【ポイント】
- 白イチゴは、色が白く熟していないように見えるが、実はとてもおいしい
- 「イチゴは赤い」という常識にとらわれすぎないことが大切。社員教育などでも同じ
- 常識を疑うことが大切だが、外してはならないポイントもあるので注意する
先日、知り合いがイチゴを送ってくれました。そのイチゴは皆さんが知っているような赤い色ではなく、雪のように真っ白な「白イチゴ」。一瞬、熟していないものが出荷されたのかと思いましたが、1つ食べてみたら個性的な甘さでとてもおいしく、新しい発見をした気持ちになりました。
実はこの白イチゴ、突然変異で生まれたものを、何年も品種改良を続けて「甘くて白い」イチゴにしたそうです。イチゴといえば赤いのが当たり前で、それ以外の色があるなどとは普通は考えもしません。そういった意味で、白イチゴはまさに常識を超えた商品といえるでしょう。
「常識とは違う」ことに注目し、価値や才能を見いだして育てていくのは、社員教育でも同じです。これから入ってくる新入社員の中にも、白イチゴのような「常識とは違う」人材がいるかもしれません。皆さんは、そうした新入社員を見て、接し方に悩んだり、理解に苦しんだりして困ってしまうことでしょう。中には否定的に見る人もいるかもしれません。
しかし、皆さんが持っている「常識」が常に正しいわけではありません。私たちが当たり前だと思っている「常識」が、世の中ではすでに時代遅れになっている可能性だってあるのです。商品やサービスについても同じこと。既に新しいものがどこかで誕生し、当社が主流から外れつつある状況かもしれません。白イチゴの新入社員は、私たちに、そうした目に見えにくい危機を気付かせてくれる存在です。むしろ、常識と違う異質な人材を、その良さを壊さず、“もっととがる”ように育てなければならないかもしれません。
とはいえ、個性を尊重する一方で、ビジネスパーソンとして通用するようにしっかり指導することも必要です。白イチゴが商品として魅力を発揮することができたのは、「白い」という物珍しさからだけではありません。「甘い」「大きい」という、私たちが普通のイチゴに期待する要素が備わっているからです。ビジネスパーソンの場合であれば、基本である「時間を守る」「あいさつをする」などのマナーやルールを指導しながら、個性はつぶさず、教えるべきことはしっかり教えていかなければなりません。簡単なことではありませんが、これからの当社を担う、白イチゴのような新人たちを、希望と期待を持って皆で育てていきましょう。
以上(2025年1月更新)
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画像:Mariko Mitsuda