QUESTION

有給休暇の繰り越し分と新規発生分はどちらを先に消化すればいいでしょうか。

ANSWER

法律上の具体的な定めはありませんが、不利益変更のリスクがあるため繰り越し分から消化するのが良いです。

解説

年次有給休暇の時効は2年となっています。その年に与えられた年次有給休暇は翌年まで使えるということになります。
その年に使われた年次有給休暇がその年に発生した分なのか、前年に発生した分なのかということについては労働基準法上の決まりはありません。
従ってどちらの方法で年次有給休暇を消化しても法的には問題ありません。
ただし、トラブル防止の観点から、就業規則で、どちらを先に消化するかの基準を明記すべきです。
仮に就業規則に定めをせずに運営した場合、その年に発生した分から消化していくと前年に発生した分が消化できずに時効を迎える可能性があります。
その結果、労働者が取得できる年次有給休暇の日数は、前年に発生した分から消化した場合と比べて少なくなるため、労働者にとって不利益変更となります。
このことから年次有給休暇については、繰り越し分から消化していくのが良いでしょう。

※本内容は2024年2月29日時点での内容です。
 <監修>
   社会保険労務士法人中企団総研

No.93050

画像:Mariko Mitsuda

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