かつてナポレオン・ヒルは、偉大な多くの成功者たちにインタビューすることで、成功哲学を築き、世の中に広められました。私Johnも、経営者やイノベーター支援者などとの対談を通じて、ビジョンや戦略、成功だけではなく、失敗から再チャレンジに挑んだマインドを聞き出し、「イノベーション哲学」を体系化し、皆さまのお役に立ちたいと思います。

第20回に登場していただきましたのは、商品共創、事業共創、人材共創、社会共創など、新しい成長事業の創出に取り組む株式会社コンセラクス 代表取締役 住友 滋 氏(以下インタビューでは「住友」)です。

1 「人生のビジョンは『次世代の子どもたちが、楽しい夢を見られる社会をつくること』」(住友)

John

本日は、住友さん、ご多忙の中、お時間をいただき本当に愛りがとう(愛+ありがとう)ございます!
住友さんは、さまざまな企業の経営に携わられていらっしゃいます。

あらためて、現在のお役職についてお伺いできますか?

住友

ありがとうございます。
さまざまな肩書がありますが、私の仕事を一言で表現するならば「インタープレナー(Inter+preneur)」です。(参考:https://www.interpreneur.jp/

インタープレナーとは、新事業や新産業の創出に向け、企業や組織の枠を超えて協働する「複業者」を意味します。

人生のビジョンは「次世代の子どもたちが、楽しい夢を見れる社会をつくること」。そんな社会を目指して、新しい成長事業の創出と、新たな事業を生み出すためのエコシステムの創出などに取り組んでおり、複数の企業で代表取締役、取締役、社外アドバイザーなどを務めています。

John

「楽しい夢を見れる社会」、すばらしいお考えですね!
そのような価値観が形成されたのは、どのようなご経験からなのでしょうか?

学生時代から遡って、ご経歴を教えてください。

住友

私は小学校からキリスト教である青山学院大学の付属校へ通い、そのまま中学・高校・大学へと進みました。

私の価値観をつくり上げた要素の1つに、小学校の担任の先生の「チャンスさんは人生で3回やってくる」という言葉があります。

「チャンスさんは前からゆっくり歩いてくるが、前髪しかない。通り過ぎてしまうと、もうつかむことはできない。だから、目の前に来たら迷わずつかめ」というお話でした。

それから私は「チャンスがあればつかむ」ということを意識して、小学6年に台湾で2ヵ月間ホームステイを経験し、高校時代には米国への交換留学に応募するなど積極的に挑戦をするようになりました。

しかし、そんなチャレンジの中には何度かの挫折もありました。
高校で留学をしたのは、ちょうど世界的なジャパン・バッシングの時代。
日本の急速な経済成長を受け、米国を中心とした各国で経済摩擦が起こり、反日感情が高まっていた時期です。

留学先では日本人であることで差別され、つらい経験もしました。

また、留学から帰国後に実家で営んでいた家業が破綻したことも、当時の自分にとっては大きな経験でした。曽祖父が創業した材木商社が、東南アジアの材木輸出制限などの影響で、経営難に陥ってしまったのです。

その時は家族みんなが内向きになり、消極的になりました。

逆説的ではありますが、こうした体験から内向きになること・消極的になることが人間にとって1番よくない状況であると学び、夢を見ることの大切さを学べたのだと考えています。

John

学生時代のチャレンジと挫折の中で、現在の人生観が培われたのですね。

2 「インターネットの台頭により、全てのハードウエアがネットワークによってつながる世界へ、そしてハードウエアよりも優れたソフトを持つことが重要になってきたのです」(住友)

John

学生時代に台湾や米国で海外経験を積まれ、大学卒業後にはSONYへ入社されたのですよね。なぜ、SONYを選ばれたのですか?

住友

SONYを選んだ理由は、高校時代の留学経験がきっかけです。

先ほども申し上げた通り、当時は激しいジャパン・バッシングの時期。
事あるごとに私に差別的な言葉を投げかけてくるいじめっ子のような同級生もいました。

そんな同級生がある時、学校にSONYのウォークマンを持ってきて、私にこんなことを言うのです。

「米国には、こんなすばらしい製品をつくるSONYという会社がある。日本人には、こんな製品は作れないだろう」と。

当然、SONYは日本の会社です。それを聞いた時、私は「米国人がSONYを自国の会社だと思い、誇りにまで思っているなんて」と、とても衝撃を受けました。

それをきっかけにSONYに興味を持つようになったのです。

John

いかにSONYというブランドが米国で浸透しており、製品の評価が高かったかが分かるエピソードですね。

入社後はどのようなキャリアを積まれたのですか?

住友

入社した時から、海外で経験を積める部署を希望していました。
希望がかなって3年目でシンガポールへ赴任し、東南アジアの価値観を学ぶことができました。

その後、会社からのバックアップを受け、MIT(マサチューセッツ工科大学)のビジネススクールへの留学も経験させてもらいました。
MITのビジネススクール(MIT Sloan Fellows Program)は、MBAプログラムの祖と呼ばれるもので、世界20ヵ国から約60名の経営幹部候補が集うグローバルなクラスでした。
彼らと共に、世界的に著名な教授陣や経営者たちから学びを得られたことは貴重な財産です。

MIT Sloan School卒業式の画像です

MIT Sloan School卒業式

John

さまざまな国の人々と共に学び合う経験は、その後の自分の生き方にも大きな影響を与えてくれますよね。私も海外のビジネススクールやアクセラレーターで学ぶ中で新たな発想が持てるようになりましたし、現在のビジョンである「Innovations for a healthier life」(世界中、日本中の人々のより健やかな人生のためにイノベーションを起こす)が生まれるきっかけにもなりました。

住友さんは、帰国後は、どのようにご活躍されたのでしょうか?

住友

帰国後はそれまでの学びと経験を生かし、新しいSONYをつくるプロジェクトのメンバーにアサインされました。

時代はインターネットビジネスの黎明期で、ものづくりからサービスの時代へと移り変わっていた頃です。インターネットの台頭により、全てのハードウエアがネットワークによってつながる世界へ、そしてハードウエアよりも優れたソフトを持つことが重要になってきたのです。
変化がいち早く起こったのは、音楽業界。AppleのiTunesがそれを体現したものでした。

SONYも時代の変化に対応するために新たなSONYをつくるべく動き始めました。ハードウエアもソフトも全て自社製の「ALL SONY(My Sony)」というコンセプトを打ち出したのです。

しかし、当時から私はこの戦略に疑問を感じていました。

John

具体的に、どのような疑問を感じてらっしゃったのですか?

住友

当時、私は「ALL SONY」よりも「OPEN SONY」であるべきだと提案していました。
ALL SONYの考え方は、SONYの創業者である井深氏・盛田氏が提唱していた「カスタマーに寄り添い、ライフスタイルを創造する」という考え方とは異なる道へ進んでいると思ったからです。
よりカスタマーに寄り添って、ALL SONYで囲い込むのではなく、SONYというプラットフォーム上で自由に価値交換をできる世界観を目指しました。

結果的に当時のSONYはそのようなプラットフォームを実現できませんでしたが、私がここで言いたいのは、今も言われている「インダストリー4.0」「IoT」「DX」といったワードで表せられる変革は、当時から既に起きていた継続事象だ、ということなのです。

その本質はクロステックでありビジネス・エコシスム。インターネットという新たなテクノロジーの台頭による既存産業のトランスフォーメーションです。
それが音楽産業をはじめとし、各産業で順に起こってきたのだと私は見ています。

John

なるほど。ソフトに近いハードウエアの領域にいた住友さんは、その変化を初期から見てきたということですね。

3 「私が提唱しているのは、『リバース・オープンイノベーション』顧客起点・未来起点のイノベーションです」(住友)

John

長年イノベーションに関する問題に取り組んでいる住友さんから見て、これから変化が起こる業界は特に何を考え、どう行動すべきだとお考えですか?

住友

1番大切なのは「顧客起点(顧客の行動起点)」に立ち返ることだと考えます。

イノベーションや新たな事業創出という話になると、多くの企業は「これまでの技術や強みをどう生かすか」「いかに顧客を囲い込むか」といったことばかりに目を向けてしまいます。

しかし必要なのはそうした企業起点の目線をいったん横に置いて、「顧客はこれから何を求めるのか、どう行動しようとするのか」「その上で、自社は何をすべきか」そんな逆転発想に転換できるかどうかです。それが、明暗の分かれ目だと感じます。

John

確かに今「DX」といった言葉も出てきていますが、既存の仕組みや事業をデジタルへ置き換える、という企業目線の発想が主ですね。そこで終わらずに、顧客目線で捉え直す必要があるということですね。

住友

そうなのです。
多くの企業では、イノベーションといったときに何をやるかといえば、自社またはベンチャー企業やパートナー企業を起点とし、どんな知見やノウハウが眠っているかの棚卸しをします。しかし、これでは過去(の在庫)に目を向けた状態からスタートすることになります。

料理に例えるなら、いくつかの冷蔵庫(=企業)を開けて眠っている食材を探し、まかない料理を作るようなものです。
当然、顧客が何を食べたいかは後回しです。

一方、私が提唱しているのは、「リバース・オープンイノベーション」。顧客起点・未来起点のイノベーションです。
「顧客が食べたい料理を発見してから冷蔵庫を開けましょう」という考え方なのです。

John

過去から考えるイノベーションは「まかない料理」! 非常にユニークな発想ですが、おっしゃる通りですね。

住友さんは、顧客起点のイノベーションを実現するために、具体的にどのようなご支援をされているのですか?

住友

まず、自分たちのビジネスを「顧客の行動起点で再定義する」というのを大企業と共に行っています。(参考:https://curations.jp/

コロナ禍以降、企業の新規事業部門・オープンイノベーション部門のようなところからではなく、本業の事業部門からお問い合わせを頂くケースが増えています。

「自分たちの既存ビジネスを生かした新たなビジネス」という考えから、「自分たちの既存ビジネスを再定義し、生まれ変わらせる」という考えに、少しずつですが変わってきているのです。
これはとても良い兆候だと思います。

ビジネスを再定義して方向性が見えた後は、私たちが受託者となって、新しいビジネスを作る部分まで手を動かして支援するケースもあります。
このモデル(出島型)は特に、ステークホルダーが多く、各所との調整が必要でスピーディーに動けない大企業から好評を頂いています。

4 「いま顧客がどのような行動を取っていて、どのような課題を感じているのか。これから顧客はどう行動したくて、どのような課題に直面するのか。そして、それらをどう解決すべきかを真剣に考えることが必要だと思います」(住友)

X-Tech Matchup 2019の画像です

X-Tech Matchup 2019

John

多くの企業のイノベーションを支援されている住友さんから見て、日本でイノベーションを起こす際の難しさは何だとお考えですか?

住友

やはり、「誰が求めていて、誰に届けたいのか」といった顧客の視点が足りていないケースが多いことだと思います。

日本のオープンイノベーションと言われるものは、本業には手を着けないケースが多い。新たなビジネスを、既存の顧客層ではなく若者や女性などの新たな顧客に届けようとしているケースも多いです。

しかし、本来は自社の既存の顧客にももっと目を向けて、いま顧客がどのような行動を取っていて、どのような課題を感じているのか。これから顧客はどう行動したくて、どのような課題に直面するのか。そして、それらをどう解決すべきかを真剣に考えることが必要だと思います。
例えばコロナ前は、デジタル事業の企画といえばミレニアル世代とかZ世代をターゲットにするという話が多かった訳です。しかしコロナ禍によって、全ての人がデジタルシフトした訳ですから、一番切実にサポートを必要としているのはデジタルリテラシーの低い高齢世代なのではないでしょうか?

そして、この世代をターゲットにすることは日本のチャンスにもなります。

John

「イノベーションを通してお客様のお困りごとを解決する」という視点に立って考えることで、先入観に囚われずに、本当に必要な人に必要なサービスを提供できるようになりますよね。日本は高齢化社会という点では世界の課題先進国ですから、まず日本からイノベーションによる幸せに歳を重ねられる社会を実現をしていきたいですね。

方向性が決まってからもなかなか動けない、進まないというケースでは、何が課題となっているとお考えでしょうか?

住友

私は、2つの課題があると思っています。

1つ目は、株式価値を最優先とする商習慣。日本に限らずですが、上場企業は四半期ごとに成果を求められ、株主の目も厳しい。
そのため、カスタマーに寄り添うチャレンジがしにくいという事態が起こっています。

米国ではこうした大企業を見て、上場をなるべく先延ばしにするベンチャーも多いですよね。

2つ目は、経営者の問題。
サラリーマン従業員の中から経営者を選出したケースと、創業社長というのは同じ経営者でも大きく異なります。

日本の大企業は前者が多いように思いますし、彼らは創業社長と比べて、より厳しく株主からの視線を感じているでしょう。

特に日本企業では、合議制で物事を決める体質に加えて、米国流のガバナンスやコンプライアンスによって物事が非常に決めにくくなり、過去の延長戦上にないチャレンジするには厳しい環境に置かれていると思います。

John

どんな会社もいずれは創業社長から代替わりする時が来るわけですが、そこがイノベーションを難しくしてしまうこともある、ということですね。

歴史が長く、創業社長・オーナー社長が存命でない大企業では、新たな価値を生み出すことは難しいのでしょうか?

住友

成功した会社は、投資家サイドに回るというのも1つの方法だと私は思います。

大企業が自社内で0→1が生み出しにくい状況にあるなら、代わりにベンチャーへ投資して社外から取り入れる。そして時には、投資先のベンチャーから大企業の経営を舵取りできる人材を見つけ、新陳代謝を起こす。そんなケースがもっと生まれるべきでしょう。「取り入れる」ところが大きな課題です。

あらゆる産業がエコシステム型のビジネスモデルに変化していく中、1社だけでできることは益々限られていきます。だからこそ、日本の大企業は「まかない料理にならない」正しい事業共創を社外のスタートアップ企業と進めることが不可欠なのです。

私たちも、そうした新しいエコシステムの構築や、複数社が連携するモデルづくりを進めています。(参考:https://sundred.co.jp/

John

複数社が連携した具体的な事例などはありますか?

住友

ユニークなところで言いますと、「デジタル聴診器」を起点とした遠隔診療のエコシステム(ユビキタスヘルスケア産業)に取り組んでいます。

例えば、飛行機の上や離島にいる患者さんに、看護師さんが聴診器を当てて、それを地上や本土にいる医師が聴き、診断に生かすというものです。

実現するためにはハード、システム、医療業界などさまざまなプレイヤーが関わってきますので、それらを束ねるコンソーシアムをつくって取り組んでいます。

もう1つ例を挙げると、陸上養殖産業。私たちは「フィッシュファーム産業」と呼んでいます。
「もっとサステイナブルに、陸地で魚を生産しよう」というコンセプトの下、養殖業者や企業などを巻き込んで進めています。

今は国内プロジェクトが多いですが、プロトタイプは日本でつくり、実証実験は海外で行うなど、先々は世界にも目を向けていきたいと考えています。

5 「『日本にいられて幸せ』、そう思える人々を増やしたいです」(住友)

John

住友さん個人として、1番解決したい社会課題というのはあるのでしょうか?

さまざまな新たな事業を生み出されていますが、それらを生み出すパッションはどこから来るのかを知りたいです。

住友

根幹にはやはり「楽しい未来を夢見れる社会」、これをつくりたいという思いがあります
そのためには、経済指標の成長から「幸せ指標の成長」に行動目的を変える発想の転換も必要です。そこでこの課題解決にも取り組んでいきたいと考え、「ハピネスキャピタル産業」というプロジェクトも進めています。

日本は現在、豊さの指標を国内総生産GDP(Gross Domestic Product)で測っていますが、そもそも国内人口が減っている中、GDPの成長が減少するのは必然です。

これから目を向けていくべき経済指標は国民総所得GNI(Gross National Income)。

この指標には、例えば海外でつくったジョイントベンチャーからの配当や、海外への技術提供・ライセンス契約などで生まれる収入も含まれます。

日本の収入を増やすためには、国内だけでなくグローバルに目を向ければ良く、GNIはそれを測る指標の1つです。

そして、同時に国民総幸福量GNH(Gross National Happiness)も向上させていくことが大切です。
GNHとは国に対する満足度・幸福度を測る指標。「日本にいられて幸せ」「日本にいると未来が楽しみ」、そう思える日本にしていきたいですね。

John

私も「豊かさ」の考え方というのは今後変えていくべきだと思っています。
時代によって何に幸せを感じるかも変わって行きますから、住友さんがおっしゃるように、時代に即した新たな指標を用いることも必要ですよね。

その点、若者たちを見るとヒントがあり、就職活動をする学生たちが企業選びをする際に重要だと思う点として「プライベートな時間が確保できるか」と言う点が挙がるそうです。自由な時間があることに豊かさを感じていると言うのは、さまざまなサービスやアプリが無料で使えるようになった現代を象徴する1つであると感じます。

さらに、経済面でもただ稼げば良いと言うのではなく、地方に移住して固定費を下げると言う考えもコロナの影響を受けて加速していますね。地方にいながら世界中を相手に仕事をするということも可能な時代になりましたから、これまでとは違うチャンスや豊かさをつかむ人々が増えると良いと願っています。

住友

そうですね。
今、私たちを取り巻くビジネス環境はすごく恵まれていると思います。

AIによって通訳・翻訳ソフトは劇的に進化しており、海外との言語による壁はほぼなくなってきました。(参考:https://kotozna.com/

そしてビデオ会議やチャットツール等を使い、世界中の人とオンラインでビジネスを進める環境と商習慣も確立されました。既に世界が机上にあるんです!

また、産学連携・行政との連携など多くの地域でスタートアップ・エコシステムが確立されつつあり、ベンチャーはかなり立ち上げやすくなっている。誰にでもチャンスがある環境です。

私は、日本人は「こうやれば良い」というのが分かれば一気に動く力がある、と思っています。

コロナ禍にある今はまだ「こうやれば良い」という新しいロールモデルが見えていない状態ではありますが、仕組みは整っているので、必要なのは最後のきっかけだけではないでしょうか。

ちなみに、今の私のビジネステーマは「世界×日本」「アジア×九州」です。微力ですが、グローバルな視座で日本の新しいロールモデルづくりに貢献したいと考えています。(参考:https://conselux.co.jp/

John

日本のよさを残すことは大切です。それと同時にグローバルにビジネスを展開する力、海外とスムーズに協業する力が求められていますね。そのためには、世界基準のコミュニケーション力を持つ人材が欠かせませんし、私自身も世界と日本の架け橋になりたいと考えています。住友さん、ぜひ今後ともよろしくお願い致します。

それでは、最後の質問となります。
住友さんにとっての、イノベーションの哲学を教えてください。

住友

私が大切にしているのは「プルーラリティ(複数性)」です。
多様性を意味する「ダイバーシティ」はかなり日本に浸透してきていますが、ダイバーシティには互いに尊重し合うフェアネスまでは担保されていないと感じます。「多様性の存在は認めるが、本心では受け入れない」という意味です。

日本はもともと多神教、アニミズムの国。同時に複数の神を受け入れられます。

そのためか他国の文化をうまくセレクトして受け入れるだけでなく、ブレンドし、オリジナルのものへと昇華させることを得意としています。長い歴史の中で複数性を内包してきた国のはずです。

私は、複数性を育くむことが、多様性に苦しむ世界に対してのソリューションにもなるのではないかと考えています。

これから私たちがやるべきは、グローバルに目を向け、プルーラリティ(複数性)を育み互いに協調し合う。そして「まかない料理」ではなく、「顧客起点・未来起点」のリバース・オープンイノベーションを実現する。そんな文化を未来に残していくことではないでしょうか。

ビジネスにおいても、女性や若手、グローバルな人材がチームとして複数性の精神でフェアに協働することで、本質的なイノベーションを促進できるのではないかと期待しています。

John

住友さん、本日は貴重なお話を愛りがとうございました!

住友氏のイノベーションフィロソフィーを示した画像です

以上

※上記内容は、本文中に特別な断りがない限り、2021年5月10日時点のものであり、将来変更される可能性があります。

※上記内容は、株式会社日本情報マートまたは執筆者が作成したものであり、りそな銀行の見解を示しているものではございません。上記内容に関するお問い合わせなどは、お手数ですが下記の電子メールアドレスあてにご連絡をお願いいたします。

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