目次
1 忘年会に対する若手・中堅社員のホンネは?
今年も忘年会の季節がやって来ました! 多忙な経営者にとって、忘年会は普段交流の少ない社員と話したり、仕事を頑張ってくれている感謝を改めて伝えたりするための大切な場です。シンプルに「社員と膝を突き合わせて飲むのが楽しみ」な経営者も多いでしょう。ところで、
最近はネットなどで、「若い世代が、忘年会に行きたがらない」という類の記事や投稿をよく目にします。実際のところ、どうなのでしょうか?
今回は中小企業の若手・中堅社員(20代・30代)182人にアンケートを実施し、「忘年会は楽しいか、楽しくないか?」「楽しくないなら、その理由は?」「どんな忘年会だったら楽しい?」「忘年会について言いたいこと(自由回答)」などを、ホンネで答えてもらいました。ぜひ、これからの忘年会を考える上でのヒントにしていただけますと幸いです。
また、経営者322人にも、若手・中堅社員と同じ質問をし、その結果を掲載しています。
経営者と若手・中堅社員の、忘年会に対する認識のギャップが浮き彫り
になりましたので、併せてご確認ください。
経営者、若手・中堅社員ともに、アンケートは2025年11月に、インターネットを通じて行いました。回答の中で、明らかに誤字と思われる表記などは修正しています。
2 忘年会に対する認識のギャップ
最初に、回答者全504人(経営者322人、若手・中堅社員182人)に、「忘年会の開催頻度」を聞いたところ、次のような結果になりました。

忘年会を「毎年行っている」会社は34.5%、「時々行っている」会社は18.7%、「行っていない」会社は46.8%でした。
さて、以後の質問は、忘年会を「毎年行っている」「時々行っている」会社の方を対象にお聞きしています。忘年会について詳しく掘り下げていくにあたり、まず聞いてみたいのは
「忘年会」というイベントについての、経営者と若手・中堅との認識のギャップ
です。そこで、経営者154人に「なぜ忘年会を行うのか?」、若手・中堅社員114人に「会社が忘年会を行う理由は何だと思うか?」を聞いてみたところ、次のような結果になりました。

経営者、若手・中堅社員ともに、1位は「1年間の苦労をねぎらうため」ですが、その割合は経営者が55.8%、若手・中堅社員36.0%と、19.8ポイントの差があります。また、若手・中堅社員の18.4%は「(忘年会が)慣習で続いている」と考えています。
経営者の多くは「社員を労いたい」という思いを持っているのに、若手・中堅社員の多くは忘年会を「形式的なもの」と思っている
ようです。加えて、若手・中堅社員の7.9%については、忘年会を行う理由が「分からない/答えられない」という結果が出ました。何だか世知辛いですね……。
3 忘年会は楽しい? 楽しくない?
さて、次に気になってくるのは、
はたして若手・中堅社員は忘年会を楽しんでいるのか?
です。経営者154人に「自社の若手・中堅社員は忘年会を楽しんでいると思うか?」、若手・中堅社員114人に「自分自身が忘年会を楽しんでいるか?」を、聞いてみたところ、次のような結果になりました。

「楽しんでいる」「どちらかと言えば楽しんでいる」は、経営者が計63.0%、若手・中堅社員は計53.5%でした。この部分についてはそこまでのギャップはなく、
忘年会を楽しんでいる若手・中堅社員は意外と多い
ようです。ただ、無視できないのは
「楽しんでいない」「どちらかというと楽しんでいない」が計37.7%いること。この層の社員にどう向き合うかがこれからの忘年会の課題
です。次は、「若手・中堅社員たちが忘年会を楽しんでいない理由」を赤裸々に紹介します。
4 なぜ忘年会が楽しくないの?
今度は前章で「楽しんでいない」「どちらかというと楽しんでいない」を選んだ経営者15人と、若手・中堅社員50人に質問をぶつけました。経営者に「若手・中堅社員が忘年会を楽しめない理由は何だと思うか?」、若手・中堅社員に「自分が忘年会を楽しめない・忘年会に行かない理由は何か?」を聞いてみたところ、次のような結果になりました(どちらも複数回答)。

経営者が考える「若手・中堅社員が忘年会を楽しめない理由」の1位は「仕事の話が多くなりがち(73.3%)」でしたが、若手・中堅社員のほうでは5位(22.0%)となっています。
仕事の話が苦手な若手・中堅社員は一定数いるものの、経営者が思うほど多くはない
ようです。ちなみに、若手・中堅社員の「自分自身が忘年会を楽しめない理由」の1位は「拘束時間が長い/終わりが遅い(40.0%)」でした。
5 どうすりゃいいんだ! 忘年会
若手・中堅社員が忘年会を楽しめない理由は何となく分かったけど、結局どうすりゃいいんだ! ということで、今度は経営者154人と若手・中堅社員114人それぞれに
- 会話重視(居酒屋などでの、和気あいあいとした忘年会)
- 食事重視(高級レストランなどで、酒や食事を楽しめる忘年会)
- 時間帯重視(業務時間内(ランチタイムなど)に行う、飲酒なしの忘年会)
- イベント重視(ボードゲーム、スポーツなどを皆で楽しむ忘年会)
- チームの一体感重視(社員旅行などの宿泊先で行う忘年会)
- その他
- 特にない/分からない
の中から「一番楽しいと思う忘年会」を選んでいただきました。結果は次のようになりました。

経営者、若手・中堅社員ともに、1位は「会話重視(居酒屋などでの、和気あいあいとした忘年会)」ですが、その割合は経営者が59.1%、若手・中堅社員28.9%と、30.2ポイントの差があります。
また、注目すべきは、若手・中堅社員の中に「時間帯重視(業務時間内(ランチタイムなど)に行う、飲酒なしの忘年会)」を希望する人が23.7%もいることです。前章では、若手・中堅社員の「忘年会を楽しめない理由」の1位が「拘束時間が長い/終わりが遅い(40.0%)」でしたが、その裏返しでしょうか。経営者からしたら少し寂しい気もしますが、
「早めに始めてサクッと終わる」忘年会を希望する若手・中堅社員が少なくない
ようです。
ちなみに、経営者の中には「その他」と答えた人がいましたが、その人たちは、
- キッチンスペースでみんなで料理を作って楽しむ
- 割烹料理屋でお酒と料理重視で楽しむ
など、オリジナリティあふれるアイデアを回答してくれました。
6 忘年会について言いたいこと
最後に、経営者、若手・中堅社員の両方に、「忘年会について言いたいこと」を主張してもらいました!
【経営者】
「1年間の労苦を労いたい。そして、これからも真摯に目的に向かって邁進しようというのがホンネ」
「今年1年ご苦労様です。来年も一人一人目標を持ち充実した1年になるよう努めてください」
「気持ちよく参加出来るよう心がけたい」
「交流を深める会なので参加してほしい」
「1年間のねぎらいのために、景品など工夫もしています」
「やめたほうがいいのか聞きたい」
「会社内の親睦と社員の慰労のためにぜひ参加してほしい」
「いちいち不満そうな態度を出すな」
「楽しめ!!!」
「もっともっと楽しもう!」
「この1年間皆で良い仕事が出来た事など色々な話をしたいと思います。そして来年も良い方向性で良い仕事が出来るように」
「無理せず楽しんでほしい」
「1年を振り返って楽しんでほしい」
「今年の反省点を来年の成果に繋げるようにしてほしい」
【若手・中堅社員】
「補助を出してほしい」
「時間厳守 お酒を強要しない」
「長期、短期での先の見通しを教えてほしい」
「やるなら、費用は会社負担」
「忘年会費用を出してほしい」
「強制するな!」
「完全廃止にしてほしい」
「参加しなければならない風潮や翌日のお礼の面着が気に入らない」
「人数が多すぎて会場を探すのが大変なので、2回に分けてもいいなど妥協案を出してほしい」
「忘年会にかけるお金を給料で還元してほしい」
「30分にしてほしい」
「強制で参加しないといけないので、そこは参加したい人だけにしてほしい」
「お酒飲むならタクシーチケットが欲しい」
「時短でお願いします。会費の会社負担をもっと増やせ~~」
以上(2025年11月作成)
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画像:日本情報マート