コロナ禍3年目にして初めて、行動制限がない年初となりました。一方で、いまだ続く新型コロナウイルス感染症の影響を考慮して、アフターコロナにおける新しい仕事のスタイルを見据え検討を進めなければなりません。
そのなかでテレワークは、コロナ禍の当初からオフィスへの出社からの切り替えが検討され、「ニューノーマル(新しい常態)」として、確立させようと各企業が努力を重ねてきました。
本稿では、「テレワークという新しい常態」の現状と課題を紹介し、今後どのような取り組みが必要なのかを考えていきます。

1 テレワークの現状

クラウドサービスを提供する企業の調査によると、週に3日以上のテレワークを実施していると回答した人は全体の28%で、「以前はテレワークしていたが今はしていない」と回答した人は全体の17%となりました。また、「テレワークをしている」と回答した方に対する「テレワークに不満がありますか?」との問いには、66%が何らかの「不満がある」と回答しました。

テレワークの実態調査

((株)ソウルウェア「アフターコロナにおける働き方実態調査2022年版」)

2 テレワークの不満や課題の内容

テレワーク自体への慣れからか、精神的な要因(「やりがいを感じづらい」「孤独を感じる」)より、次のように自宅で業務を行う環境に関連する不満や課題が目立つようになっています。テレワークが定着している方にとっては、オフィスと同様に働ける環境を求める声が多くなっていることが窺える結果と言えます。

テレワークの不満や課題

((株)ソウルウェア「アフターコロナにおける働き方実態調査2022年版」)

主な不満や課題の一つである、テレワーク下でのITツール利用で課題を感じる業務を複数回答可で聞いた結果としては「社内外での書類のやりとり」「交通費や経費の精算」「勤怠管理」などがあげられています。

3 さいごに

前述の通り、これからテレワークを「ニューノーマル」として定着させるためには、オフィス出社と変わらない「職場環境づくり」が大切になります。当然ながらオフィスは働くための場所として長らく整備されてきており、それに勝る環境を作ることは困難と言えます。しかしながら、日進月歩で進化する労務周りのシステムの導入や抜本的な業務(分担)の見直し、通勤手当・在宅勤務手当の整理などを行えば、自宅勤務だとしても変えられる職場環境もあるのではないでしょうか。

本内容は、あくまで複数社の調査結果となります。それでは、自社における問題点は何か、それをまず把握をすること。そしてその問題点に対応するためには何をすれば良いのかといったことに真剣に向き合うことが「テレワークのニューノーマル化」に必要なことと言えるでしょう。

※本内容は2023年1月11日時点での内容です

(監修 社会保険労務士法人 中企団総研)

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画像:photo-ac

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