QUESTION
1日の残業手当を15分単位で計算してもいいですか。
ANSWER
分単位で計算する必要があります。
解説
毎日の残業時間を15分単位で切り捨てることは、許されていません。
割増賃金の計算の便宜上、1ヶ月における時間外労働等の合計に1時間未満の端数がある場合に、30分未満の端数を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げることは、賃金全額払いの原則に違反しないという通達があります。
これはあくまでも1ヶ月の時間外労働を合計した場合に適用される通達ですので、毎日の時間外労働は1分単位で記録する必要があります。
例えば、月に21日勤務して毎日15分残業した場合、毎日の残業時間は切り捨てることはできませんので、この1ヶ月の残業時間は5時間15分になります。通達では、この5時間15分の内の15分を端数として切り捨てても違法ではないとしています。
逆に毎日15分未満の端数を切り上げて計算することは、労働者にとって不利にはなりませんので違法ではありません。
《参考》
端数処理について、通達では次の通り定めています。
- 1時間当たりの賃金額、割増賃金額に1円未満の端数が生じた場合50銭未満の端数を切り捨て、それ以上を1円に切り上げる。
- 1ヶ月における残業手当、休日出勤手当、深夜残業手当の各々の割増賃金の総額に1円未満の端数が生じた場合50銭未満の端数を切り捨て、それ以上を1円に切り上げる。
- 月給の支払い合計に100円未満の端数が生じた場合50円未満の端数を切り捨て、50円以上を100円に切り上げる。
ただし、3.の場合は、就業規則で定めることが必要とされています。
※本内容は2024年2月29日時点での内容です。
<監修>
社会保険労務士法人中企団総研
No.92030
画像:Mariko Mitsuda