キャッシュレス決済の普及により、現金が手元になくてもその場でお金をやり取りする個人間送金が注目を集めています。
個人間送金がどんなシーンで役に立ち、どうすれば手軽に始められるのかを、個人間送金のメリットや注意点とともに分かりやすくお伝えします。また、10万円までの個人間送金がさらに手軽になった「ことら送金」についても紹介します。
1 個人間送金とは?
個人間送金とは、スマホなどを使い、個人に対してお金を電子マネーとして送金する方法で、主に専用のアプリを通じて利用できます。銀行振込よりも手軽で簡単な上、24時間いつでも送金が可能なため、急な支払いが必要な場合に便利です。
個人間送金はその場でスピーディーに送金できるのが特徴で、例えば次のような身近なシーンで利用できます。
- 飲み会などの会計時の「割り勘」
- グループでのプレゼント購入や旅行の代金をメンバー間で精算
- 家族への仕送り
- 少額の謝礼の支払い
2 個人間送金のやり方
個人間送金の一般的なやり方は次の通りです。
1.アプリをダウンロードする
まずはスマホに個人間送金に対応しているアプリをダウンロードします。現在、多くの電子マネーや銀行が個人間送金サービスを提供し始めています。
2.アカウントを作成する
アプリをインストールし、登録画面で名前、住所、電話番号、メールアドレス、パスワードなどを入力してアカウント作成します。アプリによっては、本人確認書類(免許証、マイナンバーカードなど)や本人顔写真を撮影する、携帯番号と銀行口座を紐づけるなど、登録に必要な情報が異なる場合があります。
3.残高をチャージ(入金)する
送金をする前に、アプリに残高をチャージする必要があります。クレジットカードや銀行口座からチャージします。
4.送金する
残高をチャージしたら、送金が可能になります。アプリ内で送金先のアカウント情報(電話番号、メールアドレスなど)を入力し、送金額を設定します。
5.送金確認をする
送金したら、送金履歴を確認することができます。履歴には送金日時、送金額、相手の情報などが表示されます。
3 個人間送金のメリットと注意点
個人間送金の大きなメリットを具体的に紹介します。また、個人間送金を利用する上で押さえておきたい注意点もお伝えします。
【個人間送金のメリット】
・手元に現金を用意する必要がない
割り勘をする際は細かい金額になってしまうことがほとんどです。個人間送金であれば1円単位で送金ができるため小銭を用意する必要もなく、幹事も個別にお釣りを渡すといった面倒な手間を省くことができます。
・24時間いつでもどこでも、すぐに送金が可能
個人間送金は基本的に24時間365日、銀行の営業時間や休日に関係なく好きなときに送金できます。周囲に開いている銀行やATMがなくても送金が可能です。
また、リアルタイムで送金が完了するため、急ぎの支払いや受け取りが必要な場合に便利です。
・送金履歴が残る
履歴は送金元・送金先の双方が見やすい表示になっており、払い忘れや受け取り忘れといったトラブルを防止できます。
・銀行の情報のやり取りが不要
個人間送金は送金先のアカウント情報(メールアドレスや電話番号など)だけで送金できるため、銀行の口座情報のやり取りは不要です。
・送金時の手数料は無料になる場合が多い
多くの個人間送金サービスは、送金を行う際の手数料を無料にしています。そのため、ATMの時間外手数料や振込手数料を節約することができます。
このように個人間送金には多くのメリットがある一方で、注意しておくべき点もあります。利用するにあたっては次のような点に気をつけましょう。
【個人間送金の注意点】
・送金限度額がある
個人間送金には1回当たり、1日当たりの送金額の上限が設定されています。アプリによって異なりますが、送金額が上限を超えないように注意しましょう。
・相手と同じアプリを利用している必要がある
個人間送金のアプリは数多くありますが、基本的に、送金したり受け取ったりする際は相手と同じアプリを利用する必要があります。複数のアプリをダウンロードすることで、この問題は解消できますが、お金(アプリの残高)が分散したり、管理が面倒になったりするおそれがあります。
ただし、「ことら送金」というサービスに対応しているアプリであれば、異なるアプリ同士でも送金が可能です。
4 個人間送金がさらに手軽になった「ことら送金」とは
「ことら送金」は2022年10月11日から開始された、1回当たり10万円までの個人間送金限定のサービスです。その大きな特徴は4つあります。
- ことら送金に対応している銀行間・資金移動業者であれば、相手のアプリを気にせず送金のやりとりが可能。
- 口座番号指定での送金だけではなく、受け取り側が事前に設定した携帯電話番号に送ることができる。
- 送金時に「●●の支払いです」といったメッセージを送ることができる。
- 今までの銀行振込よりも送金手数料が安く済む。2023年2月28日時点でサービスを開始している31行については送金手数料が無料。
最大の特徴は、「ことら送金」に対応しているアプリ間であれば、異なるアプリでも個人間送金が可能な点です。2023年2月28日時点で、メガバンク・地方銀行など合わせて31行が「ことら送金」に対応しています。
また、今後も29の銀行、170の信用金庫が対応予定となっています。これらの金融機関は「ことら送金」のウェブサイトで確認できます。各金融機関のサービス開始時期は順次公表されます。
■ことら送金■
https://www.cotra.ne.jp/p2pservice/
「ことら送金」に対応しているアプリの中には、決済サービスと連動して個人間送金だけでなく、実店舗での支払いもスマホで簡単にできるものもあります。
例えば日本電子決済推進機構が提供する「Bank Pay」は、りそなグループやメガバンクの他、「ことら送金」対応の金融機関に対して、「ことら送金」で手数料無料の送金が可能な上、「QRお買い物決済サービス」により、対応店舗で登録口座から直接支払いができます。
■Bank Pay(ことら送金・QRお買い物決済)■
https://www.resonabank.co.jp/kojin/kessai_nozei/bankpay/
個人間送金は、一度利用してみるとその使い勝手の良さを実感することができます。一度、自分の登録口座の金融機関が「ことら送金」に対応しているかを確認してみるとよいでしょう。
以上
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