QUESTION
カスタマー・ハラスメント(カスハラ)に関して、企業の義務や責任などを定めた法令等はありますか?
ANSWER
カスタマーハラスメント(カスハラ)を直接的に規制する法律は現時点ではありませんが、企業の義務や責任を定めた法令やガイドラインがいくつか存在します。
なお、企業には労働契約法第5条に基づき従業員の安全を確保する義務(安全配慮義務)があり、カスハラから従業員を守る責任があります。
解説
カスタマー・ハラスメント(カスハラ)を直接的に規制する全国的な法律は現時点では存在しませんが、企業には労働契約法第5条に基づき従業員の安全を確保する義務(安全配慮義務)があり、カスハラから従業員を守る責任があります。
また、カスタマー・ハラスメント(カスハラ)に関して、次のような企業の義務や責任を定めた法令やガイドラインがいくつか存在します。
・労働施策総合推進法
- ⇒この法律は、職場におけるパワーハラスメント防止措置を企業に義務付けていますが、その防止指針において、顧客からの著しい迷惑行為に対する企業の対応が推奨されています。
・厚生労働省のガイドライン
- ⇒厚生労働省が作成した『カスタマーハラスメント対策企業マニュアル』では、企業が取るべき具体的な対策や対応方法が示されています。
・労働者災害補償保険法
- ⇒厚生労働省が定めた「心理的負荷による精神障害の労災認定基準」には、顧客や取引先、施設利用者等から著しい迷惑行為を受けた場合や企業が対応策を講じなかったことなども労災の認定対象として示されています。
なお、条例になりますが、東京都で全国初の「カスハラ防止条例」が制定されています(2025年4月施行)。この条例では、カスハラ行為の禁止などが明記されています。
今後の法整備の動向にもご留意いただきながら、上記法令やガイドラインに則して適切な対応や体制を整えることが重要です。
※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
<監修>
社会保険労務士法人中企団総研
No.95080
画像:Mariko Mitsuda