新年度が始まりました。今年度は皆さん1人1人が新しいことに挑戦し、会社を盛り上げる1年にしてほしいと思っています。営業先の新規開拓、新たなプロジェクトの立ち上げ、製造ラインの見直しなど、どんなことでも構いません。ぜひ、積極的に手を挙げてチャレンジしてください。
ただ、そうはいっても何かを始めるときというのは、「本当に大丈夫かな」「失敗したら怖いな」といった不安が付いて回るものです。そんな不安を感じたときは、ぜひこう考えてみてください。皆さんの仕事は、「ローリスク・ハイリターン」であると。「いやいや、リスクはあるだろう」と思う人もいるでしょうが、大切なのは気の持ちようです。試しに、経営者である私と比べてみてください。
私の主な仕事は、事業のあらゆる局面で最終的な決定を下す「経営判断」です。もちろん些細(ささい)な決定事項もありますが、重要な事項を決めるときは常に「ハイリスク・ハイリターン」です。正しい判断をすることで得られるものは大きいですが、判断を誤れば、場合によっては会社を潰し、皆さんを路頭に迷わせてしまうことだってあります。かといって、何もリスクを取らず、動かないままでは会社を存続させられません。経営者として、会社のためにリスクを取って勝負しなければならないときもあります。ですから、自分で言うのもなんですが、常に慎重に、不安と戦いながら仕事をしているのです。
もちろん社員の皆さんも、会社の中で成長するにつれて重要な仕事を与えられ、責任が重くなっていきます。とはいえ、仮に皆さんが仕事で失敗をしたからといって、会社を潰すほどの影響を与えるのかといえば、基本的には「ない」でしょう。権限の問題もありますが、皆さんの仕事の中で想定し得る程度の失敗であれば、大抵は私や幹部の人たちでフォローできるからです。ですから、皆さんの仕事は「ゼロリスク」とはいかないまでも、「ローリスク」といえるわけです。
そして、皆さんが失敗を恐れずに挑戦することには「ハイリターン」があります。チャレンジに成功すれば、それは皆さんの自信となり、仕事にも一層張りが出ます。成果を上げて会社の中での立場が変われば、お給料だって変わってくるでしょう。仮にチャレンジに失敗したとしても、新しいことに挑戦するために皆さんが身に付けた知識や技術は、その先も皆さんを助けてくれます。そして、皆さんの挑戦によって会社の事業に新しい可能性が見えれば、私たちや私たちの家族、地域の人々など、多くの人の未来が明るくなります。
いかがでしょうか。自分たちの仕事は「ローリスク・ハイリターン」だと割り切れば、リスクを取って新たなことに挑戦しようという気になりませんか。私は、皆さんが挑戦するための提案を、時間を惜しまずに聞くつもりです。今年度は、皆さんが私に、素晴らしい挑戦を提案してくれることを期待しています。
以上(2023年4月)
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画像:Mariko Mitsuda