皆さん、おはようございます。けさは、とても大切なのに、なかなか気付くことができない「感謝の気持ち」についてお話しします。

早速ですが、皆さんは家族や知人から「あなたが働いている会社はどんなところですか。仕事は楽しいですか?」と聞かれたら、何と答えますか。分かりやすい例を出すと「同僚はすてきな人ばかり。仕事も楽しい!」「嫌な人ばかり。仕事も嫌い」という具合で回答するかもしれません。

私は、皆さんに「この会社は素晴らしい」と言わせるためにこの質問をしたわけではありません。そうではなく、「感謝に気付けるか否かで世界は大きく変わる」という事実に気付いてほしいのです。ぜひ、今、自分が出した答えを意識しながら、2人の旅人の逸話を聞いてください。

ある旅人が街にやって来ました。そして、街の入り口にいた老人に「この街はどんな街ですか?」と尋ねました。老人は聞き返します。「あなたが今までいた街はどんな街でしたか?」と。すると旅人は、

「ひどい街でした。嫌な人ばかりでした」

と答えます。それを聞いた老人は、「この街もあなたがいた街と同じですよ」と言いました。

またある日、別の旅人が街にやって来ました。そして、同じように街の入り口にいた老人に「この街はどんな街ですか?」と尋ねました。老人はまた聞き返します。「あなたが今までいた街はどんな街でしたか?」と。すると旅人は、

「とてもすてきな街でした。みんな良い人!」

と答えます。それを聞いた老人は、「この街もあなたがいた街と同じですよ」と言いました。

実は、2人の旅人が住んでいたのは同じ街でした。ただ、2人の感じ方が違うことで、街の印象も全く異なるものになっていたのです。どう捉えるかは自分次第であり、その結果として世界は大きく変わることが分かります。

最近、働き方の「自由」がフォーカスされています。これは素晴らしいことです。一方で、少しでも意に沿わないことがあると、「自由がなくてダメだ」と簡単に結論付けてしまうこともあるようで、とても残念です。もちろん、つらいことや改善すべきことはあります。それを我慢してほしいのではありません。ただ、少し視点を変えれば違う面が見えるのも事実です。

視力検査で使う1カ所が欠けた環を「ランドルト環」と呼ぶそうです。このランドルト環のように、欠けた部分は目立ちます。そして、なぜか私たちは欠けた部分をマイナスと捉えます。しかし、ほんの少し見方を変えてみれば、欠けた部分は感謝したいすてきなことに見えてきます。

この1カ月、皆さんは何回「ありがとう」と言われ、どれだけの感謝を周囲からもらいましたか。逆に、皆さんは何回「ありがとう」と言い、どれだけの感謝を周囲に伝えられましたか。ほんの少し視点を変えれば、感謝したいすてきなことに簡単に気付けるはずです。

以上(2021年8月)

pj17064
画像:Mariko Mitsuda

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