QUESTION

営業秘密の漏洩を防ぐためにライバル会社への転職対策を講じることができますか。

ANSWER

講じることができます。

解説

まず、就業規則や雇用契約書の中に、社員が会社の営業秘密について、秘密保持義務を負うことを明記します。
次に、制裁に関する規定および競業避止に関する契約書を準備します。
 1.在職中に営業秘密を漏洩した場合は、それを理由として懲戒解雇できるとする。
 2.在職中に営業秘密を漏洩した場合は、雇用契約上の債務不履行を理由として、その社員に対し損害賠償請求もできるとする。
 3.「退職後に同業他社に就職したときは、退職金の半額を返金する」と退職金規程に盛り込む。
 4.営業秘密を管理する立場にある幹部社員または取締役との間で退職後も2年間は、競合他社で就業(役員就任を含む)しないという特別の契約を結ぶ。
その際、以下の妥当性を判断し適正でないものは裁判上無効となることもあるので注意が必要です。
 (a)競業避止義務の対象職種・制限期間・地域範囲の妥当性
 (b)退職者の在職者の地位・職種の妥当性
 (c)労働者の競業行為の背信性の程度
 (d)代償措置が設けられているか
《参考》三晃社事件(最高裁判例昭和52年8月9日判決)
中小の広告代理業で、従業員と顧客との個人的なつながりが強く、その従業員が同業他社に移ることによって、営業上の不利益が生じる場合には、退職後一定期間内に競合他社に就職したときに、退職金を減額支給するとの扱いを合法としました。

※本内容は2024年2月29日時点での内容です。
 <監修>
   社会保険労務士法人中企団総研

No.99110

画像:Mariko Mitsuda

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