活用する機会の例
- 月次や週次などの定例ミーティング時の事故防止勉強会
- 毎日の朝礼や点呼の際の安全運転意識向上のためのスピーチ
- マイカー通勤者、新入社員、事故発生者への安全運転指導 など
多くの車や人が行き交う交差点は、交通事故が起こりやすい場所です。
特に右折では、運転者は対向車はもちろんのこと、歩行者や自転車などにも十分注意しなければなりません。一瞬の気の緩みが重大事故につながるおそれがあります。
今月は、このような重大事故となる危険が高い、信号のある交差点での右折における安全運転を考えます。
1.交差点での右折に潜む危険
令和4年の統計をみると、信号のある交差点で発生した交通事故は約5.3万件あり、その内、右折事故は約2万件にのぼり、全体の約40%を占めています。
出典:公益財団法人交通事故総合分析センター「令和4年版交通統計」から当社作成
交差点での右折は、走行中の対向車とのタイミングを計ったり、横断歩道上の歩行者や自転車などの安全を確認したりする必要があり、運転行動が複雑です。また、交通状況で想定外のことが起こったり、心理面で負荷がかかったりすることもあります。例えば以下のような危険が潜んでいます。
◆交通状況の危険
- 対向車の陰から二輪車などが飛び出してくる。
- 黄色信号で対向車が無理に交差点へ進入してくる。
- 自転車が目前の横断歩道を猛スピードで走行する。
◆運転者の心理面の危険
- 後続車がいるプレッシャーで、早く右折しなければと焦る。
- 対向車の車体が小さい場合など、そのスピードを実際よりも遅く感じる。
- 対向車の動きに気を取られてしまい、横断歩道上の歩行者や自転車への注意が疎かになる。
右折をする際は、様々な危険が常に潜んでいることを意識して運転することが大切です。
2.右折時の安全運転のポイント
以下の運転行動で上図のような安全確認を徹底し、事故を防ぎましょう。
- 交差点の中央寄りを徐行して、交差点の状況を広く見るようにしましょう。(交差点内での視野が広がり、右後方(※1)の確認がしやすくなります。)
- 対向車に急減速させるような強引な右折をしてはいけません。対向車が途切れない場合には、焦らず信号が変わるまで待つことが大切です。(対向車の陰(※2)に注意しましょう。)
- 交差点の信号が青に変わる瞬間に(対向車よりも先に)、猛ダッシュでショートカットするような右折をしてはいけません。
3.重大事故を避けるために
交差点右折時の重大事故で、多くの歩行者や自転車搭乗者が被害にあっています。交差点の右折では、対向車だけに気を取られないようにし、右折先の横断歩道にいる歩行者や自転車などにも注意を向ける必要があります。
対向車の陰や運転者の視野の外など見えないところに歩行者や自転車などがいるかもしれないと想定しながら運転しましょう。
以上(2024年2月)
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画像:amanaimages