QUESTION

傷病休職期間が満了して休職前の業務に従事できない場合、直ちに従業員を退職とすることはできますか

ANSWER

より軽易な業務に配置可能か、検討することが必要な場合があります。

解説

労働契約で職種や業務が特定されていない場合、病気や障害などにより従前の業務を完全に遂行できないときであっても、労働者が従前と異なる労務の提供およびその申し出を行い、実際に配置可能な業務がある場合には、労務の提供があったものとみなされます(片山組事件‐最一小判平10.4.9など)。
つまり、使用者は労働者に対し、可能な限り軽減業務に就かせる配慮義務を負うのですが、この際、労働者にも診断書の提出などによって使用者に協力する義務があります。
裁判例には、診断書を提出しない労働者の解雇がやむを得ないとされたもの(大建工業事件‐大阪地決平15.4.16)や、復職可能とした主治医の診断に対して諸般の事情から会社が診断書の信用性に疑問を抱くのは合理的と判示し、退職扱いを適法としたもの(日本通運事件‐東京地判平23.2.25)など、会社側の主張が認められたものもあります。

※本内容は2024年2月29日時点での内容です。
 <監修>
   社会保険労務士法人中企団総研

No.95070

画像:Mariko Mitsuda

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