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大規模な災害が続く昨今、万が一のとき、会社が社員の安全を守り事業を継続するには、日ごろからの準備が欠かせません。社員の安否確認やデータ・書類のバックアップ、資金繰り、労務管理など、あらゆる場面で発生するイレギュラーに対し、その場の判断だけで対応するのは不可能です。この【中小企業のためのBCP】シリーズでは、中小企業が押さえておきたい防災・BCPの基本を、テーマごとに分かりやすくご紹介します。
1 「そのとき社員は動けるか?」~AED に初期消火、今こそ見直す防災訓練~
大規模な災害時、社員が適切な行動を取るためには、日ごろの防災訓練が欠かせません。例えば、大地震の場合、「安全確保と応急救護」「通報と初期消火」「避難」というのがおおまかな初動対応の流れになります。これを想定した防災訓練を実施する場合、まずは基本となる
「応急救護訓練」「通報・伝達訓練」「消火訓練」「避難訓練」のポイントを押さえる
ことが大切です。次のコンテンツで、AEDの使い方、119番通報の具体的な伝え方、消火器の適切な使用方法などを紹介します。
2 社員の「安否確認」手段を整備しよう
いざ災害が起こってもスムーズに行動できるよう、事前に決めておきたいのが、安否確認の手段です。具体的には「メールやSNS」「災害用伝言ダイヤル(171)」「災害用伝言板(web171)」などがありますが、
それぞれの手段で一長一短があるので、違いを理解し、どれを優先的に使うかを決める
ことが大切です。次のコンテンツで、社員の安否確認手段の整備方法を紹介します。
3 テレワークや外出中の社員を災害から守るためのチェックリスト
社員が外出中に災害があった場合、普段の連絡手段が使えないことがあります。加えて、
オフィス街、住宅街、地下街、電車の中、車での運転中など、どこで災害にあったかによって対処法も異なる
ので注意が必要です。次のコンテンツで、オフィスの外での防災対策について、災害が発生した際の対処法や普段から備えておくべきことをチェックリスト付きで紹介します。
4 重要なデータ・書類のバックアップ
電子データや紙の重要書類は、それが使えなくなると事業の存続に関わる危機的な影響が及ぶため、バックアップが不可欠です。電子データや書類をバックアップする方法としては
- 電子データ:外部記憶媒体、ネットワークストレージ(NAS)、オンラインストレージ
- 書類:コピーを取る、スキャナーなどで電子データ化する
などが挙げられます。次のコンテンツで、重要なデータ・書類のバックアップ方法や、バックアップ体制を整えるポイントを紹介します。
5 チェックリストで確認! 「経理部門」のBCP
会社にとって「カネ」を管理する経理部門は、事業活動の血液とも言える重要な役割を担っています。その機能が停止すると事業に甚大な影響を及ぼすため、
「オフィスや工場の閉鎖」「情報システムの使用不能」「社員の勤務不可能」といったシナリオも想定した上で、被害額の算出、運転・復旧資金の見積もりなどの対策を打つ
必要があります。次のコンテンツで、経理部門におけるBCPの策定ポイントを紹介します。
6 災害時の労務管理!社員の賃金が振り込めなくなったら?
災害時は会社の事業継続が重要で、「労務管理」もその一環です。例えば、家族の治療や家屋の修理などでお金が必要なときに、賃金の支払いが滞ったら大変です。労働基準法などの定めに従って行動することが基本になりますが、
- 災害時も平常時も変わらず適用されるルール(例:賃金は毎月1回以上、一定の期日に支払わなければならない)
- 災害時のみ適用される特殊なルール(例:36協定によらずに社員に残業を命じられる)
があるので注意が必要です。次のコンテンツで、災害時の賃金支払い、休業手当、労働時間管理などの労務管理ルールを紹介します。
7 【規程・文例集】「防災管理規程」のひな型
万が一の際に社員の安全や自社の資産を守るための拠り所となるのが防災管理規程です。被害を最小限にとどめるためには、
組織体制(全社防災対策本部長、防火管理者など)を明確にした上で、職務や活動内容(火災予防、設備点検、消防計画の策定、消火・通報・避難訓練の実施など)を定める
ことが大切です。次のコンテンツで、「防災管理規程」のひな型を紹介します。
以上(2025年7月作成)
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画像:wladimir1804-Adobe Stock