書いてあること

  • 主な読者:主な「税金」のことを、具体的なイメージで把握したい人
  • 課題:税金は複雑で、具体的に「どれくらい払うのか?」などが分かりにくい
  • 解決策:主な税金について、具体的な数字で「金額、期間、パーセンテージ」を把握する

1 押さえておきたい税金の「パーセンテージ」

この記事では、主な税金(法人税・所得税・消費税・相続税・贈与税)に関する「パーセンテージ」を整理します。

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2 95%未満:消費税

95%未満は、消費税の仕入税額控除が一部できなくなる課税売上割合です。

課税売上割合とは、全体の売上高のうち、課税売上高(消費税が課される売上高)が占める割合で、消費税の仕入税額控除の計算などに使用されます。消費税の仕入税額控除の計算方法には、

  1. 全額控除方式:課税仕入れ等に係る消費税額の全額を控除
  2. 個別対応方式:課税仕入れ等に係る消費税額の一部を控除
  3. 一括比例配分方式:課税仕入れ等に係る消費税額の一部を控除

の3つがあります。

全額控除方式を適用することができるのは、課税期間における課税売上割合が95%以上で、かつ課税売上高が5億円以下の事業者に限られます。そのため、課税期間における課税売上割合が95%未満の場合、または課税売上高が5億円超の場合は、個別対応方式か一括比例配分方式のいずれかを利用することになり、課税仕入れ等に係る消費税額が一部控除できなくなります。

3 55%:相続税、贈与税

55%は、相続税と贈与税の最高税率です。

1)【相続税】相続税の最高税率

相続税の税率は、次の通り8段階に区分されており、最高税率は55%です。

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2)【贈与税】贈与税の最高税率

2015年以降の贈与税の税率は、次の通り「一般贈与財産」と「特例贈与財産」に区分されましたが、いずれのケースも8段階に区分されており、最高税率は55%です。

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4 45%:所得税

45%は、所得税の最高税率です。

所得税の税率は、分離課税(株式等の譲渡で生じた所得などと、他の所得を分離して計算)に対するものなどを除くと、次の通り7段階に区分されており、最高税率は45%です。

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5 29.74%:法人税

29.74%は、法人実効税率(外形標準課税適用法人)です。

法人実効税率とは、法人税だけでなく、地方法人税、法人住民税、法人事業税の税率を考慮した、実際に法人が負担する税率です。法人実効税率は次の算式で計算されます。

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標準税率を適用した場合の今後の法人実効税率は次の通りとなります。

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6 15%(19%):法人税

15%(19%)は、法人税の軽減税率です。

普通法人で資本金が1億円以下の法人(中小法人)の場合、年800万円以下の所得金額部分については、通常よりも低い税率(軽減税率)が適用されます。ただし、資本金が1億円以下でも、資本金が5億円以上の法人と完全支配関係にある場合、軽減税率が適用されません。

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以上(2024年9月更新)
(監修 税理士 谷澤佳彦)

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画像:Dilok-Adobe Stock

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