1 今度はテスラジャパンに挑む
2 質問「これまで販路開拓やチャンスを切り開く中で一番大変だったことは?」
3 高野さんの販路(チャンス)開拓のポイントは4つ
4 質問「販路開拓に必要な情報とは? どうやって入手するか?」
5 最後の質問「販路開拓で一番大事なこととは?」
1 今度はテスラジャパンに挑む
「ブログでポルシェを300台売った」という異色の実績を持つ、株式会社ストーリーテラーズ代表取締役、通称“ブルドーザー”こと高野(こうの)美奈子さん。
「本当にいい会社に光が当たる世の中をつくりたい」
その想いのもと、高野さんはとにかく行動を続けています。企業ごとのストーリーを丁寧に紡ぎ出し、それを記事や動画といったコンテンツにして発信。そして販路開拓も突き進めます。気持ちと実際の行動の両方があるからこそ、高野さんの言葉には、説得力があります。
今回、高野さんはなんと、ゼロからテスラジャパンにアプローチし、最終的には社長へのインタビュー記事の掲載まで実現しました。この、ゼロからテスラジャパン社長にまでつながった「高野さん流テスラジャパンモデル」を横展開した販路開拓を行い、高野さんは今、大阪で、八尾市や東大阪市の製造業の“魅力発掘隊”としても絶賛活躍中です。
このインタビューでは、そんな高野さんに「販路開拓の勘どころ」を、実際のエピソードを交えて語っていただきました。
2 質問「これまで販路開拓やチャンスを切り開く中で一番大変だったことは?」
「一番大変だったのは、キーマンにたどり着くことです」
明確な目的は「テスラジャパンの社長に会う」ことでしたが、最初はメール・郵送・直接訪問など、あらゆる手段を試しても反応はなし。ゼロからの飛び込みだったので、それも当然だったかもしれません。
関西から東京まで出向いたものの、企画書を手渡すことができなくて入り口のポストに投函する場面もあった高野さん。まさに“ブルドーザー”の異名を体現する行動です。
しかし結果が出なかったため、戦略を一度練り直すことに。
そこで見つけたのが「テスラオーナーズクラブジャパン」(クラブ)という団体。高野さんはオーナーとしてこのクラブに参加し、更新が止まっていたウェブサイトに対して「無償で更新をお手伝いしましょうか?」と提案します。
キーマンである団体の代表理事を見つけてつながり、信頼関係を築いたうえで、コンテンツ執筆を担当。その後、代表理事から「こんなに良いコンテンツを書いてくれるなら、社長インタビューもどうですか?」という流れになり、テスラジャパンの社長へとつながっていきました。
「回り道のようで、結果的に、それが一番の近道だったんだと思います」
高野さんは今回、テスラジャパンにチャレンジしていく中で、「仕事につなげたい」から「お役に立ちたい」というような気持ちに変わっていったことなどを、正直に教えてくださいました。ここは高野さんの言葉をそのままお借りしてご紹介します。
「当初は、テスラジャパンとつながることで何か仕事につながればという思いがありました。正直、打算的な気持ちもありましたし、ビジネスとして合理的に動こうと考えていました。
ただ、実際にプロジェクトに関わり、社長とも直接やり取りをさせていただく中で、『仕事がほしい』という気持ちは次第に薄れていきました。
それ以上に、目の前のことに価値を提供したいという気持ちが大きくなっていったんです。
結果として、自分が持っているスキルや価値――たとえば『発信の支援』といったミッションに沿った行動を起点に、テスラオーナーの方々から別案件の相談をいただいたり、新たなビジネスの可能性が広がりました。
改めて実感したのは、『先に与える側に立つこと』が、長期的な信頼や販路拡大につながるということ。
目の前の利益だけを追うのではなく、ミッションドリブンで動くことの大切さを、今回の経験から学ばせてもらいました。
今回の出会いと機会に、心から感謝しています」
目の前のことに「お役に立ちたい」という気持ちで精一杯集中して力を尽くす。そして感謝の気持ちを持ち続ける。こうしたことも、とても大事なのではないかと思います。
3 高野さんの販路(チャンス)開拓のポイントは4つ
1)チャンスに気づく力
「テスラオーナーズクラブジャパン」を見つけたとき、そのサイトが更新されていないことに着目し、「ここなら自分の力が活かせるかも」と気づいたことが始まりでした。
2)キーマンを見つける根気と洞察力
メーリングリストやメールのやり取りの中から、どの人が実際に意思決定しているのかを丁寧に読み取る。肩書きだけでなく、宛名やメールのやりとりなどからキーマンを見つけ出す観察眼と根気。これも大事なポイントです。
3)自分が役に立てることをしたいですという姿勢
高野さんも改めて振り返っていますが、最初から何かを売り込むのではなく、「お金にはならなくても、役に立ちたい」という気持ちで関わる姿勢が重要。高野さんの「ウェブサイト更新、私ならお役に立てるかもしれません」という申し出が、のちの社長インタビューにつながりました。ビジネスはボランティアではありませんが、根底にある「役に立ちたい」という気持ちは欠かせないものです。
4)いいコンテンツを作る力
実はこれが一番基本、大前提といえるでしょう。高野さんのコンテンツは、読んでいて分かりやすく、そして面白い。きれいごとだけでなく、現場のリアルも伝えられる。コンテンツとはつまり高野さんの商品です。「商品がいい」のがまず大事。「こういういいコンテンツにしてくれるなら、社長インタビューもぜひ」となるのです。
ちなみに、高野さんが「コンテンツを作るうえで大事にしていること」は、本記事の最後に掲載しています。
4 質問「販路開拓に必要な情報とは? どうやって入手するか?」
「自分で動く。自分で動いて情報を取りに行く。これが一番大事だと思います」
「最初は『テスラジャパンの知り合い、誰かいませんか?』と周囲に聞いて回っていましたが……」と語る高野さん。やがて、自分で動くことの大切さに気づいたそうです。
実際に自ら行動していると、「こういうところなら入り込めるかも」と周囲からアドバイスが受けられたりすることもあったとのこと。
「紹介すること」も同じです。自ら動いている人には紹介したくなるし、動かない人には紹介したくなくなるものです。
5 最後の質問「販路開拓で一番大事なこととは?」
「大事なのは、役に立ちたいという気持ちと行動。そしてコンテンツの良さ」
役に立ちたい気持ちがあったら次は行動が大事。ただし、役に立ちたい気持ちがあってもコンテンツ(商品)がダメだと、「いい人だけど、コンテンツ(商品)はイマイチ」で終わってしまう。
逆に、コンテンツが良くても、最初から「売りたい売りたい」では人は逃げる。つまり、
役に立ちたいという気持ち × 行動 × 商品の質
この3つが揃うのが販路開拓に最も大事なことだと、高野さんは自分の経験を振り返りつつまとめてくださいました。
「これから10年で1万社。本当にいい会社に光が当たるように頑張ります!」
楽しそうに、そして覚悟を持ってそう語る高野さん。
高野さん、今回の販路開拓インタビューにお答えいただきありがとうございます!
高野さんがコンテンツで大事にしていること
- 読み手への配慮(わかりやすさ、敬意、感情)
- 読み進めたくなる構成力(興味がない人でも読める設計)
- 内容そのものの誠実さ(マウントを取らない、嫌な気持ちにさせない)
読み手の気持ちに配慮しつつ、自然と引き込まれ、気づけば心に何かが残るような構成を、丁寧に、誠実に。読んでよかったと思ってもらえることを大事にしている。
こうした点は、テキストコンテンツのみならず、高野さんのつくる動画からも伝わってきます。
以上(2025年4月作成)
pj10087
画像:株式会社ストーリーテラーズ提供