皆さん、机の上を見てください。その机はきれいに整理整頓されているでしょうか。机の上に余計な物は置かれていませんか。引き出しの中はどうでしょうか。どこに何が入っているか、きちんと把握できていますか。
整理整頓はとりたてて難しいことではありません。本人にその気があればすぐにでもできることです。それにもかかわらず、実際には整理整頓は仕事の中では後回しにされがちです。整理整頓ができていない人にその理由を尋ねると、大抵は「時間がないから」という答えが返ってきます。
ここで、整理整頓の意味についてよく考えてみてください。考え方はシンプルでかまいません。ここでは「何のため」「誰のため」の二つに的を絞りましょう。
まずは「何のため」です。整理整頓をするのは「何のため」でしょうか。すぐに思い浮かぶのは、
1.きれいな職場で気持ちよく働くため
2.必要な書類や物を紛失しないため
3.来客時に恥ずかしくないようにするため
4.自分が使いやすくするため
5.仕事の無駄をなくし、時間を節約するため
です。
次に「誰のため」です。整理整頓をするのは「誰のため」でしょうか。
1.自分のため
2.会社のため
3.上司、同僚、部下など机を利用する人のため
です。
整理整頓ができた状態というのは、決まった物が、決まった場所に置かれている状態です。この状態では、どこに何があるかが分かっているため、必要な物があればすぐに取り出すことができます。逆に、整理整頓ができていない状態では、どこに何があるかが分からないため、何か必要な物があってもそれを探すのに時間がかかります。
物を探す時間は、「無駄な時間」です。仮に、1日に15分探し物のために時間を使っているとしましょう。1カ月の就業日数が20日だと5時間、1年では実に60時間にも及ぶ無駄使いをしていることになります。整理整頓を徹底することで、この探し物のための無駄な時間がなくなり、効率的に時間を使えるようになります。
整理整頓が仕事の基本といわれるのはこのためです。「時間がなくて整理整頓ができない」という人も、ちょっとした時間を利用して整理整頓をしてみてください。やるべきことは、不要な物は捨てて、必要な物は置き場所を決める。たったこれだけです。どうしても整理整頓が苦手だという人は、置き場所が一目で分かるように、シールを張るなどの工夫をしておくといいでしょう。最初は時間がかかるかもしれませんが、一度置き場所を決めてしまえば、後は使った物をそこに戻すだけですから余計な時間はかかりません。1日15分の「無駄な時間」がなくなることで、整理整頓にかけた時間はすぐに取り返せるはずです。
整理整頓は職場のルールです。整理整頓ができていないのは、定時に会社に出社しない遅刻と同じ、職場のルール違反と考えてください。そうとらえると、上司は部下に整理整頓についても厳しく指導できるでしょう。皆さん、整理整頓お願いします。
以上(2023年4月)
pj16523
画像:Mariko Mitsuda