私はこれまで、恥ずかしながら世界の出来事にそれほど関心がなく、ニュースをこまめにチェックすることはありませんでした。ですが、最近はその考えが変わり、真剣に世界のニュースを見るようになりました。先輩方からすると、「今さら何を言うのか」と思われるかもしれませんが、けさは、まだ世界の出来事に対して関心の薄い人のために、私がどうして世界のニュースに関心を持つようになったかをお話ししたいと思います。
少し前まで、私はニュースで流れる世界の出来事は、自分とはほとんど関係のない話ばかりだと思ってきました。感染症の流行も、異常気象も、国際紛争も、「その地域の人たちはかわいそうだな」としか感じず、基本的に自分事として考えることはなかったように思います。
ですが、今は違います。新型コロナウイルス感染症が日本でも猛威を振るい続け、異常気象は私たちも含めた地球全体の環境破壊が原因となっていることが指摘され、国際紛争が日本の物価にも影響を及ぼすことを体験しました。
まさに今、私たちは世界の動きと自分の生活が直結しているのだということを意識せざるを得なくなっています。そして、たとえ自分は世界の出来事に関心がないとしても、もう世界の動きと自分の生活を切り離すことはできない、ということを悟りました。私は「俗世から離れた悠々自適な生活」に憧れる部分があったのですが、もう夢のまた夢のような話になってしまいました。
世界の動きと自分の生活が直結するようになった理由は、幾つかあると思います。感染症が瞬く間に世界中に広がるようになったのは、世界経済が密接になり、人の往来も増えたことが背景にあるでしょう。環境破壊や兵器の使用といった人間の行為が、地球全体にインパクトを与えるほどまで強力になったということもあると思います。
理由はどうであれ、今の時代は、自分の幸せを実現させるためには、自分だけではなく、世界全体の幸せを実現させる必要がある、と考えなければいけないのだと感じます。
そう考えると、SDGsというものは、世界の誰かを助けてあげるためのものではなく、自分自身や自分と関係する人たちの身を守るために目指さなくてはいけないゴールなのではないでしょうか。
私のようなちっぽけな人間も含めて、一人ひとりが地球上で共同生活をしているという責任を自覚し、世界レベルで物事を考えるようにならなくてはいけない、ということなのだと思います。私が今日捨てたゴミは地球全体の生活環境を悪化させ、電気を消し忘れて無駄に消費した資源は、異常気象を発生させる原因につながっているわけです。でも逆に、私がゴミを拾えば地球は少し住みやすくなり、仕事を通じて社会に貢献すれば、世界が少し便利になるわけです。そのように大きな視点で考えると、とてもボーっと生きてなんかいられません。
以上(2022年6月)
pj17106
画像:Mariko Mitsuda