスも出てきています。かつてもこうしたインターネット上で売り買い情報をやりとりするサービスがありましたが、「商売は、実際に相手と会って行うもの」という意識が根強かったこともあり、なかなか活性化しないのが実情でした。

しかし、インターネットに抵抗のない比較的若手の経営者にとってはインターネット上で完結できるビジネスマッチングサービスのほうが便利な面もあり、普及してきています。新型コロナウイルス感染症で“オンライン”が一気に身近になったこともこうした動きに拍車を掛けています。

ただし、やはりどこかで仲介者が入ったほうがスムーズに話が進むのも事実です。この点、金融機関によるビジネスマッチングサービスでは、インターネットの仕組みを使いつつも、渉外担当者が適時のフォローをすることで出会いや商談がスムーズにいくようにしています。

4)その他の分類

この他、ビジネスマッチングサービスの特徴として、

  • 特定分野か、多分野か
  • メンバー限定か、オープンか
  • 地域限定か、全国か

などの違いがあるので、自社のニーズに合ったビジネスマッチングサービスを探してみるとよいでしょう。

3 ビジネスマッチングに関する経営者アンケート

最後に、ビジネスマッチングサービスに関する経営者アンケートの結果をご紹介します。実際に活用した経営者はどう感じたのか、また、多くの経営者はビジネスマッチングサービスについてどのようなイメージを持っているのか。今後のご参考になれば幸いです(2020年11月、日本情報マートが独自に行ったアンケートで、回答した経営者・役員は508人です)。

Q1 さまざまな人や会社、案件などと出会う可能性のあるビジネスマッチングサービスを使ったことがありますか?(以降全て出所は日本情報マート)

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ビジネスマッチングサービスを「使ったことがある:70人 13.8%」に対して、「使ったことがない:315人 62.0%」です。業種や年代などにもよるかもしれませんが、今後の活用に期待したいところです。

Q2 ビジネスマッチングサービスを使ってみてどうでしたか? 近いものを全てお選びください。(Q1で使ったことがあると答えた70人が回答)

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実際に活用すると、「情報収集できた」「出会いがあった」と感じているようです。

Q3 ビジネスマッチングサービスに対するイメージはどのようなものですか? 近いものを全てお選びください。(Q1で使ったことがある、使ったことがない、分からないと答えた406人が回答)

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プラス回答「もう一つの営業ツール」「世界が広がる」がある一方で、「お金がかかる」「うさんくさい」といったマイナス回答があるのも事実です。初めてのビジネスマッチングサービスでは、「信頼できるよく知っている金融機関の担当者」が仲介者となってくれるものを活用するのがよいのかもしれません。

以上(2020年12月)

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画像:vectorfusionart-shutterstock

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