2025年4月1日より、東京都、群馬県、北海道などで「カスハラ(カスタマーハラスメント)」の防止条例が施行されました。カスハラとは、
顧客等が、就業者(社員など)に対し、著しい迷惑行為(土下座の強要など)をすること
で、法的には民法の「不法行為」(故意・過失によって他人の権利や法律上の利益を侵害する行為)などに該当する可能性があります。
2025年4月1日時点では、カスハラをピンポイントで取り締まる法律はないのですが、東京都などがカスハラの社会問題化を受け、全国で初めて防止条例を作った
のです。
例えば、「東京都カスタマー・ハラスメント防止条例」では、次の通り14の条文が定められています。
この条例により東京都内の事業者(会社)には、努力義務ではあるものの、東京都の施策に協力しつつ、カスハラから就業者(社員)を守るための体制の整備、カスハラ防止のための手引きの作成などが求められるようになりました(赤字)
また、東京都はこの条例に加えてカスハラ防止に関する指針を定め、それに基づいてカスハラ防止につながる情報提供や啓発・教育などの防止施策を実施していくようです(青字)。
■東京都カスタマー・ハラスメント防止条例■
https://www.reiki.metro.tokyo.lg.jp/reiki/reiki_honbun/g101RG00005328.html
なお、冒頭で「カスハラをピンポイントで取り締まる法律はない」と言いましたが、実は
2025年通常国会において、カスハラ防止対策を強化するための「労働施策総合推進法」の改正案が提出
されているので、今後は状況が大きく変わっていくかもしれません。改正案の内容は下記URLの「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律案」の項で確認できますので、今後の動向に注意しておきましょう。
■厚生労働省「第217回国会(令和7年常会)提出法律案」■
https://www.mhlw.go.jp/stf/topics/bukyoku/soumu/houritu/217.html
次のコンテンツで、厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」に基づく、カスハラの基本的な対応についてまとめているので、興味のある方はぜひご確認ください。
また、こちらはカスハラ防止に使える「職場ポスター」です。社員への周知や顧客への注意喚起のため、職場や店舗に貼ってご活用ください。
以上(2025年4月作成)
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画像:正樹 国府田-Adobe Stock