新入社員の皆さん、当社に入社してくれてありがとうございます! 皆さんを迎えた私たちは、新しい未来に大いに胸を膨らませています。ぜひ、一緒に前に進みましょう。今日はそのために、皆さんに心掛けてほしいことをお伝えします。
皆さんはこれから当社で働き、お給料をもらいます。このお給料について、「どこから来るものか」を考えたことがあるでしょうか?
こう尋ねると皆さんは、「私たちのお給料はお客様が支払ってくださっています。お客様への感謝の気持ちを忘れず、常にお客様のことを考えるようにします」と答えるかもしれません。それはそれで合っていますが、それだけでは不十分です。
皆さんのお給料の原資となるお金は、確かにお客様からいただいています。ただし、お客様が当社にお金を支払ってくださるのは、皆さんの上司や先輩方の頑張りがあるからです。上司や先輩方が、日ごろからお客様に喜んでいただける商品やサービスを一生懸命考えたり、お客様に採用していただけるよう営業活動をしたりしているからこそ、皆さんのお給料があるのだということを忘れてはなりません。
皆さん自身が担当する1つ1つの仕事も、上司や先輩方が指導して、初めて無事に進められるものでしょう。そうした意味では、厳しい言い方をすれば、皆さんはまだ「上司や先輩方に養ってもらっている」状態です。一日も早くこの状態から脱するよう成長しなければなりません。
そのために、皆さんに心掛けてほしいことが2つあります。1つ目は、目の前にある1つ1つの仕事に全力を尽くすことです。元帝国ホテルの社長、犬丸徹三氏が残した言葉に、「どんな小さな仕事でも、ぴかぴかに輝くくらいに仕上げるのである」というものがあります。コック希望の犬丸氏は、若い頃、窓ガラス拭きの仕事を与えられたことが大いに不満でした。しかし、窓ガラス拭きに誇りを持って取り組む同僚の話を聞き、「たとえつまらなく思える仕事であっても、その仕事のやりがいを自分で見つけ出して一生懸命に取り組むことが大切」だと考えを改めたといいます。
皆さんも同じです。まずは、与えられた1つ1つの仕事を「ぴかぴかに」仕上げるよう取り組んでみてください。その積み重ねこそが皆さんを成長させ、飛躍させることでしょう。
そして2つ目は、素直に人の話を聞くことです。どれだけ素直に人の話を聞き、実践するかで、その後成長できるかどうかが変わってくると私は考えています。入社したばかりの皆さんは、「自分以外の人は全て先生」くらいの気持ちで素直に人の話を聞きましょう。
この2つを心掛けていれば、日ごろ一緒に仕事をしている身近な上司や先輩から、「ありがとう。君がいてくれてよかった」と認めてもらえるようになります。新入社員の皆さん、一番身近な人から「ありがとう」をもらうことを目指してください。それこそが、あなたの成長の証しです。
以上(2022年4月)
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画像:Mariko Mitsuda