書いてあること
- 主な読者:商談会への参加を検討する経営者
- 課題:商談会の当日は慌ただしく、浮足立つ。どのようなことに気を付ければよいのか
- 解決策:来場者への感謝を忘れず、立ち寄りやすい雰囲気やニーズの引き出し、そしてマナーを大切にする
1 商談会当日、ブースに来場者を呼び込むポイント
本稿では、リアル商談会当日に心掛けたいことをまとめます。商談会で来場者は、複数のブースを見て、たくさんの出展企業と出会います。そうした来場者に少しでも覚えてもらい、次につなげるために必要なことを考えてみましょう。なお、本稿では「商談会」は全て、特別なことわりがない限り「リアル商談会」を指します。
1)製品を分かりやすく展示する
商談会当日は、多くの来場者に興味を持ってもらい、商談をするのが主な目的です。まずは製品を、来場者に見やすく、分かりやすく展示することが大切です。具体的な留意点は展示する製品などによって異なりますが、「製品はブースの前面など来場者が見やすい場所に配置する」「製品名や製品の特徴を端的に示すキャッチコピーを目立つ位置に配置する」などは必ずやったほうがよいでしょう。
2)注目を集める装飾・演出やイベントを行う
来場者の印象に残るようにするには、ある程度の装飾・演出が必要になります。例えば、宣伝用の「のぼり」や「垂れ幕」などの装飾品が使われているケースが多いようです。また、担当者全員に「はっぴ」など共通の服装をさせれば、担当者が「動く広告塔」になると同時に、ブースの一体感や活気を演出することができるでしょう。
その他にも、簡単なイベントを開催するのも効果的です。例えば、製品の活用方法などをテーマにした短時間のプレゼンテーションや、製品のデモンストレーション、動画配信などを行うのもよいでしょう。
3)製品サンプルやノベルティーグッズを効果的に活用する
来場者してくれた方に感謝の気持ちを込めて、製品サンプルやノベルティーグッズなど(以下「サンプルなど」)をプレゼントとして用意しておくのもよいでしょう。例えば、「会社や製品のパンフレットなどの資料とセットにし、持ち帰りを促す」「名刺交換に応じてくれた人にお礼の意味を込めて配布する」といったように、目的を明確にするのも一策です。
4)立ち寄りやすい雰囲気をつくる
来場者にブースに立ち寄ってもらうためには、「立ち寄りやすい雰囲気づくり」にも注意が必要です。明るい色使い、楽しそうな雰囲気づくりなどを心掛けましょう。感染症対策の意味もあり、ブースに常駐しているのは少人数に限られるかもしれませんが、それでも、笑顔やあいさつを忘れずに、来場者を明るく出迎えることが大切です。
2 商談時に留意する事項
商談といっても、来場者の多くは、その場で取引を決定することは多くはないかもしれません。来場者の当日の主な目的は、資料では分かりにくい点を確認したり、「自社のニーズに適合した対応が可能か」といった点など、来場者が会社に帰って検討する際に必要な情報を収集したりすることです。
また、来場者の多くは、他のブースも見学する時間を確保したいと思っています。そのため、商談の時間はおおむね15分程度が目安で、長くても30分程度というケースが多いようです。
そこで、強引に商談を進めるのではなく、自社の製品やサービスを理解してもらった上で、「次につながる商談」を心掛けるとよいでしょう。具体的には次のような点に留意します。なお、これらの点を実践するには、当日に限らず、事前準備もしっかり行っておくことが大切です。
- 商談する担当者は、製品について熟知した人を配置し、スムーズに商談を進められるようにする
- 来場者が社内で検討する際に必要となりそうな情報を整理した資料を、事前に準備しておく
- 「来場者が何を知りたい(実践したい)のか」など、商談会後のフォローの際に必要となる情報を収集する
3 商談会のルールやマナーの遵守
商談会には、さまざまなルールがあります。当たり前のことですが、こうしたルールは遵守しなければなりません。基本的なものは、主催者が提示するルールです。事前準備から事後のブース撤去に至るまで、商談会のルールは守らなければなりません。
また、商談会には明示されたルール以外にも、守るべきマナーがあります。マナーの基本は「他のブースや来場者に迷惑を掛けない」ということです。例えば、通路や隣のブースの邪魔になるような展示や装飾などを行わない、音響設備を使用する際には、周囲のブースの迷惑にならないように音量などを調節するといった配慮が必要です。
また、今の時代、感染症に関するマナーも、必須なものといえます。主催者側が「当日は必ずマスク着用」「ブースには◯人まで」など、感染症対策としてルールを設けている場合もあるので、必ず確認しておきましょう。そうしたルールがなかったとしても、来場者や他の出展者に安心してもらえるよう、言動には気を配ることが大切です。社内で事前に説明会を開催するなどして、当日どのような立ち居振る舞いが望ましいか、どのようなことがNGかなどについて、意識を共有しておきましょう。
以上(2020年11月)
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画像:unsplash