【ポイント】
- 情報の話題性だけにとらわれて、信ぴょう性を確認しないのは危険
- 最初は疑い、必ず真偽のほどを確認することが大切
- 人に伝えるのなら、確かに正しい情報と確認できてからでも遅くはない
情報はインターネットを介して一瞬にして広がっていきます。皆さんもインターネットで興味深い情報を発見し、FacebookやXなどで「こんな速報があった!」「あの人がこんなこと言ったんだって!」などというように、他人に広めたことがあるかもしれません。しかし、情報の話題性だけにとらわれて、その信ぴょう性を確認しないのは危険です。
この点について、私には苦い経験があります。かつて、私の担当顧客にカメラ好きの方がいました。私はカメラに詳しい友人から未公表情報として、あるカメラの新製品情報を教えてもらったので、そのことを話題にしたのです。しかし、後になってその情報は間違いで、結果として私の友人の勘違いであったことが分かりました。お客様は私の情報を信じて喜んでいたため、それが間違いだと分かるとたいそう残念がってしまいました。私は、友人の話を確かめもせずにそのまま信じてしまった自身の軽率さを深く反省しました。
それ以後、私は他人の話、雑誌やニュースの記事、小耳にはさんだ話でも最初は疑い、必ず真偽のほどを確認することを心がけています。これは当たり前のことに感じられるかもしれません。しかし、これがなかなかできないことなのです。確認の手間を面倒に思って「きっと間違いないだろう」と考えたり、「あの人が言っているのだから」と信じてしまったりすることは少なくないのです。
私の場合は趣味の話でしたので、深刻なトラブルにはなりませんでしたが、これがビジネスでお金にまつわる話題であったなら、大変なことです。皆さんも、根拠のない悪評のせいで大企業の株価が下がったり、商品の売れ行きが悪くなったりするのをみたことがあるでしょう。
幅広い情報を迅速に収集することは大切ですが、正しいものでなければ意味がありません。また、情報というものは、第三者に伝えた時点で自分に情報発信の責任が生じます。「人から聞いた話なので、それが間違っていても自分には責任はない」というのは通用しないのです。皆さんも、特に人に情報を伝えるときにはこのことをよく心にとどめておいてほしいと思います。人にそれを伝えるのであれば、確かに正しい情報だと確認できてからでも遅くはないのです。
以上(2025年10月作成)
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画像:Mariko Mitsuda