活用する機会の例
- 月次や週次などの定例ミーティング時の事故防止勉強会
- 毎日の朝礼や点呼の際の安全運転意識向上のためのスピーチ
- マイカー通勤者、新入社員、事故発生者への安全運転指導 など
皆さんは「一時停止」を正しく行えていますか?
一時停止の理解が曖昧なまま運転をしていると、一時不停止の違反となるばかりでなく、重大な交通事故を招いてしまう可能性があり、大変危険です。
今回は、交通安全の基本ルールである一時停止の正しい知識と方法について再確認しておきましょう。
1.一時停止に関する交通事故と交通違反
警察庁の統計によると、交通事故の半数以上が交差点とその付近で発生しており、交差点における事故では、その約6割が信号のない交差点で発生しています。
信号のない交差点は、「止まれ」の道路標識が多く設置されている場所です。つまり、信号のない交差点は事故が多く危険なため、一時停止が必要な場所ということになります。
また事故類型別交通事故の割合(円グラフ)では、「出会い頭」が26%、「右左折時」が13%を占めています。合わせると約4割になりますが、そのうち多くの事故は、しっかり一時停止して十分な安全確認を行っていれば防げたかもしれません。
道路交通法違反の取締り状況(棒グラフ)においても、一時不停止の違反が約160万件と突出しています。
中には、「うっかり一時停止を疎かにしてしまった」、「止まったつもりが実際はタイヤが停止していなかった」ということで違反となったケースも少なくないと思われます。
一時不停止の違反は重大事故につながる可能性が高い危険な行為であるということを決して忘れず、運転する際は一時停止のルールをきちんと守らなければなりません。
2.一時停止の正しい知識と方法
(1)一時停止とは
道路交通法には、交通整理が行われていない交差点やその付近では、道路標識等(道路標識又は道路標示)の指定に従い、一時停止しなければならないと定められています。
また横断歩道等(横断歩道又は自転車横断帯)に横断しようとする歩行者等がいる場合も、横断歩道等の直前で一時停止を行い、歩行者等の通行を妨げないようにしなければならないと定められています。
(2)一時停止の正しい方法
指定された位置に適切な時間、車を一時停止させ、周囲の安全を確認した後、徐行で前進します。
※タイヤを完全に停止させなければ一時停止となりません。
<停止すべき位置>
停止線がある場合はその直前、車の先端が停止線を越えない位置です。停止線がない場合は、交差点の直前です。
※停止線を少しでも越えると他車の進路妨害となったり、手前すぎてしまうと安全確認が十分に行えません。
<適切な停止時間>
明確なルールはありませんが、運転教習所などでは3秒間停止するように指導しています。
これは周囲の交通状況の安全確認をしっかり行うために要する目安の時間です。
【推奨:多段階一時停止】
一時停止と安全確認を複数回に分けて行う方法です。見通しの悪い交差点や施設から通りへ出るときに、より効果的な安全確認ができます。
①停止線の直前で停止・安全確認
②相手に自車を見せられる位置で停止・安全確認
③自車から他の車や歩行者等が見える位置で停止・安全確認
3.一時停止の励行
◆交差点にさしかかる際は、「止まれ」の道路標識や停止線を見落として一時不停止の違反とならないよう、道路標識等の有無をしっかり確認するようにしましょう。
◆一時停止は、止まること自体が目的ではありません。車を完全に停止させ、安全確認を確実に行い、交通事故を防ぐことが目的です。正しい一時停止を励行しましょう。
以上(2022年3月)
sj09029
画像:amanaimages