書いてあること
- 主な読者:退職金制度の普及状況を知りたい経営者
- 課題:退職金制度を導入したいものの、どの形態が良いのかわからない
- 解決策:企業規模、業種別に分けた導入状況を把握する
1 退職金制度の普及状況
退職給付(一時金・年金)制度がある企業の割合は80.5%で、企業規模が大きいほど導入率が高くなっています。形態別については、退職一時金制度のみを導入している企業が最も多くなっています。
ただし、企業規模が大きくなると、両制度の併用や退職年金制度のみを導入する割合が高まっていくのが特徴です。産業別に見ると、最も導入率が高いのは「複合サービス事業」、最も低いのは「宿泊業・飲食サービス業」となっています。
次に、退職者1人平均退職給付額(勤続20年以上かつ45歳以上の定年退職者)を見てみると、学歴が高くなるほど退職給付額が大きくなります。また、両制度併用の場合の給付額が大きくなります。
2 中小企業のモデル退職金
1)調査産業計のモデル退職金
2)建設業のモデル退職金
3)製造業のモデル退職金
4)情報通信業のモデル退職金
5)運輸業、郵便業のモデル退職金
6)卸売業、小売業のモデル退職金
7)金融業、保険業のモデル退職金
8)不動産業、物品賃貸業のモデル退職金
9)学術研究、専門・技術サービス業のモデル退職金
10)宿泊業、飲食サービス業のモデル退職金
11)生活関連サービス業、娯楽業のモデル退職金
12)教育、学習支援業(学校教育を除く)のモデル退職金
13)医療、福祉のモデル退職金
14)サービス業(他に分類されないもの)のモデル退職金
3 中小企業退職金共済制度とは
中小企業退職金共済制度は、企業独自に退職金制度を持つことが困難な中小企業が相互扶助の精神により、互いに退職金原資を拠出し合って、安定した退職金制度を構築することを目的に作られた制度です。
事業主が勤労者退職金共済機構と退職金共済契約を結び、毎月の掛金を口座振替により納付します。従業員が退職したときは、その従業員に中退共から退職金が直接支払われます。中小企業が退職給付(一時金・年金)制度を導入する際の選択肢として検討するとよいでしょう。
■勤労者退職金共済機構 中小企業退職金共済事業本部(中退共)■
http://chutaikyo.taisyokukin.go.jp/
以上(2019年3月)
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画像:pexels