遅い夕食

1 「遅い夕食」で胃食道逆流症のリスクが上昇!?

胃食道逆流症(逆流性食道炎)は、胃液や胃の内容物が食道に逆流して起こる病気です。
胃の粘膜には、胃液に含まれる胃酸から胃を守る働きが備わっていますが、食道の粘膜にはそのような働きがありません。そのため、胃酸が食道に上がってくると、粘膜にただれができたり、胸やけや、酸っぱいものが込み上げてくる呑酸(どんさん)も典型的な症状です。

胃食道逆流症(逆流性食道炎)の原因となるのは、「脂肪分の多い物や肉類の食べ過ぎ」「アルコール飲料」「早食い」「食後すぐに横になる」「精神的・身体的ストレス」「遅い夕食時刻」などがあります。

慢性的な胸焼け・せき・副鼻腔炎などの症状を訴えていたあるレストラン経営をしている男性が、毎日午後11時頃に仕事を終え帰宅後に夕食をとってから眠る、という生活スタイルを、夕食を午後7時に食べて、仕事の後は何も食べないようにすることや、寝る前のアルコールを控えるように変えただけで、6週間以内に症状が治まりました。

健康な人なら数時間ほどで胃内の食物が空になりますが、高脂肪の食品を食べ過ぎると、消化がさらに遅くなる傾向があります。就寝前の間食も逆流を促す原因となります。

遅い時間に飲食をする生活スタイルがある方は、生活を見直してみてはいかがでしょうか。

【注意】医師の指示を受けている方は、必ず医師の指示を優先してください。

2 休肝日はアルコール性肝臓病予防にも効果的!

アルコール性肝臓病を予防するために週に3~5日の休肝日が効果的であることが、5万人以上を対象とした調査で明らかになりました。

アルコールを飲み過ぎると、「脂肪肝」という状態になりやすくなります。この段階では自覚症状は乏しく、エコー検査で発見されることが多いです。飲酒が原因の場合は、断酒や節酒で脂肪肝を改善できます。つまりこの段階で気をつければ、元の健康な肝臓に戻れます。しかし、脂肪肝を放置したまま、アルコールを飲み続けると、やがて「肝硬変」に至る可能性があります。肝硬変は治療が困難で糖尿病など様々な合併症を引き起こし、肝がんの原因にもなります。

◆お酒の飲み方がアルコール性肝臓病に影響する?

「休肝日を設けた方が良い」と言われるのは理由があります。
アルコール20gに相当する量(ビールなら500mL、日本酒なら1合)を肝臓で分解するのに、個人差はありますが3~5時間前後かかります。
睡眠中は肝臓がアルコールを代謝する機能が落ちるので、飲んだ後にすぐ眠ると更に時間を要します。お酒を飲んだ後、就寝している間も肝臓は働き続けています。
肝臓を毎日連続して酷使すると障害が出やすくなります。
アルコールを殆ど毎日飲む人では、週に2~4回飲む人に比べ、アルコール性肝障害の発症率が3.7倍に上昇することが明らかになりました。
また、50歳代にアルコールを飲み過ぎた人のアルコール性肝障害のリスクは7.5倍に上昇し、20歳代に飲み過ぎてその後は節酒した人では1.7倍に抑えられていました。
お酒を飲む方は、ぜひ休肝日をつくりながら楽しみましょう。

【注意】医師の指示を受けている方は、必ず医師の指示を優先してください。

休肝日

以上(2023年2月)

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画像:photo-ac

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