書いてあること
- 主な読者:2024年に賃上げをするか否かについて悩んでいる経営者
- 課題:賃上げの判断が難しく、何を基準にすればいいのかよく分からない
- 解決策:重要な判断基準は自社の業績。社会保険料や賞与・退職金への影響、賃金のどこ(基本給、手当など)を賃上げすべきかなども考慮する
1 「賃上げ」に悩む全ての経営者の方へ
連日のように話題になっている賃上げ(定期昇給やベースアップ)。ただ、次のようなことが気になって、自社はどうすべきか決めあぐねている経営者も少なくないはずです。
- そもそも、賃上げって本当に必要なのか?
- 社会保険料や賞与・退職金への影響は大丈夫か?
- 賃金のどこ(基本給、手当など)を賃上げすべきか?
- 賃金規程は、今のままで大丈夫か?
以降で、このような悩みや疑問の解決に役立つ記事を多数紹介しますので、御社の賃上げの検討にぜひご活用ください。
2 そもそも、賃上げって本当に必要なのか?
賃上げが必要かを検討する際は、自社の業績はもちろん、物価高など社員の生活、同業他社の状況、春闘の動向など、さまざまな情報に目を通す必要があります。次の記事が参考になります。経営者317人を対象にした、賃上げに関するアンケート結果も紹介しているので、ご確認ください。
2024年「賃上げ」に対する経営者317人の本音。あそこの企業は賃上げするのか?経営者317人に対し、「賃上げを実施するか」「賃上げ率は何%か」「賃金のどこ(基本給、手当など)を上げるか」などを聞いたアンケート結果を紹介します。
「賃上げ」はどこまで必要? 労働分配率や賞与・退職金を基準に考える賃上げを検討する際に知っておきたい、「労働分配率」の考え方、賃上げの影響を回避する「基本給非連動型」の賞与・退職金制度などを紹介します。
3 社会保険料や賞与・退職金への影響は大丈夫か?
賃上げは社員にとっては嬉しいことですが、毎月の賃金額が変われば、社会保険料の負担も増えます。また、会社の制度によっては、賃上げの影響範囲が賞与や退職金に及ぶこともあるので注意が必要です。次の記事が参考になります。賃上げの負担を軽減する助成金なども紹介しているので、ご確認ください。
「賃上げ」で使える助成金! 業務改善助成金など5種類を紹介賃上げに関する中小企業向けの助成金等を5つ取り上げます。それぞれ支給額や要件等の情報に加え、専門家のワンポイントアドバイスも紹介します。
最低賃金の改定で会社の賃金負担はどれだけ重くなる?法律によって定められた最低賃金制度の仕組みを紹介し、最低賃金に基づき賃金を見直した場合、人件費負担などにどのような影響があるのかをシミュレートします。
賃上げの影響を受けにくい「基本給非連動型」の賞与・退職金制度注目される「賃金引き上げ」について、適正水準の見つけ方、賞与との関係、社会・労働保険料などへの影響、経営者が検討すべきポイントを紹介します。
2024年10月スタートの「社会保険の適用拡大」で負担が増える会社とは?2024年10月1日からの「社会保険の適用拡大」に際し、労働時間が流動的なシフト制パートがどのような場合に社会保険に加入するのかをシミュレートします。
4 賃金のどこ(基本給、手当など)を賃上げすべきか?
基本給を賃上げする場合、基本給がどのような要素で構成されているか(年齢、勤続年数、能力、職務のグレードなど)によって、賃上げへの影響が変わってきます。また、基本給は、一度上げると「賃下げ」が難しいという理由で、手当や賞与を増やすことを検討する会社もあります。次の記事が参考になります。
「基本給」の賃上げは属人給と仕事給のウエイトに注意!基本給は、年齢、勤続年数、能力、職務のグレードなど複数の要素で構成されます。各要素が基本給に占めるウエイトが、賃上げにどう影響するのかを掘り下げます。
中小企業に賃上げは必要? 会社負担が少ない「手当」を使ったアプローチ賃上げに踏み切れない経営者向けに、「賃金センサス」を使って自社の賃金水準の確認しつつ、会社負担の少ない「手当」で実質的な賃上げを図る方法を紹介します。
賃金の悪平等をなくす「調整給」はどこまで自由に支給できるか?賃金規程通りに支払うのが妥当でない場合に支給する賃金「調整給」。曖昧な運用でトラブルにならないよう、支給するケースや支給期間の考え方を紹介します。
5 賃金規程は、今のままで大丈夫か?
賃上げをする場合、自社の「賃金規程(就業規則)」の賃金テーブルなどを書き換える必要があります。また、その他にも、労働基準法上、必ず賃金規程に定めなければいけない項目などがあるので、まとめて見直しをしておきましょう。次の記事が参考になります。
「賃金規程」のポイントを理解すれば、賃金の基本ルールは大体分かる賃金規程に記載すべき事項を、絶対的必要記載事項(必ず記載すべき事項)と相対的必要記載事項(定めがある場合に記載すべき事項)とに分けて紹介します。
【規程・文例集】最新法令に対応した「賃金規程」のひな型賃金規程は、労働基準法を始めとする労働関係法令の改正状況を踏まえた内容にする必要があります。最新法令に対応した賃金規程のひな型を紹介します。
6 その他、賃金関係で見落としていることはないか?
賃上げ以外にも、「未払いや過払いなどのトラブル防止」「同一労働同一賃金の問題」など、賃金について押さえておくべきポイントがさまざまあります。次の記事が参考になります。
やらかしがちな賃金トラブルにご用心。未払いや過払いなどへの対処法賃金実務のイレギュラーな事態として「遅刻や早退の賃金控除」「未払い賃金の支払い」「過払い賃金の返還」の3つを取り上げ、法令上のルールを紹介します。
「家族手当」は本当にオワコンなのか? 諸手当のバージョンアップ諸手当の見直しのポイントを「1.経営者が方針を決める」「2.法令のルール(不利益変更や同一労働同一賃金)に注意する」の2つに分けて紹介します。
賃上げ時代に重要な「同一労働同一賃金」でビジネス的平等を実現職務の内容とその変更範囲が同じならば待遇も同じにし、異なる場合も違いに応じた待遇を実現する「均等待遇・均衡待遇」の基本的な考え方を紹介します。
「同一労働同一賃金」チェックリスト 御社の対応は本当に大丈夫?パート等が「均等待遇・均衡待遇」の対象になるか、正社員との間に待遇格差はあるかなど、同一労働同一賃金の状況を確認するためのチェックリストを紹介します。
【規程・文例集】賃金引き下げに関する労働協約と個別の同意書のひな型業績の悪化や社員の勤務成績の低下などに応じて賃金引き下げを行う際、労働組合や社員とトラブルにならないための労働協約と個別の同意書のひな型を紹介します。
以上(2024年4月作成)
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画像:pixta