勤務間インターバル制度は、2018年の6月に制定された「働き方改革関連法」で「労働時間等設定改善法」(労働時間等の改善に関する特別措置法)が改正され、2019年4月1日より会社の努力義務と定められました。

勤務間インターバル制度の目的は、労働者の健康維持をはじめ、ワークライフバランスの確保など多様な働き方を促進するためのものです。労働者が働く上で、十分な睡眠時間や生活の時間を確保できないままでいると、心身ともに大きな負荷がかかります。こうした負担を軽減し、労働者の「働きすぎ」を抑止するものとして、期待される制度です。

本稿では、勤務間インターバル制度の概要と企業の導入状況について、ご紹介して参ります。

1 勤務間インターバル制度

「勤務間インターバル」制度とは、1日の勤務終了後、翌日の出社までの間に、一定時間以上の休息時間(インターバル)を設けることで、労働者の生活時間や睡眠時間を確保するものです。

勤務間インターバル制度のイメージ

【例】11時間の休息時間を確保するために始業時刻を後ろ倒しにする場合

始業時間を後ろ倒しにする場合のイメージ

(厚生労働省「働き方・休み方改善ポータルサイト」)

制度導入に際してのポイントは、「休息時間の設定」と「休息時間が翌日の所定労働時間と重複する際の対応」となります。

【休息時間の設定】

休息時間の設定目安は、9時間~11時間(国が推奨)。

【休息時間が翌日の所定労働時間と重複する場合】

休息時間の確保のために、下記のいずれかの対応を行う。
① 始業時刻の繰り下げ。
② 重複する時間を働いたものとする。

2 企業の導入状況

勤務間インターバル制度の導入状況別の企業割合をみると、「導入している」が6.0%(令和4年調査5.8%)、「導入を予定又は検討している」が11.8%(同12.7%)、「導入予定はなく、検討もしていない」が 81.5%(同80.4%)となっています。

勤務間インターバル制度の導入状況別企業割合及び1企業平均間隔時間

(厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」)

3 さいごに

勤務間インターバル制度を導入する際は、会社の就業規則に規定する必要があります。

勤務間インターバル制度の導入は、労働者の健康維持やワークライフバランスの確保に留まらず、労働生産性の向上や雇用維持にも繋がります。会社の現状を把握した上で、労働環境に配慮した制度導入を考えてみてはいかがでしょうか。

※本内容は2023年11月9日時点での内容です。

(監修 社会保険労務士法人 中企団総研)

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画像:photo-ac

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