おはようございます。今日は「ライバル」というテーマで話をします。私の言うライバルとは、良い刺激を与えてくれる競争相手のことです。長い社会人生活、どうしても気持ちが上がらない時期があります。そんなとき、ライバルがいれば「負けたくない!」と、自分を奮い立たせることができます。ただ、当社のような中小企業の場合、同期や出世レースの競争相手がおらず、それぞれが違う業務を担当している関係で、身近にライバルといえる存在がいない人も少なくないでしょう。
そんな人にお勧めしたいのが「勝手にライバル制度」です。これは、私があるコンサルタントの方から聞いたもので、テレビなどで話題の「有名人」を勝手に自分のライバルに認定してしまうというものです。有名人は、スポーツ選手でも俳優やミュージシャンでも構いません。
なぜ有名人をライバルにするのかというと、ニュースやインタビュー記事などで定期的にその人の情報をキャッチできるからです。例えば、スポーツ選手が大会に勝ったり、俳優が映画の主役に抜擢されたりすれば、その活躍がニュースで報道されます。インタビュー記事などを読めば、その人が仕事で何を大切にしているのか、過去にどのような困難を乗り越えているのかなど、人物像を立体的につかむことができます。
例えば、私のライバルはテニスの錦織圭選手です。彼に着目したのは、2015年に世界ランク4位に輝いたときのことでした。彼が私と同い年であることを知り、気になって調べてみると、17歳でプロに転向して以来、テニス一筋を貫いていること、粘り強いプレーに定評があること、世界4位の功績をつかんでなお努力を続けていること、とても負けず嫌いであることなどが分かりました。
その頃、私は社会人3年目で、仕事には慣れてきたものの、そこに落ち着いてしまい、刺激の少ない毎日を送っていました。いわば“中だるみ”の状態にあったわけです。そんな自分と同い年の錦織選手を比べ、「悔しいな。自分は何をしているんだろう」と嫉妬と情けなさを感じました。
私は錦織選手を、勝手に自分のライバルに認定し、「彼に置いていかれるわけにはいかない」と奮起して、自分を立て直そうとしました。錦織選手と同じく、私も「粘り強いこと」が長所です。だから、クライアントや社内の他の部署と交渉する際などは、多少困難な課題があっても「錦織選手なら諦めないはずだ」と踏みとどまって、相手の理解が得られるまで話し合うように努めました。彼が粘って1勝をもぎ取るまでの間に、私も粘り勝ちの交渉を1回成功させるという思いで。
錦織選手は、今でも私のライバルです。彼が怪我から復帰したときや、世界トップ10に返り咲いたときなど、ニュースで新しい情報を知るたびに感情が揺さぶられ、一歩前進するための気持ちが湧いてくるのです。皆さんの中に、最近、張り合いがないと感じている人がいれば、ぜひとも「勝手にライバル」を決めてみてください。
以上(2024年7月作成)
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画像:Mariko Mitsuda