1 改定の仕組み

厚生労働大臣から諮問を受けた中央最低賃金審議会が、「中央最低賃金審議会目安に関する小委員会」により審議を重ね、取りまとめた「目安に関する公益委員見解」などを、地方最低賃金審議会に示します。各地方最低賃金審議会では、この答申を参考にしつつ、地域における賃金実態調査や参考人の意見などを踏まえた調査審議のうえ、答申を行い、各都道府県労働局長が地域別最低賃金を決定することとなります。

2 今回の答申のポイント

今回の中央および地方最低賃金審議会の答申のポイントは以下の通りです。

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3 業務改善助成金の拡充

今回の答申で盛り込まれた業務改善助成金は、設備投資により生産性を向上させ、事業場内最低賃金の引き上げを図る中小企業を支援するものです。8月から、この助成金に賃金引上げ対象人数で最大10人以上の枠が増設され、助成上限額が450万円から600万円に拡大されました。以下にその特例の概要をお伝えします。必要な要件などの詳細は厚生労働省のHPでご確認ください。

(1)特に業況の厳しい事業主への特例

 ① 対象人数の拡大・助成上限額引上げ

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 ② 設備投資の範囲の拡充

現行では自動車(特種用途自動車を除く)やパソコン等の購入は対象外とされていますが、コロナ禍の影響を受ける中にあっても、賃金引上げ額を30円以上とする場合には、生産性向上に資する自動車やパソコン等も補助対象に拡充されます。

(2)全事業主を対象とする特例

 ① 45円コースの新設

 ② 同一年度内の複数回申請

通常、同一年度内の複数回の受給は認められていませんが、特例により年度内に2回までの申請が可能となります。

4 さいごに

コロナ禍冷めやらぬ中での最低賃金の改定によって、事業運営に大きく影響を及ぼす企業もあるでしょう。雇用を維持し生産性を向上するために、本助成金の活用を検討してみてはいかがでしょうか。

※本内容は2021年8月13日時点での内容です

(監修 社会保険労務士法人 中企団総研)

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