けさは、恐らくあと30年ほどしたら私に直面する問題について話をしたいと思います。「そんな先のことか」と思っている皆さんも、人ごとではないテーマだと思いますので、少しお付き合いください。お伝えしたいのは、私が定年退職するときにどんなあいさつをすべきか、という話です。
この話をしようと思ったきっかけは、あるスポーツ選手の引退発表の記者会見を見たからです。そのときに、ふと、「自分が引退するとき、つまり退職するときに、どんな話をすればいいのだろうか」という疑問がよぎりました。
そこで、スポーツ選手が引退するときに話した名言をインターネットで検索したところ、使ってみたい名言がたくさんありました。多かったのは、その競技やチームへの愛を語った言葉や、今まで応援してくれたファンや支えてくれた家族に感謝する言葉だと思います。
特に、プロ野球選手の中には、引退のときの印象に残る名言が多くありました。古くは長嶋茂雄さんの「我が巨人軍は永久に不滅です」という誰もが知る名言がありますし、イチローさんの「後悔などあろうはずがありません」もイチローさんらしい言葉だと思います。それから、野村謙二郎さんの「今日集まっている子供たち。野球はいいもんだぞ。野球は楽しいぞ」という言葉にも憧れます。
そうした名言が残せるのは、やはり現役時代にしっかりと結果を出しているからだと思います。
そもそも、ちゃんと結果を出していなければ、退職するときにあいさつする機会も与えてもらえないでしょう。たとえ形式的にあいさつさせてもらえたとしても、聞いている人たちにとっての言葉の重みは、話す人が会社でどれくらい結果を残したのかによって変わってくるはずです。私が聞く立場であっても、話す人次第で受け止め方が変わると思います。
そう考えると、定年退職するときのことを意識しながら仕事をするのは、一つのモチベーションになると思います。定年退職するまでに、私は会社に何を残せるのか、定年退職するときに後悔の念を持たず、胸を張って会社を去ることができるのか。そのことを考えることで、仕事中にムダなことに時間を使っている場合ではないと思うようになりましたし、会社のために自分は何ができるのかということを意識しながら仕事をするようになったと思います。私を含めて、ここにいる全員が定年で退職することはないと思いますが、定年退職するときのことを意識して仕事をすることは、自分にとっても会社にとってもプラスになると思います。
話を戻しますが、私が定年退職するときには、一緒に働く方々や取引先の皆さまに感謝の気持ちを伝えたいですし、若い人たちに、職場の素晴らしさを伝えられるようになっていたいです。皆さんは、どんな言葉を残して会社を去りたいと思いますか?
以上(2022年8月)
pj17114
画像:Mariko Mitsuda