書いてあること

  • 主な読者:各部門のトップにふさわしいのは、どのような人材なのかを検討している経営者
  • 課題:自分の考えはもちろん、他の経営者がどう考えているのかも知ってみたい
  • 解決策:歴史上の偉人に例えて、各部門のトップの素養についてイメージを固める

1 各部門のトップの人物像を固めておきたい経営者の方に

「総務・労務、企画・開発、人事、法務、財務、営業、DX」の7部門の長としてふさわしい自分を経営者に聞いたアンケート。いよいよ最強布陣が決定します!

なお、総務・労務、企画・開発、人事、法務の結果は以下のコンテンツで紹介しています。

2 財務部門は渋沢栄一

1)会社設立の豊富な経験と公共心(31人、27.9%)

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大河ドラマでも記憶に新しい、明治屈指の経済人です。「論語と算盤」の著作でも知られるように、電気や鉄道などのインフラ、銀行、保険、製紙など約500もの会社の設立に関わる一方で、福祉事業にも取り組みました。

多くの会社の立ち上げに関わった豊富な経験を望む声が多く、公共心を評価する人もいました。

  • 先見の明があり、新しいビジネスを精力的に生み出し、なおかつ成功させる力がある(60代男性)
  • たくさんの会社を起こしたとされるが、その分多くの失敗もあっただろうと思われる。そんな多くの失敗でもくじけない危機を切り抜ける精神力を味方に付けたい(50代男性)
  • 事業の立ち上げには決断力とパワー、運も要ると思うから(50代男性)
  • 多業種を起業しているので、多様な発想ができる(60代男性)
  • やりきる力がある(60代男性)
  • 新しい風を資金面から見据えて引き込む力(60代男性)
  • 小さな私個人の権益ではなく、もっと広い視野に立った見方ができそう(70代男性)

2)第2位:上杉鷹山(13人、11.7%)、再建を望む経営者からの熱烈なラブコール

  • 弱小藩を立て直した功績は大きい(80代男性)
  • 会社の再建には適任と思われたので(50代男性)
  • 状況を改善してくれそう(50代男性)
  • 少ないリソースを活用できそう(60代男性)
  • 質素倹約の体制で経理を務めてくれそう(60代男性)
  • 今と危機感が似ている(40代男性)
  • 自社の経営課題にぴったりの人物(60代男性)

3)第3位:石田三成(10人、9.0%)、信頼できる真面目で忠実な能吏

  • 忖度(そんたく)などせず数字で判断してくれそうだから(50代男性)
  • 全て安心して任せられそうだから(50代男性)
  • 生真面目できちょうめん(60代男性)
  • 全体の把握力と部分的な課題解決を手早く行うことができる判断力と実行力(60代男性)
  • その場の数字で評価ではなく、全体の数字がみえる。一部門ではなく会社全体を上げられそう(60代男性)

4)第4位:田沼意次(9人、8.1%)、変化への対応力を若手経営者らが支持

  • 経済構造の変化を把握していたところ(40代男性)
  • 当時としては発想や施策が先取的だったので(40代男性)
  • 全社的横断的に管理、運営できそうだから(60代男性)

5)第5位:二宮尊徳(金次郎)(6人、5.4%)、人間的な魅力も評価

  • 周りを守りながら責任を持った決定ができそうに感じた(60代男性)
  • 貧困の農民に、効率的な仕事の仕方を教えて、財を成す方法を教える指導力(70代男性)
  • 堅実に業務を遂行してくれそう(50代女性)

3 営業部門は坂本龍馬

1)日本初の商社や薩長同盟に携わった、志高きビジネスと交渉の達人(33人、29.7%)

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小説の中で形作られた魅力。持ち前の行動力と人脈を広げる才能によって、薩長同盟の仲介役や大政奉還の献策といった歴史を動かすキーマンの役割を果たすとともに、日本初の商社とされる「亀山社中(後の海援隊)」を結成するなど、商才も発揮しました。

日本初の海難審判事故とされる「いろは丸沈没事件」では、御三家である紀州藩を相手に、自作の歌をはやらせて世論を味方に付ける戦略も奏功して、見事に賠償金を獲得した交渉上手でもあります。

  • 商売に優れていて、人を納得させる話術もある(60代男性)
  • 商談をまとめるのがうまい(60代男性)
  • さまざまな関係者をうまくまとめられそう(40代男性)
  • 発想が大胆で、交渉力がある(60代男性)
  • 上下の隔てなく人付き合いができそう(40代男性)
  • 国民の未来を見据えてどんな相手も味方に付け前進する力がすごい(60代男性)
  • 行動力があって人望がある(60代男性)
  • 商売を作り、金借りがうまい(60代男性)
  • 過去、習慣にとらわれず新しい顧客を開拓してくれそう(50代男性)
  • 新しい仕事の開発を任せてみたい(60代男性)
  • 既存のことにとらわれず行動できる(50代男性)
  • 世界を相手にしようとした(50代男性)

2)第2位:豊臣秀吉(18人、16.2%)、天下人に上り詰めた「人たらし」の能力

  • 人たらしは営業力がある(60代男性)
  • 営業は人たらしが一番(50代男性)
  • 相手を味方にする力(80代男性)
  • 偉い人(決裁者)に取り入るのがうまそう(40代男性)
  • 戦国の「出世頭」感が強い。周りへの気配りや裏付けをしっかりしそう(40代男性)
  • 懐に飛び込むことができると考えたため。実子が誕生する前までの秀吉に限る(60代男性)
  • どんな相手にも打開策を見いだしてくれそう(40代男性)
  • アイデアも努力もそうだが、何よりも大勢で成し遂げなければならない課題に立ち向かうときに大事になるのは、人をまとめ上げる能力だから(50代男性)
  • 全幅の信頼はできないため、経営層には向かないが、営業の第一線ではカリスマ性を発揮しそう(60代男性)

3)第3位:源義経(4人、3.6%)、不可能と思われた平家打倒を実現した剛腕

  • 無理を成し得た男(50代男性)
  • とりあえず攻め(20代男性)
  • 戦うこと(50代男性)

4)第3位:藤堂高虎(4人、3.6%)、主君を7度替えて大名になった戦国の“世渡り上手”

  • 経歴(50代男性)
  • おせじがうまい(60代男性)
  • 人当りが良さそう(60代男性)

5)第3位:伊達政宗(4人、3.6%)、秀吉の怒りを機知と度胸でかわした東北の英雄

  • 営業の長は大胆不敵なところが欲しい(50代男性)
  • 窮地にあって人と和する能力(70代男性)
  • 戦略家(50代男性)

6)第3位:伊能忠敬(4人、3.6%)、日本地図の作成に55歳から歩くこと3.5万キロ

  • コツコツ努力(60代男性)
  • 足で稼ぐ営業を実践してくれそう(60代男性)
  • 努力と実行力(70代男性)

4 DX部門は平賀源内

1)江戸中期のスーパーマルチ人間(29人、26.1%)

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エレキテルの復元や「土用の丑の日」のキャッチコピーで知られる、江戸中期のスーパーマルチ人間です。歩数計、寒暖計、燃えない布などの発明家、薬品の博覧会(物産会)を開催したイベントプロデューサー、小説や浄瑠璃など戯作の作家、西洋画の画家、鉱山開発を指導した技術者など、多彩な才能を発揮しました。

天才といったストレートな評価だけでなく、発想の奇抜さや柔軟な考え方なども評価されているようです。

  • 新進気鋭の科学者(70代男性)
  • 発明家として天才的(40代男性)
  • 開発者(50代男性)
  • 機械に強い(40代男性)
  • 一意的なモノの見方にこだわらない発想力を持っていると思えるから。ないものは造ってしまえというところもまた魅力的(60代男性)
  • 攻めのIT戦略を立案してくれそう(60代男性)
  • 自身も学習鍛錬を怠らず、研究者として革新的なIT化を図ってくれそう(50代男性)
  • 日々進化するIT部門には柔軟な思考とアイデア力(60代男性)
  • 突飛な発想で突き進んでいく性格は、IT部門に向いていそう(60代男性)
  • アイデアの組み合わせがうまそう(60代男性)
  • 視点が色々とあるように見える(60代男性)
  • 面白いものを開発しそう(60代男性)
  • 推進力、実行力がある(40代男性)
  • 頭が良く、どんな事でもやり遂げる(60代男性)
  • 探究心(50代男性)

2)第2位:ジョン万次郎(9人、8.1%)、遭難後の渡米で幕末に貴重な欧米の情報通に

  • 新しいものを取り入れる感覚を持っていそう(50代男性)
  • アメリカの考え方を導入できそう(50代男性)
  • 国際的(50代男性)
  • 転んでもただでは起きない(80代男性)
  • 単純に人物が好き(40代男性)

3)第3位:田中久重(からくり儀右衛門)(7人、6.3%)、19世紀の「東洋のエジソン」

  • ITはただ電気に強いだけではなく、新しい発想に付いていき、自分の発想も組み込みつつ、極めて論理的に考えなければいけないので(50代男性)
  • 難解な課題も集中力と根気の良さで乗り越えていきそう(60代男性)
  • 独自のアイデアに優れている(80代男性)
  • 新しい事をしてくれそう(50代男性)
  • 細かい技術(60代男性)

4)第4位:種子島時尭(6人、5.4%)、16歳の時に西欧の漂着者から銃を購入し国産化

  • 新しいものを受け入れるだけでなく、施策として進める行動力(40代男性)
  • 先見の明(70代男性)

5)第5位:大友宗麟(2人、1.8%)、大砲を国産化した「南蛮」好きのキリシタン大名

  • 組織や社会のことを考えながら技術の導入を進めていってくれそう(40代男性)
  • 新しい技術の導入に優れている(50代女性)

5 決定! これが最強布陣だ!!

アンケートの結果は以上です。アンケートで分かった、経営者111人が考える各部門のトップの最強布陣は次の通りです。

  • 総務・労務部門:武田信玄
  • 企画・開発部門:黒田官兵衛
  • 人事部門:吉田松陰
  • 法務部門:大岡越前
  • 財務部門:渋沢栄一
  • 営業部門:坂本龍馬
  • DX部門:平賀源内

いかがでしたか? 総務・労務、企画・開発、人事、法務の結果を見逃した方は、以下のリンクからどうぞ。

以上(2022年5月)

pj00631
画像:Mariko Mitsuda

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