QUESTION

定年の社員について雇用延長した場合に給付金はありますか。

ANSWER

高年齢雇用継続給付金がありますが、高年齢雇用継続給付金の受給や在職老齢年金の仕組みにより、厚生年金が減額される場合があります。

解説

高年齢者雇用安定法によると、企業が労働者を60歳以降も継続して雇用するには、

  • 定年を引き上げるか
  • 定年を廃止するか
  • 再雇用するか

の3つの方法があります。
大半の企業が再雇用制度を導入しています。退職後に改めて雇用契約を結ぶことで、業務の見直し・賃金の引き下げが容易にできるからです。
60歳以降も働いた場合、高年齢雇用継続給付金が支給されることが多くなります。
同給付金は60歳以降の賃金が60歳到達時等賃金に比べ75%未満に減った場合、賃金額の減少率に応じて支給されます。
一方、60歳から受け取る厚生年金は、高年齢雇用継続給付金の額によっても減額されるのに加え、在職老齢年金という仕組みで賃金に応じて減額されます。
在職老齢年金の仕組みを簡単に説明すると、賞与を含めた月給(総報酬月額相当額)と1ヶ月分の年金の合計が47万円(令和4年4月1日改正)を超える場合に厚生年金が一部又は全部支給停止される制度となります。この仕組みによる厚生年金の減額を回避するには、

①賞与を含めた月給(総報酬月額相当額)と1ヶ月分の年金の合計が47万円以下とする
②社会保険の加入要件を満たさない働き方とする(原則として、在職老齢年金の仕組は社会保険の被保険者に適用されます。)

方法が考えられますが、②の方法による場合、原則として健康保険に加入できず、国民健康保険料の負担が生じますのでご注意ください。

《参考》総報酬月額相当額

標準報酬月額+1年間の標準賞与額の総額を12で割ったもの(≒年収額÷12)

※本内容は2024年2月29日時点での内容です。
 <監修>
   社会保険労務士法人中企団総研

No.97030

画像:Mariko Mitsuda

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