書いてあること

  • 主な読者:「残業」のルールについて知りたい新入社員
  • 課題:頑張って仕事をしたいのだから、いくら残業してもいいでしょ?
  • 解決策:残業できる時間には上限がある。また、残業する前には必ず申請をする

まいったな……。もうすぐ定時なのに仕事が終わらない。先輩から「残業するときは、必ず事前に申請するように!」と言われているけど、何だか面倒くさい……。そんなことをするくらいなら、仕事に集中したほうが効率的じゃない? それに頑張って仕事をするわけだから誰も文句はないよね。遅くまで働いているわけだし……もう、残業申請はしなくていいよね?

1 残業は「例外的」な働き方!

仕事は就業時間内に終わらせることが基本です。皆さんの会社でも、「始業は9時、終業は18時」といった決まりがあると思いますが、それが就業時間です。また、就業時間のうち休憩を除いた時間(仕事をしている時間)が労働時間です。

労働時間については、労働基準法という法律により、

原則1日8時間、1週40時間までという上限が決められており、これを「法定労働時間」

といいます。そして、法定労働時間を超えて働くことが「残業」です。本来、残業は例外的なものなので、残業には上限が決まっています。

残業の上限は、会社の「36協定」に定められています。本来、残業は認められない行為なのですが、会社と労働組合(あるいは社員の代表)が書面で約束することで、会社は社員に残業を命じることができます。ただ、無制限に残業を認めるわけにはいかないので、上限があるのです。例えば、36協定で「残業は1日3時間まで」と定められていたら、3時間を超える残業は認められません。イメージは次の通りです。

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また、36協定では、1日単位だけでなく、1カ月単位などでも残業の上限が定められています。例えば、36協定で「残業は1日3時間、1カ月45時間まで」と定められている場合、1日3時間の残業を15日繰り返すと、1カ月の上限45時間に達してしまいます。ですから、「自分が今月何時間残業しているのか」などを把握して、36協定に違反しないよう注意しなければなりません。

2 残業は事前に許可を得る

どうしても仕事が終わらないことはあります。そのようなとき、残業すべきかどうか迷ったら、「○○の業務のため、○時間残業したいです」と先輩に相談してみましょう。また、仕事は終わっているけれど、もう少し頑張りたいと思うときも、そのことを正直に先輩に伝えてみてください。先輩は残業すべきか否かのアドバイスをしてくれるでしょう。

やってはいけないのは、誰にも相談せずに勝手に残業をすることです。皆さんが勝手に残業すると、会社が皆さんの労働時間を正確に把握できません。そうなると、残業代を正しく支払えなくなったり、働き過ぎている社員を見つけられず、その社員が体調を崩してしまったりする恐れがあります。

なお、残業をする場合は、所定の手続きがあるはずなので、こちらも確実に行ってください。面倒かもしれませんが、残業する権利を得るための責務です。

3 健康管理も仕事のうち

残業のルールについて紹介してきましたが、良い仕事をするためには休憩も必要です。労働基準法では、労働時間が6時間を超える場合は最低45分、8時間を超える場合は最低60分の休憩を与えることが会社に義務付けられています。会社によっては就業規則などで、これより長い休憩を設定していることがあります。また、「残業が○時間を超える場合、○分の休憩を与える」など、残業に特化したルールを設けていることもあります。

仕事が忙しくなってくると休憩をおろそかにしがちですが、そのようなときこそ休憩をとりましょう。集中力はそんなに続くものではないので、休憩をとることが効率化につながります。そして何より、皆さんの健康が第一であることを忘れてはなりません。

以上(2025年1月更新)

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画像:Mariko Mitsuda

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