突然、変な質問をしますが、皆さんは自分自身を、仕事ができる人間だと思いますか? できない人間だと思いますか? 実は恥ずかしながら、若手だった頃の私には「自分は仕事ができる」と信じきっていた時期がありました。ただ、ある程度月日がたち、それがうぬぼれだったことに気付きました。なぜ、うぬぼれだと気付いたのかをお話しする前に、ぜひ聞いてほしいことがあります。
私は、仕事ができない人には、学生時代、勉強が苦手だった人が多いと考えています。私が考える、勉強が苦手な人というのは、
- 同じ問題を何度も間違える
- 一冊の問題集をやり遂げられない
- ノートをきれいに作りすぎる
- 勉強時間の長さにこだわる
- 理想が高く難問ばかりに挑戦する
- 志望校などの情報に、やたら詳しい
のいずれかに当てはまる人です。この1.から6.のタイプ、実は学校だけでなく会社にもいます。
まず、1.は、学習効果の薄い人です。仕事で同じミスを繰り返す人は評価が低いですし、特に若い社員は、失敗も含めた経験を次に活かすことが大事なはずです。
2.は、根気と実行力のない人です。途中で次々と新しい問題集に手を出す学生がいるように、仕事でも、最初の掛け声や返事は良いのに、少したって「あれはどうなった?」と聞くと、「実は、進んでいません」と答える人がいます。
3.は、手段と目的を明確にできない人です。例えば、きれいなプレゼン資料を作ることに満足してしまい、プレゼンで提案を通すという本来の目的を忘れてしまうようなタイプです。
4.は、結果でなく努力だけを重視する人です。結果を出すための工夫をせずに、非効率であっても、ただ頑張ったことだけを誇るタイプです。
5.のような理想が高い人は、自分自身の現時点での実力を受け入れられない人です。一見、仕事ができそうに感じますが、ただ背伸びをして、基礎を固めていないので、しばらくするとメッキが剥がれるタイプです。
6.は、情報通で、ゴシップ好きな人です。情報収集力は高いのですが、その力の発揮する方向が社内に限定され、仕事に費やすべきエネルギーについて、間違った使い方をしているタイプです。
怖いのは、周囲から仕事ができると評価されている人が、実はこの6つのタイプに当てはまるケースがあるという点です。特に若手のうちは「頑張り」が見えれば評価されますが、ある程度月日が経過すると、それだけでは通用せず、結果を求められるようになっていきます。私が自分のうぬぼれに気付けたのも、月日がたって、そうしたメッキが剥がれてきたからなのです。
「自分は仕事ができる」と思っている方、ぜひこの6つのタイプに当てはまっていないか確認してみてください。私も若手の頃の過ちを繰り返さないよう、謙虚に自分を見つめていきます。
以上(2022年10月)
pj17125
画像:Mariko Mitsuda