新年あけましておめでとうございます。森若 幸次郎ことジョンです。1月は新年会がたくさんあり、名刺交換をすることが多いです。会社名やビジネスの内容を一生懸命に伝えて自分を印象づけようとしますが、なかなか難しいものです。

そこで参考にしたいのがシリコンバレーの起業家です。彼らはわずか45秒で投資家の興味を引くことができます。今回は、シリコンバレーの起業家はどのような話し方(プレゼンテーションと考えてもらって問題ありません)をするのかについて学んでいきましょう。

世界一のイノベーションの聖地といえばシリコンバレーですが、この地域が栄えた理由の1つに、スタンフォード大学の発展があります。スタンフォード大学の研究開発の素晴らしさはもちろんですが、この他に、教授や研究者がベンチャー、スタートアップを起こして大成功を収めたり、卒業生も大企業に就職せずに起業したりしていることをご存じでしょうか。その数が、世界のどの大学よりも圧倒的に多いのです。

そして、そのスタンフォード大学よりも成功するスタートアップを生み出すのが、シリコンバレーに無数にあるアクセラレーターなのです。それもそのはず。アクセラレーターとは、既に起業しているスタートアップのえりすぐった者を、大成功するために鍛え抜く特別な短期プログラムなのです。まさに「シリコンバレー仕込みのビジネスをスケールするための強化特訓」といえるでしょう。

シリコンバレーにあるアクセラレーターの中でも、群を抜いてユニコーン企業を生み出し続けているのがYコンビネーターです。2005年に設立されてから今までに、1900社以上のスタートアップを育て、時価総額は10兆円を超えています。特に近年はユニコーン企業を続々と生み出しています。

世界最高峰のスタートアップ養成塾といえるYコンビネーターでは、投資家への3分間ピッチのフォーマットとして、7つの最重要事項を示しています。本当にとても大切なことなので、読者の皆さんもこの7つを意識したピッチをしてみてください。

  • Problem:世界が抱える問題
  • Solution:自分たちのビジネスでどう解決するか
  • Market Size:市場規模
  • Traction:トラクション (ユーザー数、クライアント数)
  • Unique Insight:ユニークな洞察
  • Business Model:ビジネスモデル、お金の稼ぎ方
  • Team:自分たちのチームだからできる理由

起業家は、これらの事項を投資家に対して3分間という短い中でピッチして、興味を引かなければなりません。シリコンバレーでは、どのような場面でそうしたピッチが行われているかというと、例えば「デモデイ」が挙げられます。

アクセラレーターは通常3カ月から6カ月あり、最終日に必ずデモデイというイベントが設けられます。受講生たちは、デモデイに招待された投資家たちの目の前で、3分間にこれら7つの事項をスライド形式で、実際にプロダクトを見せながら(まさにデモンストレーション)、真剣に語り尽くすのです。受講生には伝えたいことが山ほどありますが、ポイントを7つの事項に絞ってピッチし、投資家の興味を引こうとします。

私は、Yコンビネーターでは投資家養成のコースを受けましたが、Googleから寄付をいただいているblackboxという他のアクセラレーターも受講したことがあります。blackboxでも、Yコンビネーターと同じように3分間のピッチを徹底的に仕込まれました。

ピッチには、3分ピッチ(デモデイ用)と45秒ピッチの2種類があり、この45秒ピッチのことをエレベーターピッチと呼びます。エレベーターで投資家に会ったときに、起業家は45秒で自分たちのビジネスについて投資家に興味を持っていただき、次のアポにつなげなくてはなりません。

シリコンバレーの投資家は忙しい。その貴重な時間を自分たちのために費やしてもらう、つまり、もう一度会ってもらうために、起業家は必要なことを凝縮して伝えなければならないのです。情熱があることやビジョンがあることは大切ですが、シリコンバレーの起業家全てが世界のどの地域の起業家よりも情熱があるし、ビジョンも大きいのは間違いありません。

そこで際立つためには、やはりYコンビネーターの7つの事項を45秒でピッチするのが効果的です。45秒のときは、4から6までの事項を省いて、最後に「もう少し聞いてみたいですか?」と伝えるとよいとblackboxのピッチ担当の先生に習いました。

45秒エレベーターピッチ

  • Problem:世界が抱える問題
  • Solution:自分たちのビジネスでどう解決するか
  • Market Size:市場規模
  • Team:自分たちのチームだからできる理由

いかがでしたか? シリコンバレーの起業家になったつもりで、今年から名刺交換するときに、「社会には、このような問題があり、それを私たちのこのようなテクノロジーで解決しています。市場規模はこれくらいで、自分たちだからできているんです」と、いつもと違う内容と熱量で話してみたらいかがでしょうか。きっとこれまでとは違う新しい仲間が見つかるはずです。

皆さん、2019年も最高の一年をお過ごしください。最後まで読んでくださり、愛りがとうございます(愛+ありがとう)。森若幸次郎ことジョンがお届けいたしました。

以上

※上記内容は、本文中に特別な断りがない限り、2019年1月8日時点のものであり、将来変更される可能性があります。

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