厚生労働省が毎年とりまとめを公表している「外国人雇用状況の届出状況のまとめ」によると、令和3年10月末現在、1,727,221人の外国人が日本で雇用されています。そのうち約2割を占める在留資格「技能実習」、そして平成31年4月に創設された在留資格「特定技能」、この2つの在留資格については、令和4年11月に両制度の見直しに向けた有識者会議が政府内に立ち上がり、今後の行方が注目されているところです。

ただ、この2つの在留資格制度、とりわけ「技能実習制度」には、実務上多くのリスクが存在するため、様々な対応が求められます。ここでは両制度の概要や、様々なリスクについてご説明します。

1 はじめに~「技能実習制度」と「特定技能制度」の概要~

(1)外国人技能実習制度

外国人技能実習制度は、我が国が先進国としての役割を果たしつつ国際社会との調和ある発展を図っていくため、技能、技術又は知識の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う「人づくり」に協力することを目的として創設されました。

技能実習には受け入れ機関別に2つの型があり、実習実施者(受け入れ企業)の外国にある事業所など、一定の事業上の関係を有する機関から技能実習生を受け入れて技能実習を行わせる「企業単独型」と、事業協同組合や商工会などの営利を目的としない監理団体が、外国の送出機関から技能実習生を受け入れたうえで、実習実施者に対して指導監督をしながら技能実習を行わせる「団体監理型」があります。

そして各々の型において、技能、技術等の習得段階によって「技能実習1号」(1年目)、「技能実習2号」(2年目~3年目)、そして「技能実習3号」(4年目~5年目)の区分に分かれて在留資格が存在します。なお、「技能実習3号」は一定の基準を満たす「優良な監理団体」かつ「優良な実習実施者」でのみ実施することができるとされています。

また、技能実習1号から技能実習2号に移行することができる対象職種・作業は86職種・158作業に限定されていますが(令和4年4月25日現在)、制度の見直しも検討されており、今後も業界団体からの要望に応えるべく増加していくと言われています。

(2)特定技能制度

特定技能制度とは、深刻な人手不足に対応するため、一定の専門性・技能を有し、即戦力となる外国人を受け入れる制度です。特に、国内で充分な人材が確保できない12分野を「特定産業分野」と位置づけ、特定産業分野に限って外国人が現場作業等で就労できるようになりました。

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画像:photo-ac

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