当社のサービスが的外れでないか、現場の方のご意見を伺えませんか?
「つながれない時代」に、どう扉を開くか
今、営業担当者にとってはある意味厳しい時代です。アポ取りも、「担当者と直接話すこと」そのものも難しくなっているからです。代表電話はAIやコールセンターの担当者がガードし、企業のホームページから電話番号が消え、ようやくつながっても「不要」「忙しい」とすぐに断られる。担当者につないでもらうこと、話を聞いてもらうこと自体のハードルが高いと感じる営業担当者も多いでしょう。
これは、単に効率化が進んだからというだけではありません。情報が溢れ、誰もが多忙な現代において、相手の担当者も受付も、
「自分の貴重な時間を、自分(自社)に関係ない一方的な売り込みで浪費したくない」
という自己防衛、警戒の意識を持っています。特に年明けの慌ただしいこの時期、内容の不透明な電話や営業は、余計に避けたいと思っているでしょう。
「つながれない」時代では、一方的に提案や事例を伝えようとしてもなかなかアポイントは取れません。そこで、相手を「現場を知るプロ」として頼る、「相談」する冒頭のフレーズが力を発揮する可能性があります。
このフレーズをもう少し丁寧にしてみると下記のようになります。「この◯◯の件」については、相手のホームページやSNSを確認する、AIを活用して情報収集するなどして実際にしっかり調べることが必要です。
「御社の取り組みについてHPを拝見しまして、ぜひこの◯◯の件、お話しお伺いさせていただければと思っております。実は当社の新サービスが、現場の方にとって的外れなものになっていないか迷っている部分がありまして……。ぶしつけで恐縮ですが、御社のご担当者に、ぜひご意見だけ伺えませんでしょうか」
なぜ、この「相談」が門扉を開くのか
相手の取り組み(◯◯の件)を知っていることを伝えた上で、営業担当者としての「迷い」を正直に伝え、相手の知恵を借りようとする姿勢は、相手の警戒心を緩める可能性があります。具体的には次の3点などが期待できるでしょう。
1.「現場の感覚」への敬意
「自分たちだけでは分からないことがある」と認めることで、相手の経験や立場に対する真の敬意が伝わります。
2.「的外れではないか」という確認
完成品を売り込むのではなく、ズレを正したいという動機なので、相手は「それなら少しだけ答えてあげようか」という心理になりやすくなります。
3.サービスへの真摯な取り組み方
「本気で良いものを開発・提供したい」という営業担当者の真面目な熱意が伝わります。単に売りたいトークではなく、自社のサービスを磨き上げようとする真摯な姿勢が、相手の「プロとしての共感」を呼び起こすことも期待できます。ただし、こちら側が本気で良いものを開発・提供したいと考えていることが大事です。
相手の負担を減らす「最短の準備」も欠かせない
ただし、言葉だけで相手のガードを突破するのは至難です。そこで、相手に「読む負担」や「考える労力」をかけないために、以下のような工夫を組み合わせてみましょう。
1. 「仮説」を口頭で10秒〜15秒相談してみる
「ご相談したいので(あるいは、ご意見をお伺いしたいので)資料をお送りします」と言ってしまうと、相手に、資料を読ませる手間をかけてしまいます。「資料を読んだ後、次の機会に」ということでアポ取りのハードルも上がってしまうでしょう。
そこで、電話口で仮説を一つだけ短く提示します。時間としては10秒〜15秒くらい。「御社の〇〇という取り組みを拝見し、もしかすると現場では『△△という課題』があるのではないかと推察しました。この仮説、合っておりますでしょうか?」 これなら、相手はその場で「YES・NO」や「実はね」と答え始めることができます。その後は「もっと詳しくお聞きしたいので15分だけお目にかかれないでしょうか?」とアポ取りのきっかけも言いやすくなります。
2. 公開情報の「一行」「キーワード」を具体的に引用する
相手のホームページやSNSに書いてあった一行やキーワードを具体的に出します。例えば、「社長ブログのこの一言」や「ニュースリリースの最後のキーワード」などです。 「ニュースリリースの□□というキーワードを読み、僭越ながら、まさに同じことに課題感を持っておられるのではないかと感じました。そこで、ぜひ、御社のご意見を伺いたいのです」。こうすると「あなた(相手)でなければならない理由」が、強く相手に伝わります。
潔く引き下がることも、もちろん必要
もし、それでも担当者につないでもらえない、つないでもらえても「今は時間がない」と言われた場合は、こう返して引き下がりましょう。
「失礼いたしました。現場のリアルなご意見をお伺いしたくてお電話してしまいました。よろしければ、また改めてご相談させてください」
粘りすぎず、しかし「現場のリアルな声を大事にする」という姿勢を崩さない。この潔さと真摯さが、次回、「あの『うちの意見が聞きたい』と電話してきた人か」と思い出してもらうための伏線にもなり得ます。
これから新しい一年が始まります。これまでお伝えしてきたように、まずは「等身大の相談」から、最初のアポ取りに挑戦してみてはどうでしょうか。あなたの真摯な想いが、きっと素晴らしい出会いの扉を開くはずです。さあ、今年も、最高の一歩を踏み出しましょう!
以上(2026年1月作成)
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画像:Gemini