不妊治療の検査や治療を受けたことがある夫婦は、5.5組に1組と増加傾向にあり、4月1日から不妊治療が保険適用されたことから、今後ますます不妊治療と仕事との両立を希望する労働者は増加することが見込まれています。
本稿では、不妊治療の現況と、仕事との両立を支援するため厚生労働省が提供しているツールや助成金をご案内いたします。

1 不妊治療の現況

厚生労働省が実施した総合調査によれば、約7割の企業が「不妊治療を行っている従業員の把握ができていない」、約8割の企業が「不妊治療と仕事の両立を支援するため当該従業員を対象とした取り組みを実施していない」と回答しています。

そして、労働者側の調査では、「仕事と不妊治療の両立ができなかった」と回答した方の割合は35%と、少なからず何かを犠牲にした方がおり、企業のサポート体制の確立が望まれるところです。

2 支援ツールの概要

しかしながら、不妊治療がどのようなもので、企業があるいは職場全体としてどのように取り組めば良いのか、対応が悩ましい企業も多いことでしょう。厚生労働省では、このような点を踏まえ仕事と不妊治療の両立を支援するための3つのツールを提供しています。以下に概要をご案内いたします。

支援ツールの概要

※本ツールは、厚生労働省のHPからダウンロードしてご活用ください。

3 両立支援等助成金

また、不妊治療と仕事との両立に資する職場環境の整備に取り組み、不妊治療のために利用可能な休暇制度や両立支援制度を労働者に利用させた中小企業事業主を支援する助成金制度も実施されています。

申請のステップや助成額は次の通りとなっています。詳細は厚生労働省のHPなどでご確認ください。

助成金制度の概要

4 さいごに

従業員が不妊治療をしながら働き続けやすい職場づくりを行うことは、安定した労働力の確保、社員の安心感やモチベーションの向上、新たな人材を引き付けることなどにつながり、企業にとってもメリットがあると考えられます。

まずは、今回ご紹介した企業向けマニュアルなどをご覧いただくとともに、助成金の活用も視野に入れながら、仕事と不妊治療の両立に向けた支援導入を検討してみてはいかがでしょうか。

※本内容は2022年5月13日時点での内容です

(監修 社会保険労務士法人 中企団総研)

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画像:photo-ac

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