書いてあること
- 主な読者:自分の健康に自身があって、不摂生をしがちな経営者
- 課題:多忙であり、自身の健康維持を後回しにしがち
- 解決策:いつ健康を損ねるか分からないことを自覚し、簡単な健康管理から始める
1 日ごろから心がけたい7つの健康管理術
経営者が健康でハツラツとしていることは、経営者自身だけではなく、周囲にも良い影響を与えます。活力ある経営者の姿は社員に安心を与えます。また、取引先などは、
経営者の活力を「会社の活気」ととらえる
ので、元気な経営者が経営する会社に一目置くことになります。
ですから、「自分は健康だから大丈夫」と不摂生をせずに、自分の健康に注意しましょう。まずは、すぐに取り組める7つの健康管理術を紹介します。
1)しっかり寝る
かつては「睡眠時間の短さ」を自慢する人もいましたが、今はそのような時代ではありません。睡眠が心身の健康に与える重要な役割が解明されているからです。経営者は、多忙で、生活が不規則になりがちですが、しっかり睡眠を取るように時間を確保しましょう。
2)栄養バランスの取れた食事をする
経営者は会食が多く、栄養バランスの取れた食事をするのが難しいこともあります。そこで、毎回の食事の量を控えめにしたり、サラダやフルーツを多く摂取して、外食で不足しがちなビタミンやミネラルの補給に努めたりするなどの工夫が大切です。また、「食事を取るタイミング」「食事の中身(カロリー)」を、アプリで記録するのも効果的です。
3)お酒をあえて飲まないスタイル
ここ数年で、お酒を飲めるけれど、量を控えたり、あえて飲まなかったりする人が増えてきていることをご存じですか。そうしたライフスタイルを「ソバーキュリアス」と呼びます。会食でも、お酒を控えめにしたり、飲まなかったりすることで、思考もクリアになって会話に集中できるというメリットもあります。
4)趣味などで気分転換を図る
気分転換は効率化や新しいアイデアの発想につながります。ゴルフなど仕事上の付き合いにつながるスポーツの他、仕事から完全に切り離した趣味を楽しむのもよいでしょう。交友関係が広がり、思わぬところで仕事の関係につながることもあります。
5)気持ちを明るく保つ
経営者がストレス過多の状態になることを防ぐためには、日ごろから心に余裕を持ち、前向きな気持ちを維持しましょう。日常生活で笑いを増やすように努めたり、一歩引いて道を譲るように心がけたりすることで、心に自然と余裕が生まれてくるものです。
6)定期的にスポーツをする
ジムに通ったり、ジョギングをしたりするなど、身体を積極的に動かしましょう。毎日30分程度歩くなど軽い運動も健康に良いです。運動のための時間をつくるのが難しい場合は、「職場ではエレベーターではなく、階段を使うようにする」など、ちょっとした工夫をしてみましょう。
7)健康診断を受ける
健康管理を行うために、健康診断を受けたり、人間ドックを利用したりするとよいでしょう。また、経営者が率先して健康診断を受ける姿勢を見せることで、社員の健康管理への意識を向上させ、企業全体の受診率を上げる効果も見込めます。
2 「万が一」への備え
健康を損ねてしまった場合の対策も欠かせません。最も深刻な事態として想定されるのが、経営者の死亡です。万が一、経営者が死亡してしまった場合、金融機関からの借入金の返済・金利引き上げなどの要請、あるいは取引先からの買掛金や未払金の回収などの要請を受けるなど、企業は資金面の問題に直面する可能性があります。
また、交通事故やスポーツ中の転倒、心筋梗塞や脳梗塞、がんなどによって、入院が長期化したり、障害が残ったりして長い間働けなくなってしまうケースもあります。
こうした場合の資金面の対策としては、生命保険や損害保険を活用する企業が多いようです。仮に、そのような資金面の対策を講じていない場合は、早急に対策を検討する必要があります。
また、既に対策を講じている企業でも、事業の規模や内容は変化するため、自社の状況を踏まえた上で、保障金額などを定期的に見直しましょう。
3 経営者の「自覚」が大切
大切なことは、経営者本人が健康の維持に関心を持つことです。何の根拠も無いのに「自分だけは病気をしない」と考えがちですが、こうした意識が、健康管理に対する自覚の欠如につながり、結果として疾病や疾患などを招くことがあります。
経営者の健康管理に関する最大のポイントは、「人間である以上、いつ健康を損ねるか分からない」ということを改めて認識することです。同時に、経営者が健康を損ねた場合の影響がどれほど大きいものかについても認識しなければなりません。
以上(2024年3月更新)
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画像:unsplash